希望で満ちる年に

昨日から2012年の営業を始めました。

予約はいっぱい。

診療時間が始まると次々と電話が鳴りました。
数えていませんが15件くらいありました。

新年からありがたいことです。
必要とされるというのは嬉しいことです。
もっと必要とされるために何をすべきかを今年も考えて行きます。
欲張りすぎないように自分の能力の範囲で。

昨年を振り返ると、震災や原発事故という大きな出来事がありました。直接ではありませんが、親戚が被災したり、計画停電の影響を受けたり、生活と精神に影響が出ました。被災者のことを考えると精神が不安定になるので、気を紛らわせるように過ごしていました。

プライベートでは、父が病気で入院しました。一時はどうなるかわからない深刻な状態にもなりました(今は安定していますが入院中)。

ちょうどその頃、ある女性の患者さんが母親の付き添いで通院していました。

お母さんは娘さんの病状が心配で、いつも不安な表情を浮かべていました。きっと家でもそうなのだろうと思い、娘さんのいないところで「お母さんが不安な顔をしていると娘さんも不安になると思うので、嘘でもよいから不安を隠して接するようにしていただけますか。」とお願いしました。

しかし、強い口調で言い換えされてしましました。

「患者の家族というのは不安になるものなんです!!」
(あなたには患者の家族の気持ちなんてわからいでしょ!という意味)

患者さんが不安なく過ごせるようにと起こした行動が完全に空回り。それがきっかけとなり信頼関係が一瞬にして崩壊しました。その日を最後に来なくなりました。

このやりとりが、私の父が集中治療室に入っていた時期と重なっていたため、私の心は折れそうでした。父が生きるか死ぬかという時期に(本当は付き添いをしたい気持ちを抑えて仕事をしている時に)、「あなたには患者の家族の気持ちがわからない」と指摘されたことの重さ。

この重さに押しつぶされない精神力を鍛えることが大事なのかもしれません。
しかし、そうしようとすると鈍感な人間になってしまうのではないかと不安です。敏感でありながらも折れない心というのは難しそうです。未だに克服できません。

医療はテクニカルな部分がとても大事です。気持ちだけでは患者さんを救えませんから。ですが、医療現場はメンタルなものに支配されているような気もするのです。あらゆる感情を肯定し、その感情の動きをとらえながら、その波に逆らうことなく技術を振るうことができたら一流なのかもしれません。

昨年より一つでも多くの「希望」を患者さんに見せることができますように。
星に願いを込めながら2012年の鍼灸師ライフを始動させました。

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コメント

  1. どらきゃ より:

    今年もこちらのブログでいっぱい勉強させていただきます。
    よろしくお願いします。
    患者の思い、施術者の思い、さらに患者の家族の思い。
    治りたいという願い、治してほしくないという願い。
    様々な思いや願いが入り交じっていますよね。
    自分が臨床の現場でどう行動できるかわかりませんが、お母様にも施術を受けていただくかもしれません。
    家族の不安や思いが患者に伝わっているなら、その家族の精神状態を穏やかにできれば、患者への負荷も減らせるのかもしれません。
    小児はりをすこし勉強しているのですが、子どもではなく、両親に問題がある場合も多いと聞きます。
    また、ペットの不調も飼い主の精神状態に問題がある場合も多いらしいです。
    患者と患者の家族も含めて考えていくと、どこかで線引きしなくてはならないのですが、難しい問題ですね。

  2. ライト より:

    家族だから本音(弱音)を言える方と家族だからこれ以上心配させないようにと振舞う方といるんでしょうね。
    一緒に住んでいないと後者の方が多くなりそうに私的には思います。
    予約いっぱいは先生を必要とされている方が多いって事の証しです。2012年(今年)も頑張って下さい。
    15件の患者さんの声が通るとなおいいのでしょうが、人を増やしていく事はないのでしょうか?

  3. クリ助 より:

    >どらきゃさん
    こちらこそよろしくお願い致します。
    臨床の場には本当に色々な想いがありますね。
    どらきゃさんがおっしゃるように、子供は両親の影響を大きく受ける存在ですよね。患者さんにどんな影響が及んでいるのか読んで対策するべきでしょうが、踏み込める領域は限られてしまいますよね。私たち医療者は、その時にできる範囲で正しいと思う行動を取るしかないのかもしれません。重い悩みもありますが、関わっているからこその悩み。必要とされた結果の悩み。自分の弱さも認めながら今年も進んでいこうと思います。

  4. クリ助 より:

    >ライトさん
    確かに、一緒に住んでいる家族には弱音を見せているということありますよね。不安が伝わらないように演技で隠す優しさがある一方で、一緒に悩む優しさもあるのかもしれませんね。
    人(スタッフ)を増やしていく予定ですか?
    いつも悩んでいます。電話がたくさん鳴っている時は施術中の患者さんに迷惑をかけていますから。受付担当の妻の復帰を待っているところですが、それを待っていてよいのかどうかと考えることが多いです。
    スタッフ増員の構想はあります。
    しかし、募集はもう少し先になりそうです。

  5. 栗妻 より:

    明けましておめでとうございます
    今年も宜しくお願いします
    この記事を読んで泣きました
    つらいです 他人に伝えるって難しいです
    立ち入れるか立ち入れないかも人によりますよね
    難しい問題です でも 先生の優しい気持ちが伝わる患者さんもいっぱいいます
    そのお母さんは今分からなくても いつか気づく時が来るかも知れません
    先生を頼る方は沢山いるのだから 元気を出して頑張って下さい!

  6. ジャッカル@腰痛 より:

    明けましておめでとうございます。
    今年もよろしく。
    患者さんのお母さんは「痛いところ」を
    ズバリ栗さんに突かれて感情的になった
    のではないでしょうか?
    つまり、「自覚」があったんですよ。
    人が冷静さを欠く時というのは自分が
    一番気にしていることを指摘された時
    が多いです。
    仮に栗さんが「この母親は家でも不安そうな顔をしている」と予想されたのであれば
    「ご自宅でもそのように不安な顔をされているのですか?」と尋ねてみると客観的にこちらの意図を伝えられたかもしれません。
    後輩♀に「寂しがり屋だからな」と指摘して「うるさい!」と返されたジャッカルからでした(笑)。

  7. かもめ より:

    明けましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いいたします。
    いつも読ませていただいております。
    私にも経験ありますので、クリ助さんの苦悩がよくわかります。
    同じ言葉でも、相手の方の状況次第ですんなりと真意を受け止めてもらえたり、逆に受け止められたりということがあります。
    そういう時はつらいですね。
    こちらに一切の悪意がないのですから、割り切って引きずらないことが大多数の他の患者さんのために大切と思いますが…。
    今年も色々勉強させてください。^^)

  8. クリ助 より:

    >栗妻さん
    あけましておめでとうございます。
    励ましのお言葉ありがとうございます。救われました。
    臆病になることなく、患者さんとの距離、患者さんの家族との距離を考えつつ、最善を尽くしていこうと思います。今年もよろしくお願いいたします。

  9. クリ助 より:

    >ジャッカルさん
    鋭い分析ですね!
    私も自分が気にしているところをつつかれたら冷静でなくなりますから。
    私はストレートすぎたのだと思います。遠回りした方が早かったのでしょうね。もっと回り道をすべきだったと思います。
    今年も鋭いコメント期待しています!

  10. クリ助 より:

    >かもめさん
    同じ経験をお持ちなんですね。
    この件は、心に大きなダメージを受けましたが、励ましのお言葉を頂いて癒えました。
    ありがとうございます。臆病になることも引きずることもなく2012を進むことができます。
    今年もよろしくお願い致します。

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