前回のつづき
■サグラダ・ファミリア、未完成の理由
カサ・ミラから見えたサグラダ・ファミリア。その時は、「おぅ!」と声が出てしまった。何度も何度も映像で目にしていたサグラダ・ファミリアが偶然に視界に入ったのだ。

1882年より建築されている。なぜ未だに完成していないのだろう…。
素朴な疑問を持っている人も多いと思う。
改めて調べてみると、アントニ・ガウディが詳細な設計図を残していなかったのが理由であるとわかった。ガウディは不運にも路線電車に轢かれて亡くなった。73歳の生涯であった。
しかも、スペイン内戦によって、弟子たちが作成した資料のほとんどが消失してしまったようである。さらに疑問が浮かぶ。
設計図も資料もないのに、どうして建設が進められるのだろうか。
設計思想を元に完成図を推測して進めているという。これには賛否両論があったという。
設計図ではなく思想を元に建設されているとは、本当に驚きである。ガウディは今もなおバルセロナで生きているのだ。
サグラダ・ファミリアの建築費は個人からの寄付だけでまかっているそうだ。私が支払った入場料も使われることになる。サグラダ・ファミリアを訪れることは、建築の費用を提供をすることを意味する。これを知って嬉しくなった。
完成予定は2026年とされている。未完成のサグラダ・ファミリアを観られるのはあとわずか、と考えることもできる。
気になるサグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)という名前。日本語にすると「聖家族教会」。
Sagradaは「聖」という意味。同じ言葉が、ラテン語ではSancta、イタリア語と英語ではSanta。サンタクロースの「サンタ」と覚えるのが一番早そうだ。
うんちくはこれくらいにしておこう。
■バルセロナの観光バスが便利
サグラダ・ファミリアの魅力は多くの人が語っている。どこで調べても、スペインの観光スポットの第一位だ。これには素直に従うのが賢そうだ。訪れる日の朝、私の期待値は最高点に達している。
バルセロナは観光バスが巡回している。1日券を買えば1日乗り放題。何度乗り降りしてもOK。
このバスを利用すれば主要な観光地に行けるようになっている。宿泊しているホテルを出て1分も歩けば、メインストリートのグラシア通りに出られる。バスはここから乗った。

音声ガイドも無料で付いているので、バスに乗りながらバルセロナを知ることができる。日本語もある。

こんな感じのバスが主要道路を走っている。二階建て。この日の天気は最高。ただ、走るとちょっと肌寒く感じた。冬の2階は無理そうだ。

実際に乗った時の視界。天気が良かったので2階が人気だった。天気が良ければ絶対に2階がおすすめ。
■サグラダ・ファミリアという巨木
バスが15分ほど走った時、目の前に何かが現れた!

あまりにも突然だった。そう、これがサグラダ・ファミリアだ! 想像をはるかに超えていため、状況がすぐに飲み込めない。見ているものを認識するまで少し時間がかかった。
興奮しているのは私だけで、この写真では驚きが伝わっていないかもしれない。写真ではサイズ感が伝わらないのだ。この場に立ってみないとわからない。心の中で動くものをここで共有するのはとても難しいと思う。

ガウディの設計である、カサ・バトリョ、カサ・ミラには既に入っている。ガウディという建築家がどれほどスゴイのか理解したつもりでいた。しかし、私は理解していなかった。

入口はこの反対側にあった。全く別の顔が待っていた。

何千年も間からここに立っている巨木を見ているようだった。建造物ではなく生き物だった。宗教的な意味はわからないが、サグラダ・ファミリアはとてつもない力を秘めている。この感覚はどこから来るのだろう…。細胞のざわつきが治まらない。
その理由を知るには、ガウディについてもう少し知る必要がありそうだ。
■ガウディの哲学
幼いガウディは、自然や動植物をよく観察したいたという。学校で幾何学を勉強すると、長い間、直感的に観察していた自然の造形を幾何学的に理解できるようになった。個人的な理解であるが、直感で得たことを表現する手法を数学によって得たのだろう。
ただし、建築に関しては、机上の空論や計算を嫌っていたようだ。実験を繰り返し、そこから得られたデータを重視していたとあった。自然については、「常に開かれて、努めて読むのに適切な偉大な書物である」と語ったという。

ガウディの作品を理解するには、「自然」がキーワードになりそうだ。硬いコンクリートが滑らかな曲線を描いている。硬い素材がとても柔らかく感じる。前回のブログでは、カテナリー曲線(懸垂線)が特徴的だと書いたが、それも建築に対する回答の一つだ。
それでは、内部に入ってみよう。

つづく…後編
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