
■失敗を覚悟して始めた
おかげさまで、先月の4月に開業10周年を迎えることができました。私は10年目のその日を噛みしめていましたが、普通に営業していたため、患者さんらは10周年に気がつくことはありませんでした(笑)
10周年のイベントや記念品は用意する予定がありません。「やった方がよいのかなぁ」とか「やりたいなぁ」と考えたりもしましたが、忙しくしているうちに4月13日が過ぎ去り諦めることになりました。
今の鍼灸院の設計やデザインを行ったのは、私が26歳の時。「失敗するなら20代のうちに」と思って借金を背負って始めたのです。失敗したら、実家に居座り、バイト生活で借金を返そうと思っていました。
もちろん、失敗したくありませんでした。10年後に鍼灸師をやっていたいと思っていました。おかげさまで、10年後の今、ここでこうして鍼灸をやっています。社会から鍼灸師として認めてもらったと言ってよいでしょう。これまでの10年が「鍼灸師になるための10年」であったならば、これからは「鍼灸師として何ができるかの10年」になります。挑戦はこれからが本番です。
■自分の才能と能力
私はいつだって自信がありません。自分のスキルに自信を持つことができないのです。本当は表で言うことではありません。患者さんを不安させてしまうからです。誰も、自信のない鍼灸師に施術されたくないでしょう。
とはいえ、面白いことに自信とスキルは比例しません。自信は「思い込み」のようなものです。学校を卒業したばかりでも、自信を持つことはできるのです。私がそうでしたから(笑)
今よりも卒業したばかりの頃の方が自信があったと思います。スキルは上がっているはずなのに、自信はどんどんなくなっていきます。なぜなら、スゴイ腕を持つ人にどんどん出会ってしまうからです。いつも誰かの才能に嫉妬し、いつも誰かに憧れています。
スキルと自信が反比例しています。自信がないから技術を追いかけ、追いかけるほど自信を失っていくという矛盾の中で仕事をしています。
私は、いい加減な人間ですが、鍼灸の前では真面目です。治らない症状が目の前にあることが許せないのです。症状の前で何もできないと、自分が大嫌いになります。無力を感じた時、どん底に落ちます。自信を失います。そのいっぽうで、思った通りになると有頂天になります。昇ったり落ちたりの繰り返しです(笑)
■職人根性に苦しめられる
実は、この3年ほど悩み続けていました。次の10年の目標が定まりきらず、施術で忙しいことを言い訳に、ズルズルと過ごしてしまいました。結局、答えが出ないまま10年目を迎えてしまったのです。
私が鍼灸師になった目的は「鍼灸をするため」でした。開業をした目的は「鍼灸をできる環境をつくるため」でした。ご支援のおかげで、自由に鍼灸ができる今があります。
鍼灸院が混雑してきた頃から「スタッフを雇わないのですか?」と何度も言われてきました。でも、私は自分が鍼灸をやることに夢中だったため、耳を傾けてきませんでした。私の鍼灸院がいっぱいなら、他の鍼灸院に行けばよいと考えていたからです。
鍼灸師としては気持ちよくても、社会人としては視野の狭い人間です。もっと社会的な視野で仕事をすべきではないのかと考える時間が日に日に増えていったのです。
「このまま鍼灸師一人の鍼灸院を続けていてよいのか・・・」と数え切れないほど自問を繰り返してきました。
悩みの原因は単純明快です。私の職人根性が強すぎるからです。「いつも現場にいたい」というワガママが引き起こしているのです。
予約が取りにくいのも、私のせいです。患者さんの「今すぐどうにかして」という要望に応えられないダメ鍼灸師です。どこかの経営者に、機会損失を放置するダメ経営者と言われそうです。だから、会社を経営している人の前では小さくなってビクビクしています。
■11年目の答え
ようやく答えにたどり着きました。
私の鍼灸院は、鍼灸師1名(スタッフ2名)のまま、突き進みます。群馬が大好きですし、この小さな鍼灸院に期待をよせてくださる方々に報いる努力を続けようと思います。予約が取りにくいことに関しては、「ごめんなさい」です。
既に、私の周りで新しいプロジェクトが2つ動き始めています。私の鍼灸院もこのプロジェクトに関わっており、重要な役割を担うことになります。現時点で東京方面の仕事が増えていますが、ますます増えそうです。
私の鍼灸院を拡大して社会貢献するのではなく、私の臨床経験で得たもの(技術)を、別の仕組みに乗せて社会で活かすことにしました。地方の小さな鍼灸院でありつつ、地域の枠を越えた価値をこれから生みだしていくつもりです。時期が来ましたら、詳細を記事にします。
クリ助は、これからも小さな鍼灸院の院長として、患者さんの症状と自らの技術に真剣に向き合い続けます。11年目の養気院にもご期待ください。
群馬を愛し続けます。
■セミナー告知
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活法研究会


コメント
10周年おめでとうございます。
私もあと、11ヶ月と9年後にクリ助さんのような記事を書けるように頑張りたいと思います。
経営の勉強をすればするほど、技術とは別にクリ助さんが影でどれほど努力をされたのかよく感じます。
鍼灸師だからこそマーケティングが必要だというクリ助さんの考えが、最近ようやく理解できるようになって来ました。
今後ともよろしくお願いします。
>sanoさん
私にできることは、この10年で考えてきたことを後進に伝えていくことだと思っています。本当はブログに書けないことも、いっぱいあります。
記事は決して多い方ではありませんが(約650記事)、この8年半の間に書いた記事は、私の軌跡そのものです。この10年で想いは必ず届くということわかりました。
ブログは1,000記事を目標にしています。1,000記事目に何を書くのか見届けて頂けたら幸いです。共に10年後を見ていきましょう!
クリ助先生10周年おめでとうございます!
いつもブログ楽しく読ませて頂いています弱視のあはき師です。
僕は先生のブログをみて、活法という大きな一歩を踏み出す事が出来ました。そしていつも記事を読む度に元気をもらっています。本当に先生とこのブログに感謝しています!
僕にとって先生は憧れの存在です。いつか先生のような素敵な治療院を開業できるように、僕も自分に何が出来るか考えて、懸命に頑張りたいと思います!
これからもずっとツボ日記のファンでいます!
>gucciさん
コメントありがとうございます!
私もgucciさんのような熱意ある方に情報を届けられて幸せです。想いを受け取ってくれる相手の存在に私は支えられいます。そして、こうしたコメントが何よりの報酬です。
今では、私の方がgucciさんの無邪気に技術を楽しむ姿に刺激をされています。
これからも好き勝手にブログ書いていきますので、応援してくださいね!
10周年おめでとうございます!
そして、一人で続けて行くことを選択
したことは正しいと私は思います。
バイク乗りとしての話ですが、良い仕事
をしてもらいたいときは職人のいる店に
依頼します。
一方、オイル交換など誰でも出来る作業
であれば、量販店に依頼します。
機会損失という話がありましたが
経済的な側面だけで世の中が回っている
わけではないと思います。
この先生に診てもらいたいと思ったのに
弟子が出てきたら落胆するでしょう。
技術にばらつきのないことが少人数の
治療院の良さだと思います。
>ジャッカルさん
祝のお言葉、ありがとうございます!
良い仕事 = 職人に依頼
誰でもできる仕事 = 量販店
なるほど。
ジャッカルさんのおっしゃるように、経済的側面だけではないですよね。もしそれが全てになってしまったら、世の中が殺風景になりそうです。
次の展開も見守っていてくださいね!
いつも応援ありがとうございます。