(1)『ブランドづくり』のつづき
■鍼灸師は独立したら一人前なのか
鍼灸師のゴールは開業ではないと思っています。開業すれば、鍼灸施術の他に仕事(経営の雑務)がわんさかあります。それをしないと、鍼灸施術ができません(患者さんが来ないので)。
スタッフを募集していることを知って、同業者が学生に向けて「カポスは良い修行の場になりますよ」と宣伝してくださったのですが、私の考え方は違います。就職を修行という位置づけにしたくありません。
せっかくのお気持ちを否定することになって申し訳ないのですが、「修行」って言い方をしてしまうと、「勤務している鍼灸師は半人前」であり、「独立したら一人前」という暗黙の了解ができてしまいます。
自分を指して「まだまだ修行中が足りませぬ」と謙遜するのはよいのですが、「勤務鍼灸師は修行中の身です」という空気を作ってしまったら、業界的にダメだと思うのです。求人をすると決心した時点で「開業鍼灸師>サラリー鍼灸師」という観念を捨て去りました。
独立しても半人前は半人前ですし、サラリーでも一人前は一人前です。独立を経験した者として振り返ると、鍼灸師の独立は難しくありません。勇気があればできます。
難しいのは事業を続けていくことです。軌道に乗ったとしても安心はできません(そもそも軌道を感じたことが一度もありません)。向上心が止まったら、そのレベルを保つことすら難しくなります。若手にすぐに追い抜かれてしまいます。
開業は小回りが利く反面、小さな風に煽られます。安定感はゼロです。鍼灸師一人の鍼灸院ならなおさらです。群馬の私はそんな状態です。いつ吹き飛ばされるかわからない毎日を過ごしています。
リスクが見えていても、私には独立しかなかったのです。鍼灸師らしく働ける就職先に出会えなかったからです。内容を選べば給料は期待できませんでした(修行ですから)。親の援助を受けられない私は給料の出る就職先しか選べなかったのです。
安定を望むならマッサージ施術を選択し、鍼灸施術は諦めなければなりませんでした。余所からみれば、鍼灸師とマッサージ師は同類に見えるかもしれません。違いにこだわる理由は周囲には理解してもらえませんでした。

鍼灸をするためには、船を下りて一人乗りのボートで出発するしかなかったのです。資金のなかった私は、手こぎボード同然。時代は変わったとはいえ、鍼灸を思う存分できる環境を手に入れられない学生がいると思うのです。当時の自分を振り返りながら「こんな就職先があったらいいな」を実現できるようにがんばっています。
■教育は焦らずゆっくりと
会社には社風がありますよね。意図的に作り出しているものもあれば、偶発的に出来上がったものもあると思います。そこで働きたいと思ったら、まずその社風が自分に合うかどうかを判断すると思います。合わないと思ったら他を探るのが常です。
鍼灸師を募集する際に、私が一番意識しているのは「鍼灸師に選ばれる鍼灸院づくりをしないといけない」ということです。選んで頂けなければその先はありません。
選ぶ材料を提供するために、積極的に情報発信するようにしています。とはいえ、求人はこのブログと社内のサイトだけで、求人サイトには登録していませんし、各専門学校にも求人を出していません。
これから各専門学校に求人情報を出す予定ですが、今はこのブログに気が付かなければ、知り得ない求人情報です。露出度は少ないのですが、ご縁のある方とは繋がれるような気がしているので、焦らないようにしています。

新スタッフが入ったら教育が始まります。修行は個々の中に内在するものですが、教育は対外的要素が強いものです。カポスの鍼灸師として、技術や振る舞いを覚えてもらいます。
実は「教育」という言葉を偉そうな響きなので嫌っていました。今でもちょっと抵抗があります。教育するってことは、私が教育者になってしまうわけですよね。完璧な見本を見せられる自信がないからです。
でも、この考え方は間違っています。完璧な見本を見せるまで閉じこもっていたら私自身に成長がありませんし、閉じこもっている者が完璧になるはずがありません。さらけ出すから成長できると考えられるようになりました。
「教育を通じて自分自身を教育していく」と自分に言い聞かせ、自分の未熟さは許してもらおうと思っています。実際に、スタッフに要求しておきながら自分が怪しいことなんてざらです。それはそれで良いのかも知れません。みんなに完璧を求めていたら、みんなが窮屈になってしまいますから。
医療者としても、経営者としても、教育者としても、私は未熟です。思い描く理想とかけ離れたレベルです。だからこそ前に進まなければなりません。
カポスは開院してから昨日で丸2年となりました。患者さんの数は毎月のように増えています。最近では、予約が取りにくい日も増え、新規の患者さんを制限する日も間近です。

品川での展開は計画通りとは言えませんが、概ね順調です。でも、計算できないのが教育です。教育には時間がかかります。だから、そこを無視しないようにしています。私たちの成長速度に合わせてカポスも成長していきます。一番大事なのは中身の成長です。
こんな私と一緒に成長したい鍼灸師はぜひカポスの求人にご応募ください。カポスは鍼灸師が最高のパフォーマンスをするためにつくった鍼灸院です(募集要項)。
■鍼灸師と整体師のためのセミナー案内
・整体入門<骨盤編>(2/14-15) 定員15名(先着順)
・活法1日体験会<上半身編>(2/21) 定員15名(先着順)
・活法1日体験会<下半身編>(2/28) 定員15名(先着順)
柔整師・整体師の方はこちら≫活法整体塾(1日体験会)
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コメント
確かに開業したから1人前か?って聞かれたら違いますよね。
雇われている治療家でも達人は居ますし勢いだけで開業して業界からフェードアウトした人も知っています。
どこに目標を置くかでも違いますし、クリ助さんの考え事は個と組織の両面を知るからこそなんでしょうね。
教育、育成、言葉の使い分けって本当に難しいです。
>銀次さん
常々、「個と組織」と「修行と教育」はとことん整理しておきたいと思っています。ここがグチャグチャになると、みんなが混乱しますからね。
組織を運営することで、とても勉強になっています。やってよかったと思っています。
私は昨年度鍼灸国家試験を受けて鍼は無事取得できたのですが、残念ながら灸は取得できず、今年改めて受験をしようとしており、就職活動は行っておりませんでした。
なので今だ決め手となる就職先も決まっていないので、クリ助さんの考え方をヒントにしてみようと思いました。
意味不明な文面で申し訳ありません。
ありがとうございました。
>鍼のみさん
コメントありがとうございます。私の記事が鍼のみさんの進路のヒントになったようで、よかったです。どの部分かはわかりませんが(笑)
国家試験、がんばってください!!!
私も鍼灸院づくりがんばります!!!