右腕全体にしびれがあるという70代の女性。

発症は約1ヶ月半前。
ロキソニン(痛み止め)を処方されていて服用し続けていたようです。(それが効いたのか効かないのか)来院時には最も痛む時期は過ぎていました。ピーク時は「骨まで痛かった」とおっしゃっていました。
思い切った気持ちで当院の予約をしたらしく、「鍼は怖い」と施術室に入ってからも怯えていました。その勇気に敬意を払いたいと思います。実際は勇気が必要なものではありませんが…。
症状を改善させようとするとき、患者さんに質問していることがあります。
「どうすると(どんなとき)悪化し、どうすると(どんなとき)軽くなりますか?」
この基本的な質問だけで治し方がわかることがあります。
この症例がその一例です。
患者さんの証言はこうです。
「右腕を下にして横になると右腕のしびれが軽くなる」
症状のある右腕を下にすると、右腕も右肩も圧迫されます。でも、症状は軽くなっているところがこの症例の一番のポイントです。圧迫される筋肉がある中で、ある筋肉はこの時に縮んで緩んでいます。
その筋肉は大胸筋です。
やってみるとわかりますが、背中の筋肉はそれほど縮みません。圧迫されることもなく、縮まる筋肉は大胸筋なのです。大胸筋が正しいかどうかは、実際にテストすればわかります。
大胸筋の腕に近いところをグゥ~と指で一定時間圧迫してみました。すると、しびれが強くなったのです。これで犯人は決まりです。あとは、そこを緩めるだけです。
鍼を使うことにしました。
鍼で刺激すると、いったんしびれが強くなりました。
これは効いている証拠です。
鍼を抜いた直後、症状の7割が消失。
その数分後、症状の9割が消失。
患者さんの証言がなかったらこんなに簡単に症状は取れません。ロキソニンを1か月半飲み続けてごまかしてきた症状が、患者さんの一言がきっかけでほぼ消えてしまいました。きっと残りの1割も近々消えるでしょう。
「次はいつが空いていますか?」
と聞かれたので、空いている日時を伝えました。
鍼にビクビクしながらやってくる患者さんは珍しくありません。
ビクビクをいつでもワクワクにすり替えられる鍼灸師でいたいです。
<追記>2012/08/26
その後の来院時、症状が若干ぶり返していることがわかりました。同様の施術を2回行って状態が安定したので治療を終了。
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・鍼灸養気院(群馬県伊勢崎市)
・鍼灸ルーム品川カポス(東京都港区)
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