(4)のつづき

伝統と科学は共存できるのか
鍼灸の歴史観を大事にする鍼灸師からすると、科学化という言葉に慎重になると思います。伝統が軽んじられることに対する不安かもしれません。
伝統とか歴史の話と科学化の話は別です。あえて一つ言わせて頂くならば、「歴史があるから鍼灸には価値があるんだ」という理屈は好きではありません。
私が科学化にこだわる理由はただ一つ。それは、
怪しい鍼灸を減らしたい!
なのです。そう思うのは自分が怪しい人だと思われたくないからです。
自分という人間を理解してもらいたい気持ち、そして、鍼灸の魅力をみんなとシェアしたい気持ちが背景にあります。まず、こういう気持ちがあって、その上に社会貢献の意識が乗っているのです。
科学的根拠は臨床に必要か
「科学的な証明がなければ怪しい」と言い切ってしまうと、私も含めて多くの鍼灸師が怪しい施術をしていることになります。臨床の現場では感覚で判断することが多々あります。
科学では説明できない感覚的な部分がスキルを支えています。それを奪われてしまったら何もできません。
でも、感覚100%でも困るのです。
そんな鍼灸に未来があるとは思えないのです。私は、感覚を差し引いても鍼灸の価値はあると考えています。
だから、感覚的なところを封印して評価してもらった方が鍼灸の真の価値が浮かんでくるはずです。
科学は誠意だと思う
施術によって患者さんの体に起こる変化(現象)は、生理学や解剖学で説明できないものばかりです。
臨床というのは、経験から判断しなければいけないことが多く、科学的根拠に囲まれているわけではありません。
だからといって科学的な姿勢から逃げてしまうのもよくありません。科学的であろうとするのは誠意そのものです。
脳科学で調べる時代
これまで多くの人が鍼灸の効果を科学の言葉で説明しようと試みてきました。ようやく脳科学からアプローチできる時代になりました。生理学や解剖学で限界を感じても、脳科学には可能性があります。
今まで誰もやったことがない、鍼治療をすると脳にどんな変化が起こるのか…を探る旅。この旅に出発しない理由はありません。
つづく…脳は自分の体を正確に認識できない
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