鍼灸師とお産(16)-脳内麻薬

<このシリーズでは、鍼灸師であるクリ助が妊産婦さんに何ができるかを考えていきます。お産の現場をできるだけリアルに伝えますので、よいお産について一緒に考えてください。>

鍼灸師とお産(1)←シリーズの初めから読む
鍼灸師とお産(15)←前回の話に戻る

クリ子の発した言葉に衝撃を受けたクリ助。

 お産中に「気持ちいい」とはどういうことなんだ?

 産婦さんは誰でも気持ちいいと感じるのだろうか…。

 陣痛の合間に来る気持ちよさ…そんなことは聞いていなかった。

絶対に産婦になれないクリ助にとって、子宮収縮による痛みは、痛みの一種としてしか認識していませんでした。陣痛を経験のできない男性にとっては、具体的にイメージすることが難しいものです(生理痛ですら難しい)。ですが、鍼灸師たるもの、想像力をフルに活用し脳内陣痛を作り出さねばなりません。

痛みのイマジネーションが完成したところで、ふとした疑問がわいてきます。

 痛みは、肉体に苦しさを与えるもの。

 ではどうして、お産の時に苦しまなければならないのか…。

 痛くない方がいいのでは…。

皆さんもそんなふうに思ったことありませんか?
(それで既に無痛分娩があるのでしょうが…)

でも、陣痛は必要だからあるはずです。人類が繁栄できたのも陣痛のおかげのはずです。お産のマイナス因子として片づけてしまうのは乱暴な気がするのです。だから、クリ助は丁重に扱います。

そろそろ話を戻し、クリ子の「気持ちいい」の謎を解いておきましょう。

分娩中には脳下垂体から脳内麻薬と言われているβ(ベータ)-エンドルフィンが分泌されます。分娩のストレスや痛みを緩和するためと説明されています。クリ子が陣痛の合間に感じた“気持ちよさ”とはそのβ-エンドルフィンの作用なのでしょうか…おそらくそうなのでしょうね。鍼で分泌量が増えた可能性もあります。鍼治療で血液中のβ-エンドルフィンが増加することは実験で証明されていますから。

これで一件落着としたいところですが、私には大きな疑問が残りました。

せっかくβ-エンドルフィンが出ているなら、どうして陣痛はなくならないのでしょうか。β-エンドルフィンが弱いから?いいえ、そんなはずはないはずです。β-エンドルフィンの麻薬効果はモルヒネの6.5倍です。モルヒネが激しい痛みを抑えられるのですから、β-エンドルフィンが陣痛を抑えきれても不思議ではないはずです。でも、その割には痛そうです。やはり、陣痛は必要だからではないのでしょうか・・・・・・。

どうしても、陣痛が人体に意図的に残されるとしか思えません。そもそも、β-エンドルフィンが分娩のストレスや痛みを和らげるという学説そのものが間違いなんじゃないか、と大それたことも考えてしまいます。

一緒にこの謎に挑みませんか?

づづく…クリ子は一旦放っておいて、Thinking time…

ranking←クリ助に投票するツボ。脳内麻薬は合法です。

コメント

  1. かもめ より:

    ふ~む、アカデミックな謎解きになりそうですね。(こういうの、案外好きです。^^)
    陣痛は間欠的にやってくる…。
    ひょっとすると、胎児は回転しながら降りてきて、つっかかってはチョイ戻り、つっかかってはチョイ戻り、を繰り返すのでは…。(陣痛の間隔)
    その刺激が産道を徐々に広げさせると同時に、胎児も安全を確認しながら出て行ける。
    脳下垂体はエンドルフィンを一定量継続して出しているのでなく、ドバッと出したり絞ったりして、陣痛の間隔や強さをコントロールしてるのでは…、なぁ~んて、思ったりしたんですけどネェ。^^;)

  2. サト より:

    私はお産の痛みを全く覚えていないのですが、頭が見えてきたと言われたときのなんともいえない嬉しい気持ちだけ妙に覚えていますよ。陣痛の合間のリラックスした気持ちも。冗談で笑っていたりしてたし。ストレッチをしたときの多幸感と同じだとは思うのですが・・・子宮の収縮である陣痛はもしかして・・クリ助さんの考え楽しみにしてます。今日もポチです

  3. クリ助 より:

    >かもめさん
    かもめさんのおっしゃる通り、エンドルフィンは一定量で分泌されるわけではなさそうですね。その瞬間瞬間で分泌量がコントロールされているような気がします。
    胎児が安全を確認しながらというのもポイントだと思います。分娩はお母さんにとっても赤ちゃんにとっても、修羅場ですから。その時に体を守るシステムがあるわけですよね。
    陣痛は遺伝子がくれた“守り”のシステムかなー、というのが結論です。あとで具体的に書こうと思います。

  4. クリ助 より:

    >サトさん
    頭が見えたとき、私もなんとも嬉しい気持ちになりました。分娩中の女性は立ち合う男性とは比較にならない幸福感を味わうのでしょうね。はっきり言って、羨ましいです。
    サトさんも陣痛の合間のリラックスした気持ちを味わっていたのですね。やはり“痛い”だけではないですよね。
    私の説は思い切ったものです。
    誰かが先に言っているものではつまらないので(笑)

  5. なちゅら より:

    昨日から今までクリ助さんの問いをずっと考えていました。
    なんでなんだろう?競技中の選手が痛みを感じないのとどこか通ずるはず?と・・・。
    結局よくわからず^^ で、また今訪問しました(笑)
    自分が陣痛の合間のリラックスを感じれたのも、
    子供が産まれる直前でしたし^^;(←産むのへたくそ?)
    私のまだ生まれて欲しくないというマイナスな思いも
    β-エンドルフィンの分泌に関係したかもしれないなとか。
    でも、さっきまであんなに痛かったのに生まれた時
    のあふれるばかりの多幸感はホント不思議です。
    うん、それは男性にも味合わせてあげたいですね^^

  6. Chab より:

    私も、なちゅらさんと同様、ずっと考えています。
    もしや、この説は、ネイチャーやサイエンスに載るべきな重大発見では・・・!?
    そう思うと、コメントもいろいろ悩んでしまって、まとまりません。<- 意味無し(-_-;) また、改めてコメントします。m(__)m

  7. クリ助 より:

    >なちゅらさん
    なかなか結論を書かずにすみません。もったいつけるつもりはありませんでしたが、更新できずにいました。
    結論は明日のブログに書きますので、待っていてくださいね。思いついた仮説なので、納得していただけるか不安です。
    多幸感、本当に味わいたいです♪

  8. クリ助 より:

    >Chabさん
    ネイチャーやサイエンスなんてどんでもありません!そんなすごい説ではないので、期待しすぎないでくださいね。
    男性側から思いついた結論ですから、出産を経験された女性陣のご意見が楽しみです。
    では、明日の投稿で。

タイトルとURLをコピーしました