やりたくないこと

NBonline』で、「そうだ、そうだ!」と共感する記事と出会いました。

起業で失敗しないために(1)」という記事。

サブタイトルは「本当にやりたい仕事がある人は、独立してはいけない」というもので、「えっ!?」と目を疑うものでした。読んでみると、ガッテン!

独立がこんな切り口で説明されています。

「やりたいことはできないかもしれないが、やりたくないことはやらなくてもすむ」

うむうむ、確かにそんな感じです。

独立して鍼灸院を経営していると、「自分のお店(治療院)を持ちたくて持っている」と思われることがあります。少なくとも「嫌々ながら経営しているのだろう」と思う方は少ないのではないでしょうか。

確かに好きで鍼灸院をやっているわけですが…

「やりたくないことがあったから独立した」という側面がかなり多くを占めています。

やりたくないことNo.1=お酒を飲むこと

実はお酒が得意ではありません。チビッと味をみるように飲むことはできますが、たくさん飲むことはできません。たくさん飲む前に頭痛がして気持ち悪くなってしまいます。普通は気持ちよく酔ってからそういうデメリットが発生するはずですが、私の場合は最初からなのです。お酒のメリットを全く味わえない体です。

大学生の時に所属していた体育会系のスキー部。

その時にむりやり飲まされたことがどうやらトラウマになってしまったようで…。特にビールに拒絶反応が出てしまいます。

就職するときは付き合いで「ビールを飲まなくてもよいところ」と自然の思うようになっていたのです(当時、体育会にいたせいか、サラリーマンになってお酒が飲めないと全く出世できないと信じていました。馬鹿でした)。

そもそもの流れ、鍼灸師を諦めて大学に進学したという経緯があり、就職活動の季節に「鍼灸師ならむりやりお酒を飲まなくてもいいはず!」と思ったのは、自然現象の一部。

そこから鍼灸師への道へ。

ビールを飲みたくない一心で、両親に反対されながらも鍼灸の道へ方向転換。両親の兵糧攻め(生活費ストップ)にも屈することなく頑張りました。幸い、両親は専門学校に入学してからは応援してくれましたが、その時に「ビールを飲みたくない」なんて言っていたら、鍼灸師の道は確実につぶされていたでしょう。

やりたくないことNo.2=マッサージ

入学した学校では「はり」「きゅう」の他に「あん摩マッサージ指圧」がカリキュラムでした。「あん摩マッサージ指圧」の勉強や実技練習は大好きで一生懸命やっていたのですが、職業にしようとは思っていなかったのです。そもそも「鍼を受けた感動を他の人にも伝えたい」という気持ちが発端となっていたので、マッサージがメインではその感動が伝えられなくなるからです。

勉強や練習は楽しいけど仕事にはしたくない、それが私にとってのマッサージだったのです。

鍼灸学校も3年目に入ると就職先を考えることになりました。季節になると学生が求人情報に集まっていました。

しかし、その中に鍼灸ができる就職先はほとんどありませんでした。
あったのはマッサージの仕事ばかりです。

マッサージは「修行期間」と割り切るのも一つの考え方です。しかし、それが本当に鍼灸の修行になるかを考えたとき、どうしても納得できませんでした。患者さんのニーズが違うと思ったからです。それにマッサージを一日中やっていると指が痛くて…(わがままな理由)。

マッサージから逃げるために独立。
資金と人脈がないだけでなく、ビジネススキルもないまま独立。

そこへ最初の言葉がピッタリ当てはまります。

「やりたいことはできないかもしれないが、やりたくないことはやらなくてもすむ」

「鍼灸はできないかもしれない…」と確かに感じました。患者さんが全くいなかったからです。でも不思議なことに「どうにかなるさ」と楽観的にいられました。若かったからでしょう、たぶん。

