このツボ! 背中の痛みに陽関(妊娠中でもOK)

背中が痛い」という妊婦さん(28週)の症例です。

妊娠中の背中の痛み(膵兪の付近)
(実際の患者さんの写真<許可を得て掲載>)

寝ていると背中が痛くなり、朝の5時半に目が覚めてしまうとのことでした。眠らなくても仰向けになると痛みが出るようです。

痛みの中心を調べてみると、膵兪(すいゆ)というツボ。肩甲骨の一番下の位置より少し下です。痛みの中心がわかればツボ探しがラクにできます。

ここに痛みがある時やこりを感じる場合には、とても便利なツボがあります。膝の外側に陽関(ようかん)というツボがあります。膝の関節の隙間の筋張ったところです。このツボがテキメンであることが実に多いのです。

陽関(足)

動作分析の視点からいえば、膝の外側と胸椎の8-9番の動きに関連性があるからです。ただし、膝に自覚症状があるとは限りません(ほどんとの人が無症状)。

ちなみに、悪阻も8-9番の調整で改善することが多いです。悪阻に限らず二日酔いのような吐き気にも有効です。

で、この妊婦さんに「悪阻はどうでしたか?」と訊いてみると、「ほとんどなかった」という答えでした。胸椎の8-9番は悪阻に関係すると言っても、問題はここだけではないからです。

この症例に戻ります。

妊婦さんに「どっちの方が強いですか?」と左右を確認してみても自覚症状に違いがありません。触れてみてもハッキリした違いがわかりませんでした。

症状に左右があれば、問題がある方に効果を集中させたいのですが、わからなかったので左右両方に同じように鍼をしました。

そして、成果が問われる翌朝に!

痛みがなく朝までしっかり眠れた」とおっしゃっていました。

その話を聞いたのは昨日。その日から5週間目の2度目の来院時でした。来院の理由は「前ほどでないが、1週間くらい前から痛みが出てきた」からでした。

「なんだ、再発してんじゃないか」と思われるかもしれませんが、妊娠中の不安定な時期に、2つのツボで4週間痛みなしで過ごせたことは評価していただけるかと(魔法ではないので)。

仮の話ですが、背中の痛いところ(局所)に鍼をしていたら、おそらく痛みは和らいだでしょうが、すぐに戻ってしまった可能性が高いです。それは原因が膝に残ったままになるからです。

痛いところに鍼をするわけではないんですね

と言われることが多いです。

建物の窓から煙りが出ていた時、窓に放水してもそこに火がなければ消火できません。火の出ている場所に水をかけることが消火です。

煙は漂います。その煙を追いかけても煙に巻かれてしまいます。同様に、痛みを追いかけると煙に巻かれてしまうことがあります。

普段から、患者さんにはこのような説明をすることが多いです。

なるほど!

と言っていただけることが多いので、ここにも書いてみました。

建物の構造を知っていると煙のルートが予測できるようになります。
西洋医学が気がついていないルート、鍼灸師だけが知っています。

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コメント

  1. Chun より:

    クリ助さん初めまして。
    今年鍼灸師になったばかりのChunといいます。
    いつも記事を読んで勉強させてもらってます。
    今回の記事で「動作分析」という言葉がでてきますが、筋•骨格系が苦手でイマイチよくわかりません。
    よろしければクリ助さんのオススメの本などがあれば教えていただきたいです。

  2. クリ助 より:

    >Chunさん
    いつもありがとうございます。
    私が行っている動作分析を解説している本はないんですよ。
    活法をヒントの私が独自に分析しているだけなので(笑)
    筋肉や骨格を解説したいわゆる解剖学の本を読むだけでは分析は難しいかもしれませんね。リハビリやスポーツ科学ともちょっと違うのです…。
    難しく考えない方が理解しやすい話です。筋・骨格の知識より、観察力の方が大事かもしれません。動く時、どこから動きが始まるかであったり、動きの中心がどこにあるのか、姿勢を変えるとき、どことどこがバランスを取りあっているのか、そんなところを見ています。
    Chunさんの他にも「動作分析ってどうするの?」って訊かれるので、できるだけわかりやすいように解説していくつもりです。また、実際に実演する機会も考えています。このブログで案内しますね。

  3. Chun より:

    独自に分析されたなんて本当にすごいですね。
    教科書には書いていないことばかりで本当卒業してからの方が大変です^^;
    動作分析で検索したら、理学療法士向けの本などが出ていたのでそういった考え方なのかと思いました。
    これからもわかりやすい解説お願いします。

  4. クリ助 より:

    >Chunさん
    おっしゃる通り、教科書に書いてあることはほんの一部です。私のような個性丸出しのものは教科書に永遠に載らないでしょうしね(笑)
    私が行っていることは「動作分析」ではなく別の言葉を使った方がよいのかもしれません。たくさんの誤解を与えているかもしれません。完全に理学療法のものとは違いますから。
    私がやっているのは、古武術整体をヒントにした「動作における中心と筋肉連動の解析」です。
    これからも質問くださいね。
    ブログの限界もありますが、私の鍼灸師人生10年でお答えします。

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