電話が鳴りました。
「母乳が出ないんですが、そういうので行っても大丈夫ですか?」
妊娠中のケアで来院されたことのある患者さんからでした。無事に出産できたのはよいのですが、母乳の出が悪いそうです。聞くところによると、ほとんど出ないそうです。がんばって絞っても左右で10cc。
病院(大学病院)で「吸わせ方が悪い」と言われたようで凹んでいました。妊婦ケアをしている私の鍼灸院のことを思い出して電話をかけてくださいました。
私の鍼灸院では、私が男性鍼灸師ということもあり、「母乳ケアでどうぞ!」と強調していません。得意そうに書くと恥ずかしいので。
母乳トラブルは問い合わせがあってから動きます。こういう症例では、事前に信頼関係が築けていた方がよいですし。産後ケアは男性鍼灸師にとってハードルもリスクも高いのです。
ただ、母乳ケアは乳房に鍼をするわけではないのです。母乳の出がよくなるツボが離れたところにあるのです。乳房と離れたポイントを使うので、みなさん不思議がります。
効果もバツグンなので、
「ここで出るかもしれませんよ。」
と前置きをします。
本当に出ることが多いからです。

母乳ケアで、私がよく使うのは、肩甲骨の上にある天宗(てんそう)。
このツボは、乳房の真後ろにあります。
乳房の下部(乳首の下)に硬さがあれば足三里(あしさんり)。
足三里に鍼をした瞬間に変わるので、患者さんには触れておいて頂きます。
さらに太衝を加えると効果が高くなります。乳首に作用していると思われます。
そして、状況に合わせて肩甲骨の外縁も使います。ここに凝り固まったものがあると乳房の横に硬さが出るからです。
施術後、患者さんを施術室に残し、母乳が出るのか試して頂きました。
しばらくして施術に戻ると、
「出ました!」
との嬉しい報告。
こんなふうに、不思議なくらい効果があります。
この1回の施術で数日はよい状態が続いたのですが、再び出が悪くなったため1週間後に再来院。その後は「出ています」とメールを頂きました。
今回紹介したツボは、特別な方法ではなく、鍼灸師ならよく使うパターンであると思います。もちろん、誰に対しても同じツボは使いません。「相手を見てツボを選ぶ」ことが大事です。
触れにくい乳房ケアに、ツボの遠隔作用はたいへん便利です。もし、この種の理論やテクニックが助産の分野に普及していけば、母乳で悩む妊婦さんが激減するはずです。
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・鍼灸養気院(群馬県伊勢崎市)
・鍼灸ルーム品川カポス(東京都港区)
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コメント
こんにちは、以前ここで質問させていただいた者です。その節はありがとうございました。確か鍼灸(ツボ)で舌にもツボがあり約150程あり、脳に関係する
ツボが集中していると言うのは本当でしょうか?あと鍼灸と仏教はどういった関係にあるのでしょうか?灸をしてはいけない所があるそうです。
>わーい、お茶さん
ご質問ありがとうございます。確かに舌にもツボがあります。ただ、実際に舌のツボを使う鍼灸師は少ないはずです。舌に鍼をしたらかなり痛いはずですから。
皮膚と脳は仲良しなので、どのツボでも脳を刺激すると考えてよいと思います。手足の末端のツボや舌は、その中でも脳に大きな刺激となるようです。
鍼灸と仏教の関係については、知識が乏しく解説する余裕がありません。申し訳ありません。
現在の鍼灸は、特に仏教の臭いはしません。お灸の時はお寺と同じ臭いがします(笑)
福岡で鍼灸院開業してます酒井 厚です。
屋号は酒井鍼灸院です。
HP立ち上げています。
母乳には三陰交もいいですよ~
助産院からの紹介で陣痛促進で三陰交の施灸やってたら母乳の出もよくなったという妊婦を多く経験しました。
確かに足三里もいいです。
余談ですが
逆子胎位矯正では三陰交と足三里のペアも効果的です。
>酒井さん
よい情報ありがとうございます。
参考にさせて頂きます!
助産師をしています。 母乳の分泌が良くない方への有効なケアはないかと調べているうちにここにたどり着きました。 鍼での施術が一番効果的かとは思いますが、私は鍼灸師ではないので鍼ができません。私が患者さんに行えるのは、お灸、円皮鍼、指圧かと思いますが、その中で一番効果があるのはどの方法なのか教えて下さい。 よろしくお願い致します。
>よっしーさん
コメントありがとうございます!
使えるお灸はせんねん灸なようなものになると思いますが、お灸がおすすめです。指圧も悪くありませんが、技能に左右されると思います。
お灸なら(背中のツボ以外は)産婦さん自ら行うこともできるので、何日も続けているうちに成果が表れるかもしれません。
もちろん、お灸でも位置を正確にするのとそうでないので効果に違いは出ます。
ちなみに円皮鍼は、もっとも取穴(ツボ取り)の精度が必要になりますので、オススメ度は3番目です。
参考にしてみてください。