ビールとマッサージから必死に逃げたから今があるようなものです。すごく嫌なことから逃げるために、「少し嫌なこと」はたくさんやってきたと思います。

「歯医者に行くと痛そうだから、虫歯が痛くても我慢しておく」のとちょっと似ているかもしれません。

今日は、ついつい不真面目なブログになってしまいました。
自分の名誉を守るために、この言葉を書き加えます。

 “Only the Paranoid Survice”

「インテル入ってる」で有名なインテルの会長の言葉で、意味は「病的なまでに心配性な人だけが生き残る」ということだそうです(『ウェブ時代を行く』梅田望夫著より)。

「心配だから頑張るのがアリなんですから、嫌なことから必死に逃げるのもアリでしょう。」を本日の結論とします。

ここまで書いて思い出したことが一つあります。
そもそも東洋医学や鍼灸に興味を持ち出したのも、病院の治療で苦い経験をしたからです。そう考えると、自分の人生ずっと逃げてきただけかもしれません。本当にそれでよいのか…本当に不安になりそうです。

もしかして、自分の仕事は患者さんを病から逃がすこと?
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コメント

  1. mac より:

    納得、同感、そのとおり(声小さめ)・・・ です。

  2. かもめ より:

    読み進むうちに、ウンウンとすっかり納得してしまいました。
    確かに私も鍼灸にたどり着くまでの経緯を振り返ってみるとまさしく消去法の連続だったし、逃げまくって最後に残ったのがこれだったというのが真相です、冷静に分析すると…。(笑)
    やり始めてみて「あぁ、この道が自分に一番あっているなあ。」
    という思いを積み重ねながらやってきた、それが本当のところですね。
    いつもながら、クリ助さんの切り口、視点には感服させられます。^^)

  3. jackal より:

    いやあ、私もおんなじだなあ。
    消去法で残ったのが今の業界だもんな。
    私の場合は自分が社会から消去されて、今のポジションにいるわけですが。

  4. クリ助 より:

    >macさん
    同感していただけてホッとしています。
    やっぱり「やりたくないこと」ってあるんですね。

  5. クリ助 より:

    >かもめさん
    昨年、お蕎麦屋さんの中で開業までにお話を話してくださいましたね(私の方から尋ねたと記憶しています)。
    他の鍼灸師の方、鍼灸師問わず起業している方って、どんな経緯で起業したのかとても興味をもっています。消去法や逃避行動であることが意外に多かったりして…。
    次の機会に、また詳しい開業話を聞かせてください!!

  6. クリ助 より:

    >jackalさん
    ある意味、生きていくって「社会から消去されないポジション」を探すような行為の連続かもしれませんね・・・。
    そんなことばかりを考えていると、暗くなってしまうから、人は自然に「やりたいこと」に目を向けるように生きるのかもしれないと思いました。「ポジティブに生きる」っていうのはそういうことかも。

  7. まゆり より:

    こんにちは!先日はお世話になり(いつもですが)ありがとうございました。おかげさまで元気モリモリです。クリ助さんのとこを訪問した際のお土産、日本酒でしたね。私自身も苦手なのに、世間の人ほとんどがお酒が好きだからと思い込み…。お酒がクリ助さんのやりたくないこと№1ってこと、共感とともにおかしく爽やかな思いです。お酒の好きな人が多く、飲めて当たり前って考える人が多いから、あんなのキライって言いづらい。人生は一度きりだから、他に迷惑をかけることじゃなければ、したくないことはなるたけしないで生きてきたいって思う昨今。あとはしたいことのみ追求ですね!

  8. クリ助 より:

    >まゆりさん
    こんにちは。
    日本酒のお土産覚えていますよ!ブログに日本酒を飲んでいるような似顔絵イラストを使っていた頃ですね。「誤解されちゃったかなー」と後悔したことを覚えています。すみませんでした。
    お土産のお酒は家族が楽しみましたよ♪私以外は好きなのでみんな喜んで飲んでいました。

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