<このシリーズでは、鍼灸師であるクリ助が妊産婦さんに何ができるかを考えていきます。お産の現場をできるだけリアルに伝えますので、よいお産について一緒に考えてください。>
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クルマの手すりが最もありがたかったのはこの時でした。クリ子はギュッと握りしめ苦痛に耐えています。深夜だから許される声と顔、クリ子の名誉などどこにもありません。
クリ子の苦痛を運んでクルマは走ります・・・
陣痛には間隔があると聞いていましたが、妻の陣痛を見る限り、それは一瞬です。もう常識で考えるのはやめよう…と思った矢先です。
ついにクリ子から驚くべき言葉が発せられました。
「産まれそぉー!!」
「えっ!?」
「降りてきている感じがする・・・!」
この言葉が正しかったことが、クリニックに到着してから証明されることになるわけですが…。
「半分くらい頭出てる?」
と、冗談を言ってみるものの、クリ子の耳に入っているのかわかりません。というより冗談が成立していない可能性も。つまり実際に…。
あまり想像しないようにしながら、クルマを走らせます。
でも、ある程度は想像しながら…。
ようやくクリニックの一つ前の交差点、
「もうすぐ着くよ!」
「は、早いね」
クリ子の言葉から安堵感が伝わってきます。出発してから30分後の午前1時。ついにクリニックに到着です。
あれっ、40分かかるはずじゃなかったの!?
という疑問をお持ちの方は記憶力のよい方です。
道が空いていたのです、そ、それだけですよっ!!
チェッカーフラッグを振ってくれる人は誰もいません。静まりかえったクリニックにクルマを乗り入れます。玄関にピタッとクルマをつけると、インターホンまでダッシュしてピンポン!(ピンポンダッシュの逆)
「どちらさまですか?」
女性の声で返事がありました。助産師さんと思われます。
「先ほど電話したクリ助です。」
「はい。どうぞ、中にお入り下さい。」
ちょ、ちょっと待って!!そんな普通に言われても…。
頭が半分出でいるかもしれないのですから!
しかも、せっかく履いた靴がなぜか脱げている……なぜ!?
「い、い、痛みが強くて本人が動けません!」
「そうですか!今迎えに行きます!」
ようやく、助産師さんの本気の声を聞くことができました。
再び、クリ子に靴を履かせていると、助産師さんが現れました。
「お願いします。」
と、クリ子を委託します。
普通ならここまでが夫の役割なのでしょうが、クリ助はここからが本番なのです。鍼灸師クリ助の活躍の場面は近い!
つづく→鍼灸師とお産(8)


コメント
クリ助さんも書かれていたように、知識が事実を認識しにくくすることもありますよね。
陣痛の間隔も、時計のようにはっきりある人も居るし、とにかくずっと痛みが続く人(私)も居ます。
人それぞれって、もっと広めて欲しいですよね。
こちとら初心者なんですから。
産まれそうな妊婦を乗せた車は、飛ばしたって大丈夫ですよ。
空いてる道で交通規則を守るのと、人命の重さとを考えると、許される範囲(?)で高速走行するのが普通ですもん。
それと、こちらの動揺をヨソに、至極冷静な産科の対応にも違和感を感じます。(どの産婦人科も似たり寄ったり)
そりゃ相手は日常茶飯事ですから、慣れすぎちゃってなんとも思わないんでしょうけど、
こっちは人生最大の危機なんです。
インターホン越しで済ますって、ちょっと~(-_-;)
ともかく、間に合ってよかった!
これからがクリ助さんの本番ですね。
それもワクワク。
夢湖さんがコメントに書かれてましたが、
このシリーズ、笑いのツボとても多いです(爆笑中)
本人たちはいたってまじめに取り組まれたことなのでしょうけど(ゴメンナサイまだ笑ってます・・・)
私達夫婦の場合、夜間入り口で歩けない私を見た守衛さんが車椅子を用意してくれ
早朝の病院内を夫の押す車椅子で病棟まで激走しました(笑)
・・・今ではおかしいけどその時はド真剣でしたね。
クリ子さん、クリ太くん降りてきてるのがわかったんですね。すごい!
私はわからなかったからなぁ・・・これも個人差?
お産にとりくむ鍼灸師クリ助さん!いよいよ次回登場ですね!ワクワク!
>Chabさん
助産師さんが状況を把握しきれなかったのも無理はありません。許してあげてくださいね。もっと私が状況を工夫して伝えるべきだったと思います。電話の仕方に問題があったと思います。だから、助産師さんを責めないでくださいね。このあと、すごく活躍してくれますし。
電話では、確実に事態を伝えようとゆっくり丁寧に話していました。間違って伝えたらいけないと思いまして。でも、その語り口調が現場の緊迫感を殺してしまったのかもしれません。電話口で慌てた雰囲気を演出することも、時には必要かもしれないな、と思いました。電話って難しい・・・。
クリ子もかなり頑張って普通を装って話していましたから。この段階では、痛がることが恥ずかしかったのでしょう。
>なちゅらさん
真剣でしたね~。
客観的に見られたら恥ずかしいでしょうね。
お産とはそういうものかもしれませんね。
現場は主観で事が運びますね。そんな印象を持ちました。
私たちの仕事もそうかもしれませんね。客観的・科学的なことが大切といくらいったところで、最終的には患者さんの苦痛や悩みという主観こそがニーズの本体だからです。
患者さんと接するときは、背中に客観をおんぶして、主観をだっこする感じがよいかな、なんて思いました。なんか抽象的ですみません。自分だけにしかわからないような言い回しになってしまいました。
>クリ助はここからが本番なのです。鍼灸師クリ助の活躍の場面は近い!
なるほどそうか!そうだったか~~~!!
痛みが強くて本人が歩けないと伝えたのもナイスな仕事ぶりですね!クリ助さんGJです!
>「半分くらい頭出てる?」と、冗談を言ってみるものの
そんな冗談イヤあああああ~~~~!!!!と笑ってしまいましたよ!
それにしても車の中で生まれそうだなんてクリ子さん相当焦っただろうなあ~~~~。でももしかして痛くて焦るどころじゃなかったりするんだろうか???私の脳みそでは痛さに支配されてそれだけでパニックになりそうだ・・・・。
すみません、また憤りすぎてしまって。
大抵の産婦人科が、分娩で行っても、通常の健診と同じように、
「自分」で入口から該当の部屋へ赴かなければならないんですよね。
いつも話を聞く&出産する度思うのですが、
どなたか案内というか、状況を早く知るために、まず出てきて欲しいな~と思うのです。
陣痛でふーふーいってるときや、急な破水で不安なとき、
すぐに産科の人が出てきてくれるってうれしいと思うんですけど。
望みすぎでしょうか?
その場に居たわけでも無いのに一方的にプリプリ怒ってしまったようで、ごめんなさい。
普段思っていたことにバチッとはまってしまったもので・・・。
>脳みそでは痛さに支配されて…(夢湖さんのコメント)
実はですね、出産劇が一段落したら陣痛について書こうと思っていたんですよ。
陣痛の痛みとは…、まあ医学的には子宮の収縮なのですが、そういった話ではなく、クリ助独自の見解を書く予定です。もしかしたら、陣痛の概念が変わるかもしれませんよ。
お楽しみに♪
それまでお付き合いくださいね。
>Chabさん
いえいえ、望みすぎではないと思います。やはり、妊婦さんの望みと産科が用意しているものに大きなギャップがあるのでしょう。
望むことは素直に表現された方が、これからお母さんになる方のためにもなります。
Chabさん、もっと叫んでください!!
このブログにスパイスをきかせてくれるChabさんに感謝しています。もっともっと期待しています。
このシリーズ、私の鍼灸院に通っている助産師さんも読んでいますので、要望をