とんでもない鍼灸解説書!

愛用のマシン(PC)はまだ直りません。
こんな時は休息と読書に限ります。

今日は1冊の本を紹介したいと思います。
タイトルの通り、とんでもない本です。

このブログでは、鍼灸の裏側をいろいろと書いてきたつもりです。
こんなこと書いて大丈夫かなー、と自問自答を繰り返した末に書いた記事もけっこうあります。
そんな私のリミッターを軽く超えている本が、これから紹介する『ツボに訊け!―鍼灸の底力』なのです。

4480064567 ツボに訊け!―鍼灸の底力 (ちくま新書)
寄金 丈嗣
筑摩書房 2008-11

by G-Tools

「おいおい、そんなことまで書いちゃうの!?」

と、鍼灸師にとってはドキドキする内容。
センセーショナルに扱っているわけではありません。等身大の鍼灸であるため、長短の「短」までがさらされています。

現役鍼灸師、学生の方には、本気で薦めたいです。
11月に出版されたばかりの本なので、まだお読みでない方も多いかと思います。

著者の寄金さんを好きになるか嫌いになるか・・・どっちかになると思います。
まずは、裏表紙に顔写真が出ていますので、第一印象から入ってください。

寄金さんとお会いしたのは学生時代。一度だけです。
学生だったクリ助は多くの学生に混じって話を訊いていました。あの時は、古武術の話をされていました。

この本に書かれている等身大の鍼灸は、患者さんに伝えたい内容です。
現在鍼灸を受けている方、これから鍼灸を受けようと思っている方、720円です。

「ツボって何?なんで効くの?」

という疑問に、ごまかさず答えています。

私も患者さんからよく訊かれます。でも、説明しようとすればするほど難しくなって患者さんは混乱するばかりです。だから、いつも善意を込めた「ごまかし」で返すようにしています。臨床の現場ではなかなか話せないマニアックな鍼灸雑学。詳しい話が好きな患者さんにはおすすめしようと思っています。鍼灸院で2冊くらい貸し出し用を購入することを検討しています。

鍼灸は数式では表せない世界です。

気になっている異性から送られる視線は嬉しいのに、そうでもなければ「気持ち悪い」ものですよね。
同じ視線なのに、送る側、受け取る側で、意味や効果は逆転してしまいます。鍼灸もこんなふに方程式では解けない世界です。鍼灸を語るのは恋愛を語るのと同じくらい難しいのです。

「花粉症に効くツボはどこですか?」

こんな質問を患者さんから受けたとします。
これを恋愛論に置き換えるなら「女性はどんな映画が好みですか?」という質問と同じです。

女性もいろいろですから、一つの答えにはなりません。

花粉症もいろいろなのです。
「これが効く!」と答えることができません。

モテル男は、好みの映画を事前にリサーチ。
公開中の映画の中から最適なものをチョイス。

デートは映画だけで決まりませんよね。
事前の約束、説明(あえてしないサプライズ)、そしてアフターも大事です。

最終的に女性が判断するのは「雰囲気」(のはず)。
選んだ映画だけで男性を判断することはないでしょう。だからといって、映画が好みに合わなければよい雰囲気にはなりません。モテル男はパターンを持っています。

デキル鍼灸師もパターンを持っています。

Aさん、Bさん、同じ花粉症と言われていても、使うツボは同じとは限りません。
Aさんだけの話にしても、いつも同じツボを使うわけではありません。

これが本当の話。

でも、本当の話はウケが悪く、わかりにくいのです。
だからといって、毎回恋愛の話を持ち出したら、気持ち悪いと言われます。

なんだかんだで、結局行き着いてしまうのが「花粉症には○○!」という表面的な話。
ツボを病気を治すスイッチとして扱ってしまうことが多くなります。確かにこの方がわかやすいのです。

真実から離れてしまう違和感を抱きながらも、「わかったような気がする」の効果は認めざるを得ません。雑誌の記事は読みやすくなって売れます。患者さんにとっは安心感があります。

ややこしい鍼灸を、そのまま説明するのも、簡単な言葉で片付けてしまうのも、鍼灸師の自由です。百人の鍼灸師に効いたら百通りの説明に出会えるかもしれません。

鍼灸は永遠にあいまいから抜け出せません。

だから否定論者も後を絶ちません。効いているという事実があっても、数字で説明できなければ認めない人もいます。「科学では効果が証明できない」と言って。そんな方には「人を好きになる気持ちを数式で証明してください。」と言えばよいのです(笑)

クリ助的には、「科学は医学に成り得ても、医学は科学にあらず。」なのです。

最後に、『ツボに訊け!』の中から心に残った言葉を紹介します。

寄金さんは鍼灸をこのように表現しています。

基本的に鍼灸はずっと低迷しています。…中略…それでも俺は鍼灸をやる、という人だけが入ってきて、苦労して、でもその人にしかわからない喜びを手に出来る(かもしれない)世界

冷静で現実的なのに、鍼灸に対する愛情があります。
マイノリティを認め、その中でワクワクできる人だけが鍼灸師を楽しめます。

クリ助のところにやってくる患者さんだってマイノリティ。
わざわざ鍼灸を選ぶあなた、少数派であることは間違いありません。

以上、マイノリティ・レポートでした。
人気ブログランキングに投票

コメント

  1. RIKI より:

    ご紹介の本、チェックしてみます。
    それにしてもPC復旧作業お疲れ様でした。
    私にはとてもできそうもありません。

  2. クリ助 より:

    >RIKIさん
    ぜひ、読んで下さい!本当にオススメ。
    PC復旧は執念ですよ、執念。

  3. ようこ より:

    私の場合、周囲からあきらめのこもった愛情の言葉として「マイペースだね」という言葉を受け取ることがあります。
    でもよく考えた上の判断であれば、その結果に責任も取れるってものです。
    少数派でもいいと思います^^

  4. クリ助 より:

    >ようこさん
    マイペースだから少数派、なんてことも言えますよね。大衆に飲み込まれない、という意味で。マイペースが一番ですよ、本当にV(^0^)

タイトルとURLをコピーしました