鍼灸師が知らない腰痛治療の真実

求人情報(新卒OK)(鍼灸専門、女性鍼灸師)
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勤務地: 東京都港区高輪(最寄り:品川駅)
待遇: 詳細は募集要項にて
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鍼灸師が知らない腰痛治療の真実

■鍼灸のリスク

鍼灸師にとって腰痛治療は特別な意味を持ちます。腰痛への対応が上手か下手かで、評価が大きく変わってしまうからです。

「鍼灸と言えば腰痛」は言い過ぎですが、それくらい、鍼灸の得意分野の1つとして一般的に知られています。そのため、私たちのような鍼灸師は、腰痛治療が得意であろうとなかろうと、患者さんから高い効果を期待されています。

実際に、私の鍼灸院にやってくる腰痛の患者さんは、他の治療法をいろいろ試して、期待通りの効果が得られなかったという方ばかりです。

「治療に失敗して後遺症が残るリスクのある治療なのだから、効果はハンパでは困る」と勘違いされている患者さんもいらっしゃいます。

鍼灸治療は極めて“リスクが低い”ので、真実は全くの逆です。「リスクがない」と言ってもよいのですが、使い方を間違えたら危険な道具にもなり得るわけで、「リスクが低い」という言い方にしました。

鍼と灸は素人がやみくもに使ったら危険なことにもなります。だからこそ、国家免許が存在しているのです。鍼灸師はは鍼や灸を安全に使うことができます。そうでなけば、国家試験に合格できません。

■鍼灸への期待感

いずれにしても、世間の認識は「わざわざ鍼や灸をするのだから…」という場合が多く、腰痛に対しても、難しいものに対応しなければならないことが多いです。私のところにやってくる前に、既にあちこちで治療を受けています。

他の腰痛治療で「効果がなかった」という方にはある共通点があります。それは、腰や骨盤など、痛みが出ているところを、押されたり、揉まれたり、ボキボキされたりしてきた方です。要は「痛いところ」にダイレクトに何かをしてもらったパターンです。

腰痛の原因が腰になるならば、腰をいじって治るのかもしれませんが、そういうケースは珍しいです。解決できるのは一時的な疲労くらいです。何年も苦しんでいるような腰痛が、腰をいじるだけで良くなる例はほとんどないでしょう。

痛いところに原因があるとは限らない

これが真実です。鍼灸に限らず、名人と言われている人は、一見まったく関係のないようなところからアプローチして、腰痛問題を解決します。痛いところを「押さえる」「さする」「叩く」などは、一定の鎮痛効果はあっても根本的な解決策にはなり得ないとが分かっているのです。

鍼灸も、痛い局所に行うものは「鎮痛」が目的です。鎮痛効果に優れているので、腰の痛いところに鍼灸をしてもらえば、一時的な「ラク」は得られます。肩こりでも同じです。一時的な「ラク」が得られます。こうした「局所に行う鍼灸」が当たり前に行っている鍼灸師もまだいらっしゃいますし、患者さんもそれが当たり前と思っていることもあります。

病院では、腰に原因が見つからなければ「ストレスが原因」と説明する傾向が強まっていますが、私たち鍼灸師はストレスという言葉でごまかしている余裕はありません。すぐに結果を求められます。

「ストレス」で納得できる患者さんは少なく、それに答えようと整体院もがんばっています。昨今、整体術などの徒手療法が急速に進化していて、日本のものは世界を圧倒するレベルになっています。徒手療法の主流は、とっくに局所いじりから卒業しています。痛い局所をいじるのは、局所に原因がある希なケースだけです。

民間で行われている療術が、どんどん本質に迫っている昨今、鍼灸師が局所へのアプローチしかできなかったら、患者さんの高い期待に応えることなどできません。でも、こうした現状は鍼灸の中にいると全く気がつきません。開業間もない頃の私はそうでした。完全に世間知らずだったのです。

■腰痛のツボ

私が目を覚ますきっかけとなったのが活法(古武術整体)です。私に強烈なインパクトを残しました。活法以外にも優れたものはたくさんあります。私から見て、優れているものに共通しているのは「痛む局所」ばかりを見ないことです。「なぜ腰が痛くなるのか」をきちんと考えていて、局所鎮痛に固執することはありません。

