求人その前に(1)開業意識と経営能力

鍼灸師の開業意識と経営能力どうなってるの

書きたいことが増えてしまったので、求人の本題に入る前に、もう少し。

■鍼灸師の開業意識

鍼灸師は個人事業がとても多い職業です。今では法人化した鍼灸院の代表という立場ですが、私もずっと個人事業主の鍼灸師でした。

10年以上の間、個人事業者としてやってきて、そこから、法人を設立し、数人の鍼灸師と一緒に鍼灸院をやってきた立場として、ハッキリ言えることがあります。

開業は、目標にするものではありません。あくまでも手段です。「なぜ開業するのか」に一瞬で答えられなければ、開業しても苦労します(苦労だけならよいですが…)。

だから、「開業が目標です」という鍼灸師と出会うと心配になります。開業したから信用がつくわけでもなく、腕が上がるわけでもありません。開業とは経営者になるということです。「患者さんの施術に責任を果たす」という仕事以外に、「お金の出入りに責任を持つ」という重要な仕事があります。

思いのままに施術出来るいっぽう、鍼灸師として想定していなかった仕事が山ほどあります。技術や患者さんとのやり取り以外の悩みも増えます。開業した瞬間に鍼灸施術は仕事の一部になります。

独立が目的で鍼灸師になる人もいます。独立したくて、どんな資格がいいだろうかとリサーチして入ってくる人たちには開業が前提です。開業しないなら、なぜ鍼灸師になったのだ、という話です。

どこかで誰かが、「最近の人は開業意識が低い」と業界の未来を嘆いていました。しかし、私にはその心配の意味がわかりません。「開業志向が低いから将来性がない」と考えるのは、偏り過ぎた考えです。独立志向が高いというのは、就職先が十分にない、受け皿の浅い業界を示すことになります。

私自身を振り返っても、就職先が見つからなかったから開業しただけです。開業意識より、鍼灸師として生きるか死ぬか、みたいな心境でした。こんなもの、独立志向でもなんでもありません。

既に先を歩んでいる私たちに、若者の悪口を言っている暇はありません。やるべきことは、若い鍼灸師を迎える準備です。

鍼灸師に個人事業者が多いということは、免許を取ってもそれを活かす職場がないということです。そこに問題意識を持てないことを嘆かなければなりません。開業した鍼灸師が、経済的な余裕をつかんでいるなら、問題ではなくなるかもしれませんが、現実はとても厳しい数字です。

■鍼灸師の経営能力

私は、もともと、そして今でも鍼灸をする環境をつくるために、経営という仕事に携わっています。経営者という立場は、鍼灸師というポジションを保つための手段です。経営の仕事にも面白みもあります。でも、面白さを感じられるのは、大好きな鍼灸、そして活法に携わる経営だからです。もし、違うジャンルだったら、同じ気持ちにはならないと思います。

経営は職場作りでもあります。小さな枠かもしれませんが、求人の仕事ができることに大きな喜びを感じています。就職先を提供できることに感謝しています。

就職先がない、つまり自営するしかない、という前提で鍼灸師という免許を考えたら、求められる資質や能力は「経営」です。「食べていく」ことを第一に考えるのであれば、鍼灸師しての腕より、経営者としての手腕の方がむしろ重要かもしれません。食べていくには、とにかくお金が必要だからです。

「従業員を雇わず一人でやっていくつもりだから気が楽」と言っている開業鍼灸師もいます。私にもそう考えていた時期があります。しかし、「一人」というのは、大きな大きなリスクであることに気がつきました。正確にいえば、分かっていながらも目を背けていたのです。自分自身に健康問題が発生した時、努力ではどうにもならない状況に追い込まれます。

自身の体力と経営体力が一体になっているなら、大きなリスクです。

つづく…(その2

◎関連施設
養気院(群馬県伊勢崎市)
カポス(東京都港区/品川駅)

【よろしければ投票してください】
応援クリックありがとうございます(1日1クリック有効)。
2つのランキングサイトにエントリーしています。
にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ  

コメント

タイトルとURLをコピーしました