■拾われた財布、救われた鍼灸学生
私が鍼灸師を目指したのは、高校1年生(15歳)の時です。
その時は鍼灸の道を諦めて違う道に入りかけていましたが、21歳の時に鍼灸師を再び目指したのです。第一志望を推薦で受けて落ち、第二志望だった学校に一般の入試で入ることができ、鍼灸の道を歩むことになったのです。浪人をする気はなかったので、2回目も失敗していたら私は鍼灸師になっていなかったでしょう。
鍼灸師になるべき人生なら受かるはずだ!
そう思い込んで二度目の入試に挑んだのを覚えています。当時は、今よりも入学試験の倍率が高く、落ちてしまった学校は4倍、入った学校は10倍でした。最近の学生に言っても信じてもらえないと思います。入れた時は、本当にありがたいと思いました。
学生の頃、お金が尽きかけて大変な時もありました。しかも、そんな時に財布を落としました。公的機関に奨学金の相談をするために電話ボックスに入り、財布を置き忘れてしまったのです。携帯電話を持っていなかったので外では電話ボックスを普通に使っていました(周りは携帯を持っていましたが…)。
気がついて電話ボックスに戻りましたが、財布はありませんでした。しかし、神は見捨てなかったのです。交番に行くと、その財布はちょうど届けられているところでした。届けてくれたおじさん、本当に感謝しています。中身は数千円だけでしたが、金額の問題ではありません。精神が救われました。

同じ年、今度は私が財布を拾いました。交番に届けました。数日してから持ち主が見つかったと交番から家電に連絡がありました。
結局、奨学金は無理でした。既に借りていたからです。
諦めて、早朝のアルバイト(コーヒーショップ)でしのぎ続けたのです。
■小学6年生のストレス
15歳で鍼灸師になりたいと思ったのは、近くの鍼灸院で鍼治療を受けたことがきっかけでした。カッコイイと思ったのです。それ以前は、鍼灸師になりたいなんて、思ったことはありませんでした。それまでは、何かを開発するエンジニアになりたいなぁ、と漠然と思っていました。
しかし、よく思い出してみると、鍼灸師になる予兆は小学6年生の頃に表れていました。その頃の私は、頻繁に胃痛が出ていました。生活でストレスを感じるようになっていたのです。いわゆるストレス性胃炎です。両親から「中学校にはいるといじめがあるので気を付けなさい」と言われ続けていたのが原因だったと思います。
そんなストレスを抱えた小学生が、ある時、あることに気がついたのです。それは自転車に乗っている時でした。
自転車のグリップ部分の端を手の平のあるところに押し当てると独特の痛みを感じたのです。怪我をしていないのに痛みが出ることを妙に思ったのです。
その位置は母指球です。
自転車に乗る時は、母指球はいつもグリップの端でした。路面の振動が伝わってきて気持ちよかったのです。そして胃痛も少し軽くなっていました。小学生でも「ツボ」って言葉は知っていたので、「これってツボ?」と周りに訊いて回ったのですが誰も相手にしてくれませんでした。

そして、中学生になり胃痛はすっかり治りました。良い友達も出来て生活がとても楽しかったからです。
■ツボであってツボではない
今でも、胃の調子が悪くなると、小学生の頃と同じように痛みます。今だから言えますが、ここは、ツボの一つです。ただ、鍼灸師が鍼や灸をすることは滅多にありません。標準的なツボは、手の平と足の裏にはほとんどありません。理由は「痛いから」でしょう。
細かい話をすれば、手の平マッサージや足裏マッサージで押される所は「反射区」と言われているもので、中国から伝わってきた「経絡経穴」とは別ものです。難しく考えなければどちらも「ツボ」です。内臓の調子が表れてくるポイントです。
私が感じていたこところは、実際に「胃」のエリアです(諸説あります)。お恥ずかしい話、最近も胃痛が出てしまいました。食べたものが原因だったと思いますが、その時も反射区はしっかり痛みを出していました。体は正直です。
押してみましたが、胃痛がわずかに軽くなる程度でした。反射区は簡単で便利であるいっぽう、限界が近いところにあります。私たち鍼灸のプロは、臨床でツボの限界と可能性の両面を意識しています。もちろん、できるだけツボの可能性を広げるように研究しています。
まだ誰も知らないツボの世界があります。
【投票ボタン】
続きに興味のある方は応援でクリックしてください(1日1クリック有効)。
2つのランキングサイトにエントリーしています。
![]()
【連載中のメディア】
『温故知新』(専門家向け/ツボのことを深く考えてみたい方へ)
「鍼灸師のための経穴デザイン入門(1~13)」
『ヘルモア』(一般向け/鍼灸院選びのヒントがほしい方へ)
【初めての鍼灸院選びVol.01】鍼灸でできることを知っておこう
【初めての鍼灸院選びVol.02】鍼のイロハ、灸のイロハ
【初めての鍼灸院選びVol.03】鍼灸院は専門院がおすすめ
【初めての鍼灸院選びVol.04】直感力の働かせましょう
【初めての鍼灸院選びVol.05】鍼灸院に行く前の心構え
【PR】鍼灸師のためのウェブサイト運営サービス『musuby(ムスビィ)』
説明会/9/27(日)東京




コメント