―美を創り出す道具は、それ自身も美しく、愛情が湧く本物でなければならない。―
諏訪田製作所の爪切りのリーフレットに書いてありました。
このブログで諏訪田製作所(SUWADA)の爪切りを話題にしたのが2014年3月5日。テレビで紹介されていたを見て「自分がつかっているやつだ~」と興奮がてら記事にしたものです。
―爪切り一つで、鍼灸師としてのプロ意識を確認することができます。―
これは、その時に私がカッコつけて書いた言葉です。その言葉の影響力を思いの外大きかったようで、勉強会でご一緒している鍼灸師が続々と購入されたようです。そんな状況を知ってしまうと、なおさらこの爪切りを粗末にはできません。間違っても「もう使っていないよ~」なんて言えません。
学生の頃に購入したもので10年を越えて使っていたので、正直、切れ味は落ちていました。私の愛情も疑わしくなってきていたのですが、フッとあることを思い出しました。諏訪田製作所はメンテナンスサービスもやっているのです。
あの時の切れ味をもう一度、と思ってメンテナンスに出すことにしました。しかし、心配だったのは、10年以上も前の型式です。SUWADAというロゴも磨り減って消失しています。SUWADA製なのか、ちょっと不安に思っています。カタログと見比べると、微妙にスプリングのデザインが違っているし…。類似品だったら恥ずかしいです。
購入時の自分を信じて、指定された工場に品物を送ってみました。

昨日、無事に戻りました。伝票には「旧クラシック」と書いてありました。私のは、クラシックの初期型だったようです。グッドデザイン賞を受賞した直後のデザインだと思います。現行品とスプリング以外は同じに見えます。

こんな姿で!

じゃん!
メンテナンスにかかった費用は、送料と修理代で2,000円くらいでした。職人さんに支払う手間賃を考えると、儲かる額ではないことが直感的にわかります。メンテナンスしながら長く愛用して欲しいという、作り手の想いがひしひしと伝わってきます。使い捨ての時代に、こういうところが大好きです。こうやってブログを書いて応援したくなります。
戻ってきた品は、一見すると前とそんなに変わりありませんが、錆びが取れてキレイになっています。経年劣化しているので、新品とは違って使用感は残っています。にぎった感触は、送る前と何なとなく違っていて、人の手が入ったとわかります。
さて、肝心の切れ味は動画(17秒)で紹介します。音に注目してください。
切る余白があまりなかったのでサンプルとしてふさわしくありませんが、音が「パチンッ」ではなく「パツ」とか「コクッ」という優しい感触なのがお分かりいただけるでしょうか。
コンビニなどで売っている爪切りは、パチンと良い音が出ますが、切っている音ではなく爪を割っている音です。だから、切った(割った)後は、バリバリするのでヤスリをかけたくなります。
SUWADAの爪切りで切ると不思議なことが起こります。切断面がチクチクしません。バリが全く出ないからです。
他にもこんなメリットがあります。爪が飛び散りません。普通の爪切りはパチンとした瞬間に、爪がどこかに飛んでいきます。そして、部屋のとこかで足裏にチクッと刺さるのを待っています。
SUWADAを使うと、完全とは言えないものの、切れた爪は下に落ちます。こうした違いを知ってしまうと絶対に手放せなくなるのです。指が命の鍼灸師ならなおさらです。

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