鍼灸の鎮痛効果
ぎっくり腰と言っても、原因は一つではありません。原因が違うということは、治し方も違います。
原因の見極めが鍼灸師の腕の見せ所です。一つのパターンしか知らなければ、一つのパターンしか対処できません。
もしかして、鍼灸は痛いところに刺したりすえたりと思っていませんか? 痛いところに鍼や灸をしてもらうと軽くなるのは間違いありません。それは鍼灸をした部分に鎮痛効果が出るからです。
でも、鎮痛効果で満足してしまったら、もったいないのです。鍼灸のポテンシャルはそんなものではありません。技術を持っている鍼灸師ほど、そのポテンシャルを知っています。
だから、痛いところに鍼をすることはあっても「痛いところだけ」ってことは絶対にありません。きちっと原因にアプローチします。
2つのギックリ腰を比較してみる
◎パターン1
この症例は、肩甲骨に原因があるギックリ腰です。何かを持とうとして“やってしまう”パターンです。重いものが腰への負担になったことは間違いありませんが、ポイントは背中と腰の“つながり”です。
腕で何かを持ったら、その重さは腕の付け根、つまり肩甲骨で支えます。その肩甲骨は、腰の筋肉とつながっています。つまり、荷物の重さは、腕→肩→肩甲骨→背中→腰への伝わっていくのです。
原因を考える時には、このように負荷がどのように伝わっていったのかを推測し、触診でその証拠をつかみます。
問題は、腕や肩甲骨で負荷が緩衝されず、ダイレクトに腰に負担がかかってしまうことです。良い身体は負荷が分散され、どこかに集中しません。治療というのは、単に痛みを取れば良いというわけではなく、負担が集中しない“ふつう”を取り戻すことなのです。
養気院・症例ページ ≫ 症例25
◎パターン2
もう一つのパターンを見てみましょう。
前かがみをすると痛みが強くなるパターンです。腕や上半身は関係がありません。脚と腰の“つながり”に問題が生じて腰の負荷がかかりすぎているのです。
立った状態で、膝を曲げずに前屈すると太ももの裏側がピーンと張りますよね。ということは、太ももの裏側が頑張ってその状態を支えているということです。もし、この太ももの裏側が頑張ってくれなかったらどうなるでしょう。
腰の負担が集中してしまうのです。前屈する時は、腰と脚が連携しながら負荷を分散させているのです。ちょっと視点を変えれば、腰を脚で引っ張り合いながら、身体が倒れすぎないように調整していると言えます。
知って頂きたいのは、筋肉は決して単独では動かないということです。傷は癒えたはずなのに、なかなか取れない痛みがあるときは、筋肉のダメージに注目するのではなく連動に注目すると良い結果が得られます。
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鍼灸師が痛みと離れたところに鍼をする理由
それは、原因がそこにあるからです。このような動画を整動協会で作成してみました。ご覧になって頂くと、この記事で言いたいこと、2分でもっとわかります。
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