鍼灸も、「なぜ腰が痛くなるのか」を考えてツボ選びをするのが本当です。「そこが痛いからそこに鍼をする」ということはしません。

ただ、昨今、美顔のために顔に鍼をする、いわゆる美容鍼灸が目立っているため「鍼=気になる部分に刺す」という認識が世間で強まっている傾向も感じます。それは鍼の1つの使い方でしかなく、もし「鍼=気になる部分に刺す」が鍼灸師の常識になってしまったら、整体術との差はますます開いていくでしょう。少なくとも腰痛治療に関しては大きな遅れとなります。

では、鍼灸で腰痛治療を行う場合、どこに鍼をすればよいのでしょうか。良くも悪くも、一定のルールがあるわけではありません。「全ての腰痛はこのツボで治る」という「The腰痛のツボ」なんてものはないのです。実際は、腰痛のパターンに合わせて最適なツボを探す必要があります。

ツボ探しにおいて、各流派は独自に研究をしていました。その形跡がしっかり残っています。私が学生時代にパートナーと(卒業論文のために)研究したのが「日本における江戸時代の鍼灸流儀書」です。江戸時代の日本の鍼灸は、高いレベルにあったと考えられています。

高いレベルの鍼灸術を復興させようと、パートナーが力を入れて研究したのが腰痛の治療穴(ツボ)でした。閲覧できる江戸時代の鍼灸流儀書を片っ端から開いて整理したのです。

これは、その時の論文を抜き出したものです。

卒業論文集(東京衛生学園2000年度)より「江戸時代における諸流派の補瀉概念と治療穴について_図4
卒業論文集(東京衛生学園2000年度)より「江戸時代における諸流派の補瀉概念と治療穴について_図5

腰痛に効くツボは全身にあります。背中、腕、足、肩…要するに全身です。全身のどこに問題があっても腰痛になり得ることを江戸時代の日本人は既に知っていました。しかし、現在の学校教育の中では、一つ一つも紐解いて検証する余裕はありません。現状の制度の中では、鍼灸師が個々の臨床の中で追試していく他ありません。

ツボを調べても「なぜそのツボなのか」がわかりません。詳しい理論まで書いてある書物がほとんどないからです。他流派への情報流出を恐れて、肝心なところは口伝だった可能性もあります。また、ツボが暗号化されていることもあり、いくら机の上で調べてもわからないことだらけです。

■日本人のツボ

私なりに臨床を重ねて謎が解けたものがあります。今、それを整理して実践的なノウハウに再構築する作業を行っています。拠り所にしているのが日本の古武術の理論です。専門家しかピンと来ない話かもしれませんが、中国医学の影響を強く受けている流派はツボが似通っていて、日本独自に展開した流派はツボの選び方が多彩です。

日本の鍼灸には、日本独自の理論が明らかに入り込んでいるのです。私は、古武術が少なからず絡んでいると考えています。今だから「古武術」と言っていますが、当時は「新武術」です。武術は「いかに体を上手に使うか」という学問でもあります。こうした学問が中国医学と出会って科学反応を起こしていたとしても不思議ではありません。

もし、腰痛治療で、腰にあれやこれやをし続けている限り、永遠に江戸時代の日本人を越えることはできません。それより深刻なのは、こうしている今も優れた整体師が勢いよく育っていることです。鍼灸師が何も考えずに施術をしていたら存在価値は消えてしまいます。整体師は国家免許でない分、勉強の仕方も自由ですし、施術を売ることにも躊躇がありません。

本来、鍼灸師は「鍼と灸が使える」という大きなアドバンテージを持っているにも関わらず、それを活かし切れない鍼灸師もいると思います。思考や発想で整体師に大きな遅れを取っている気がしてなりません。こうした現状に危機感を感じているのは私だけではありません。今、整体のエッセンスを学ぼうとしている鍼灸師が増えています。

鍼灸師は整体から何を学べばよいのか…。
常にそこを考えなければ、鍼灸師は取り残されてしまうでしょう。

■鍼灸師のための活法

3月1日(日) 活法1日体験会 下半身編
5月31日(日) 活法1日体験会 上半身編

活研_20150222_1日体験会(上半身編)の総集編

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