(7)のつづき

鍼灸理論のルーツ
占いの理論と鍼灸理論は元になっている思想や哲学が同じです。だから、鍼灸のルーツを重要視する鍼灸師は、『易経(えききょう)』を読みます。
『易経』は、ものすごく難しい本です。宇宙や世界がどのような法則で成り立っているのか、当時の叡智を集結させたものです。占いの元ネタとなる本ですが、占いそのものの教科書ではありません。
思想が色濃く入っていますが、宗教的なものではありません。むしろ、科学的姿勢で書かれた書物だと思います。どの時代にも宇宙を説明しようと思う人がいたのです。今となっては科学的とは言えなくても、当時の科学的姿勢が生んだものと考えるのが妥当です。
だから、古い鍼灸書(古典)を読む時も易を勉強する時も、科学的姿勢が大事です。歴史を学んだり歴史観を持つことは意義がありますが、それ以上に、目の前の患者さんで起きている現象を素直に観察することが大事です。
医学的根拠と科学的根拠
未来を予測する時は、できるだけ根拠を探します。誰もが納得できそうな根拠を探します。自分のイメージで患者さんの未来を語ったりしません。できるだけ医学的根拠を探します。それをするから医療者でいられます。
ここで医学的根拠という言葉を使いましたが、科学的根拠とは意味が異なります。医療的効果がある証拠です。そして科学的根拠はメカニズムの説明です。
詳しい違いを知りたい方は「科学的根拠と医学的根拠の違い」(整動協会副代表 谷地先生のブログ)が参考になります。
診断がファンタジーであってはならない
もちろん、全てにおいて医学的根拠が見つかるわけではありません。むしろ、鍼灸において医学的根拠を探すのは困難なことが多いのです。研究が進んでいないからです。
医学的根拠をもたない鍼灸師が、商業的に占い師と同じポジションになることや、同じ手法になってしまうのは、ある意味で仕方ないのかもしれません。実際にそういう現実もあります。
医学になるには、ファンタジーな診断は許されません。「見立てが違っても、効いていればどれも正解」という理屈は鍼灸師側の都合でしかありません。
鍼灸が医学になるには、見直さなければならない診察法があるのは間違いありません。
鍼灸がなぜ効くのか説明したい
医学的根拠を鍼灸師が持つようになるには、まず誰にでも説明できることが大切です。有効性が誰にでも分かれば医学になります。公平な視点が必要です。
そしてメカニズムへの関心を高めることです。そうすることで科学的根拠を持ちます。私は鍼灸の治効メカニズムにとても関心があります。効くことが明らかなのに、なぜ効くのか説明できないのは、もどかしいのです。
この調子でもう少し続きます。
つづく…なぜ脈診をするのか
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