「鍼灸師とお産」シリーズを懐かしんで書く第2章。
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予定日の6日前。
クリ子(妻)が花壇の草むしりをしていました。
「明日産まれるかもしれない」
そんな予感がしました。
4年前、クリ太(第一子)が産まれたあの日の前日もクリ子は草むしりをしていたからです。ただ、それだけ。とはいえ、そんな単純なパターンがクリ子のパターンだったりするので気は抜かないようにしていました。
その日は、顔を合わせる度、「産まれた?」と訊いていました。
クリ子は私のつまらない問いにきちんと「まだ」と答えてくれていました。何度も。
この日は休診日。
「産まれるなら今日だ!」
と勝手に自分の都合を、どこかの誰かにお願いしていました。もし、患者さんを施術している最中に事がやってくれば、患者さんに「すみませんが行ってきます!」と施術を途中で切り上げなければなりません。
予告もなしに「じゃ、行ってくるから」なんてできませんから、予定日の一週間前は、「条件付き予約」にしておきました。「その時はスミマセン」を許してくださる患者さんだけ予約を受け付けていました(全員がOKでした-嬉しいですね)。
草むしりを終えた午後、クリ子に施術を行いました。
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1.内転筋の調整
内転筋を緩める徒手のテクニック(活法)。碓井流活法では膝疾患によく用いるテクニックですが、私は婦人科系のトラブルによく使っています。たとえば生理痛。そのほとんどは施術直後に軽くなります。
2.魂門(コンモン)を緩める
魂門という背中にあるツボ(左右)に、術者の両膝を当てて軽く揺するという、子供だましの技をかけて背中を緩めました。目的は仙腸関節を緩めることにありました。
3.梨状筋に鍼
これまた単純。お尻にある筋肉に鍼をするだけ。骨盤と共に胃腸を整えておくという目的がありました。
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夕方にはブログの記事「お産近づく」を書きました。陣痛が始まったような書き方になっていますが、この時、何も起きていません。ただ、「時期的にそろそろだな」と思い書いたのでした。
普段通りに鍼灸院内で事務仕事を行い、帰宅したのは0時半。
「今日も産まれなかったね。」
と、夫婦で一日を振り返りました。
休診日に産まれて欲しいと強く願っていたのは、立ち合うためです。ここだけの話、夫としてではなく鍼灸師として立ち合うことを目論んでいたのです。鍼灸師にとって、お産に立ち合える機会、本当に貴重ですから。
温かいお茶を飲み、寝床に着いたのは午前1時頃。
妊婦の就寝時間としては、褒められたものではありませんね。私の帰りが遅いせいです。
横になったクリ子の脈を診ます。脈診という東洋医学の診察法です。
下手な脈診で産まれる時期を探ります。謙虚な言い方ではなく、本当にそうなのです。
そんな私でも、この時は感じることができました。
重い、どっしりと重い
指先の感覚なので、これ以上は表現できません。
専門的に何て言う脈なのかわかりません。
ただ、確信をもって言えるのは「普通じゃない」ということでした。
「普通じゃないけど、まぁ妊婦だし…」ということで、夢の世界へ…入ろうとした時のことです。
ポンッ!
クリ子がお尻に何かを感じたことを告げました。
(つづく)


コメント
ご出産おめでとうございます。
妊娠中は両尺中が尺沢の方まで伸びたようになりますよね。幸い何度か妊娠中の脉を何人か見せていただいて、生命の神秘に感激しました。
生まれるときは腎虚になって生まれるそうなので、きっと両尺中が虚に変わっていったんでしょうね。残念ながらまだこの脉は診させていただいたことがないのに、是非見てみたいですがw
とにかく、おめでとうございます。
いつもコメントありがとうございます!
「ポンッ!」と音がする直前の脈、強靱な大男の脈のような印象でした。妊娠中の平素の脈とは全く雰囲気が違っていました。「ポンッ!」が何であったか、これから記事に書きますが、偶然にも私はその直前の脈を診てしまったようです。