おかげさまで「整動鍼百連」を無事に終えることができました。届いたアンケートとSNSに投稿された感想をドキドキしながら一つずつ読んでいます。予想以上に好評です!
終わったからこそ書けることがあります。今回は企画から準備までの裏話を書こうと思います。

1日100人施術するってどんな感じだろう?
100人施術する一部始終をライブ配信するこの企画、私の思いつきが始まりでした。
これまでどんなに忙しくても1日100人なんて診たことありません。8時間で計算してみると1人3~5分で終えなければなりません。実際の臨床では1時間に3人までとしています。ですから、普段の数倍の速度が必要です。もちろん、いくら速くても効果を感じていただけなければ意味がありません。
実現させるには私一人がいくらがんばっても無理です。参加してくださる方が混乱せずにストレスを感じることなく施術を受けるにはスムーズな動線が必要です。
不安に包まれたままチームは走り始めたのです。でも、こうも言えます。誰もが難しいとわかるから挑戦になります。当日の朝は不安が興奮にかき消され、なんだかわからない雰囲気でした。
誤解のないように書いておきますと、鍼施術は速ければよいというものではありません。この企画は平素の臨床と違って、対象は同業の鍼灸師です。
「こういう方法もあるんですよ」
という一つのスタイルをお見せするプレゼンテーションであり、パフォーマンスなのです。効果を加味しての評価ですので、効果の追求も疎かにはできません。当たり前ですが、鍼治療は効果ありきです。

実現するために取り組んだ秒単位の動線
普段は、問診から施術まで私一人で担当していますが、百連では問診担当を設けました。複数の症状がある場合が多いので、施術対象の症状を絞り込んでおくためです。この結果、30~60秒くらいで触診に進むことができました。
また、主訴は一つに限定しました。普段の臨床では、同時にいくつもの症状を診ることが多いですし、それができることが鍼治療の魅力の一つです。2つ目の症状がある場合には、もう一度並んで2回目を受けていただくというシステムにしました。

リスクを冒してでも伝えたい嘘のない世界
この百連は100症例をライブ配信するので、失敗も含めてすべて配信されます。都合よく良いところだけ見せることができません。私の実力が丸裸になってしまう、私にとっても恐ろしい企画です。
鍼灸業界は普段からこんな企画で溢れているわけではありません。20年以上鍼灸の業界にいますが聞いたことがありません。
ほとんどの場合、創案者や講師が壇上で技術を紹介する際には、患者役と事前に打ち合わせをしてから行います。デモンストレーションは重要なプレゼンテーションですから、ぶっつけ本番は避けるようにします。
ただ、こんな疑問が残ります。
「実際の臨床ではどうなんだろう?」
私が運営するセミナーでは、こんなふうに思われないように、受講者の中から受け手を探してぶっつけ本番でデモンストレーションをしています。
それでも、セミナーの参加者は「実際の臨床はどうなんだろう…」と思うようで、私のいないところでスタッフがよく質問されています。「普段もあんな感じですよ」と答えてくれているのですが、「そうは言っても…」と腑に落ちていない人が多い印象です。
セミナーと実際の違いを見るために、私の鍼灸院に受けに来てくださる方も少なくありません。別に、疑われていると思ってはいません。セミナー用と臨床用があるのではないかと疑うのは自然なことです。貴重な時間を割いて、大切なお金を使って勉強するのですから、当然の行動だと思います。
この企画を通して伝えたかったのは、日頃の臨床とセミナーで使っている理論もテクニックも同じであるという事実です。百連が終わった今、「ほら同じでしょ?」と堂々と言えるのです。

ライブ中継の視聴者を入れると200人超え
これだけの人数に参加していただけたことが本当に嬉しいです。そもそも、臨床というものは誰かに見せるパフォーマンスではありません。施術される側も見られたくないのが普通の心理です。会場で患者役をしてくださった同業のみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。
少なくとも、私は200人以上に、良いところも悪いところもすべてさらけ出したのです。少なくとも「口だけのやつ」と言われることはなくなりました。もちろん、口ほどでもないという評価を下されるかもしれません。それは仕方ないことです。
とにかく大切にしたいのは裏表をつくらないことです。受講者とのこ信頼関係を築く上でもとても大切なことです。嘘でも人を動かすことはできるかもしれませんが、いつかほころびが出ます。私はこの仕事を長くやっていきたいと思っているので嘘はつきたくないのです。

準備は裏切らない
百連の企画が生まれたのは3ヶ月前の4月でした。その頃もコロナ禍の出口が示されていませんから、100人集まるだろうか…と不安でした。8時間をブロック分けしていくので100人が狭い空間にギュウギュウになることはありませんが、企画名からなんとなく100人集まった様子を想像されてしまいます。
企画、宣伝、会場設置、備品の調達、配布資料の作成、協賛会社との打ち合わせを手分けして進めていきました。私は何もせず見守っていただけです。この百連がよい評価を頂いたなら、それは準備をしてくれたスタッフの手柄です。
私の手柄を一つ絞り出せば、「準備は裏切らない」ということをスタッフに経験させることができたことです。
鍼灸の臨床も準備が大切です。患者さんを診ている最中に実力が急上昇することはありません。鍼に魂を込めても実力は変わりません。逆に魂を込めなくても、それまでの実力は自然と鍼に出ます。準備は入念に本番は自然に。いつも心がけていることです。

準備から本番までの様子はこちらにまとめています。
先日開催された『整動鍼 百連』の様子はこちら!https://t.co/0Egy7JP6K5 #整動鍼 #整動鍼百連
— 整動協会@鍼灸師のための臨床研究会 (@seido_office) July 12, 2021
次のチャレンジは怪物との対談
すでに次のチャレンジに向けて私たちは動き始めています。詳しくは、前回のブログ「鍼灸業界に現れた『ルート治療』という怪物」をお読みください。
◎対談のライブ配信(視聴無料)
7月22日(木)19:00~20:00
視聴用URL:https://vimeo.com/event/1126241
twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke
・はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
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・整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)



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