今月から音声番組を始めました。Spotify、Apple Podcastsから聴くことができます。今年に入ってから情報発信のあり方を諸々と模索していまして、たどり着いたのが音声番組です。
音声番組なんて自分でも予想外の展開です。そもそも自分が音声番組を聴くことがないからです。でも、改めて自分の生活を見返してみると、YouTubeの音声だけを聴くことはあります。寝ながらとか。
本業を犠牲にしない情報発信
私は開業以来、現場で患者さんに施術をしています。なぜ、こんなことを書くかというと、私くらいの年数になると現場を去って経営に専念したり、後進教育に大半のリソースを割いたりする鍼灸師が多いからです。
私にも選択肢として、施術を完全にスタッフ(鍼灸師)に任せるスタイルがあります。その方が経営としては効率がよいでしょう。ブログも毎日書けるようになりますし。ただ、理屈抜きに私は現場から離れることができません。
患者さんに鍼灸施術をすることが私の選んだ生き方で、それが気に入っているからです。それがしたくてこの仕事を選び、未だに飽きていません。
そうなると、問題となるのが、どうやって情報発信の時間をつくるかなのです。ブログはほとんど休診日や夜間に書いています。休診日にはセミナー運営と講師という仕事があるので、どうしても時間に限りがあります。
今年になってYouTubeをがんばっていたのですが、企画、撮影、編集に多くの時間がかかり、本業が犠牲になりそうでした。本末転倒になってはいけないので、YouTubeを休止することにしました。カッコつけて言えば戦略的撤退です。とはいえ、やめてはいません。いつでも再開できるようにチャンネルはそのままです。
鍼灸師のおしゃべりにニーズがあるのか
音声番組を始めるきっかけは鍼灸の技術セミナーを開催したときでした。2日連続で行うことが多いのですが、その1日目の晩にはたいてい交流会と称して、1.5時間ほどおしゃべりタイムを設けています。そのときに参加者の方から提案していただいたのです。
私のおしゃべりなど誰が聴くのか、とニーズを疑っていたのですが、それを言ってしまうと、ブログもそうでした。「私が書く文章を誰が読むのか」と。最初の記事は今も残っていますが、全く面白くありません。でも、書き続けているうちにだんだん上手くなってきて、書けば書くほど文章を書くのがラクになってきます。
音声番組もそうに違いない、と思い込むのが最初の仕事です。
打ち合わせなし、合間の録音、編集なし、というルール
聞き手に、うちの若手、相原を抜擢しました。彼女のよいところは、とにかく嘘がつけないタイプであることです。考えていることが顔に出る正直者です。
音声番組は、とにかく思っていることを正直に話すと決めました。「鍼灸とは何か」のような情報はたくさんありますから、「鍼灸師の心の内」を発信することにしたのです。正直に言うとしても、誰かを傷つけるような発言はなしです。患者さんの秘密も守ります。
打ち合わせはしません。時間節約であると同時に、そのときに出てくる言葉をコンテンツにしたいからです。息づかいや言葉に詰まる「間」もコンテンツの一部と思うことにしました。
録音は患者さんの予約が入っていない時間帯を使って、まとめてしています。患者さんが途絶えたときは休憩時間にもなるわけですが、ふしぎと録音がちょうどいい息抜きになっています。編集がないので、録音した音声はそのままコンテンツになります。
このスタイルがよいか悪いかは別として、続けられるやり方だと感じています。
情報発信をする意味
鍼灸が身近なものになってほしいからです。鍼灸はごく一部の人だけが利用しているのが実情です。大半の人にとっては関係のない世界です。鍼灸を受けている人はまだ少数派です。鍼灸の現場で患者さんからよく聞くのは「こんなに効果があるなら、もっと早く受ければよかった」という言葉です。まちがいなく、あちこちの鍼灸院で同じ言葉が患者さんの口から出ているでしょう。
よいとわかっている人は年々増えているように思います。それと、安心して受けられるかどうかは別の話です。SNSには個性豊かな鍼灸がたくさん出てきます。やっぱり過激なものの方が目立ちます。
私が情報発信として狙っていきたいのは、最初から鍼灸が持っている魅力です。もともと良いものですから、その魅力を削らないようにしたいと思っています。
宣伝かと言われれば
「けっきょくは宣伝でしょ?」と問われたらその通りです。やっぱり言われるんですよ、「鍼灸師が発信していることは宣伝目的なので参考にならない。実際に受けた方の情報しか信用しない」と。
忘れてもらっては困ることがあります。それは、私自身が鍼灸を受けている患者でもあり、鍼灸のファンであることです。
私も体調がすぐれないときは鍼灸で整えます。患者としてもベテランなのです。そんな私が鍼灸の宣伝をしたくなるのは仕方ないのです。鍼灸全体の宣伝なので、このブログを読んで他の鍼灸院に行く人がいてもよいのです。まだ受けたことがない人が95%なら、それを94%にしたいのです。今取り組んでいる音声コンテンツは、まさにその95%に届けたいのです。
音声番組は今のところ順調な伸び
これが嬉しいことに順調に伸びています。この右肩上がりは始めたばかりの今だけだと思うので、今のうちに喜んでおこうと思っています。何でも始めたばかりが楽しいものです。

もっと多くの方に聴いていただけるように、しばらくは毎日更新していく予定です。すでに録音は終わっていますので、必ずお約束は守れると思います。軌道に乗ったあとも週2回のペースが目標です。
こちらのブログも頻繁に更新しますので、『鍼灸師のツボ日記』も引き続きよろしくお願いします。


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