肩こり治療 できて当たり前!?

開業してから6年になろうとしています。
この間、技術的に工夫を重ねてきました。

飛躍的に技術アップしたと思われるのは肩こり治療。
でも、これまで肩こりについて書くことはしませんでした。

どのレベルに到達すれば堂々と肩こりについて語れるのか皆目見当がつかなかったからです。鍼灸の適応症として「肩こり」はあまりにも有名。

「うちは肩こりはやらないんだよね」

という鍼灸院は見たことありません。
だから、「肩こり治療は出来て当たり前」という意識をどの鍼灸師も持っていると思います。鍼灸師だけではありません、民間の整体院なんかでも、肩こりはできて当たり前と考えていると思います。そう考えると、肩こり治療の比較で治療家の技量を判断されることが多くなると思います。

実は、できるようで、できないのが肩こり治療。
本気で取り組むと極めて手強いのです。

クリ助の肩こり治療はまだまだです。
イメージしている領域には届いていません。

クリ助が独自に行っているのが肩こり地図の作成。
肩こりをできるだけ細分化して把握しようという試みです。肩こりでよく登場するのが僧帽筋。太平洋のようです。広くて深い。そして、頭、腕、胸、背中とつながっています。直接のつながりだけでも相当な数です。

これに、腰椎、骨盤、股関節、足首との影響を加えるととんでもないスケールになります。さらに難しいのが内臓機能との関わりです。胃腸の機能を調えて肩こりをラクにする、なんて手法があるわけです。

肩こりの部位に合わせて、そこに効くピンポイントのツボを選ぶ技術。これに凝っています。どこまで細かく把握できて、いくつのパターンをもてるか、という方向です。

できるパターンが増えるほど、広すぎると思えてくる肩の世界。
肩こりをマジで語れる日はいつなのか・・・。

クリ助の肩こり治療が劇的に進歩したのは活法を導入してからです。

動きの中でラクになる様子や、特定の位置に関節をもっていくだけで瞬時に緩む筋肉を見ていると、治療ポイントのアイデアが沸きやすいのです。

アイデア次第で施術と結果は変わります!

知識や手技があっても、どれを選んでどう組み合わせるか、という問題をクリアしないとよい治療はできません。掛け合わせは鍼灸師が自分の頭で判断しなければなりません。この頭脳ワークがうまく行ったときは、いっぺんに落ちてきたテトリスのブロックがピタリと収まって次々に消えていくのに近い感触です(消えていくのは症状)。アドレナリンが出る瞬間でもあります。

毎回だったら、名人です!

鍼灸師を受けたことがない人には、わかりにく話かもしれませんね。たとえば、頚と肩と背中のこり感。それぞれ左右で、気になる6つのポイント。これらを1つのツボで同時に解消できる場合があります。

まず左右の問題。どちらも気になる、という場合でも本体は片側であることがほとんどです。引き金になっている側を解消させると、もう片側はすんなりほぐれることがあります。施術ポイントは6→3まで減らせます。

次に、頚、肩、背中の関わりを調べます。その3つに関連性があれば、どれか一つを狙えます。背中のこりが頚と肩に影響していると分かれば背中一つで他の2つも変化させることが可能です。施術ポイントは3→1です。

さらに、背中のこりが心的ストレスの影響を受けているとします。そうなると、心的ストレスを解消させると背中は緩みます。腕のしびれを併発しているなら、そのしびれのエリアに治療点があるかもしれません。

頚、肩、背中のこりに加えて腕のしびれ。さらには心的ストレスの緩和を1つのポイントで改善できる場合があります。

治療点が少ないと自然治癒力を最大限に引き出せます。いじった部分は反動を招きやすいため、手を出すポイントが増えるほどに「元に戻る」というエネルギーも強くなります。この戻るエネルギーが自然治癒力を削るのです。「その場では良くなった気がしたけれど、良い状態が続かない」という印象になります。

二次的、三次的・・・と連鎖的に改善させる力は、自然治癒以外の何者でもありません。この連鎖性の世界に反動エネルギーはありません。ゼロ反動は究極の世界。クリ助の手が届くようなところにはありません。頭の中で描いている名人の世界。

治療点(ツボ)を選ぶ時、次々に起こる連鎖をどこまでイメージできるか、ということであって、患者さんの満足度と比例している気がします。

「できるだけ少数のツボで!」というのがクリ助の方針です。

少なくすることが目的ではなく、効果の大きさと持続性が目的。患者さんの訴えが広範囲になると、アレモコレモ・・・と何でもしたくなります。患者さんの欲する視線を受けながら、あえて「これでおしまい」と言わなければなりません。

これが手を止める勇気なのです。

鍼灸(の流派)にはいろいろあるので、少数という方針は絶対的な価値観ではありません。それぞれ極意としているものがあります(使うツボが多くてもよい鍼灸はたくさんあります)。

話はそれますが、

鍼灸師の価値観は、患者さんとの相性を決定づけます。全ての患者さんを満足させられる鍼灸師はいません。ですから、価値観を患者さんに示すことは親切の一つだと考えています。「どんな患者さんでも大丈夫です」というのが、一番選びにくい。コーヒーショップにスターバックスやドトールがあるように、鍼灸師も住み分けてもよいと思います。

患者さんに選ぶ基準を提供することも、ウェブ時代に生きる鍼灸師の重要な仕事に思えてなりません。このブログが役立っているといいな、と思います。

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コメント

  1. jackal より:

    肩こり治療の難しさというのは「凝っているところをほぐしたら楽になるとは限らない」だと感じています。
    「肩こり感じる神経」とでもいうものがあるのか?と思ってしまいます。
    痛みともだるさとも違う特別なつらさ。
    確かに手ごわいですね。

  2. クリ助 より:

    >jackalさん
    肩こり一つでも、患者さんの満足度が100%なら、鍼灸師としてやっていけるでしょうね(笑)
    肩こりで辛い思いをしている方って、本当に多いですよね。技を極めて貢献せねば!

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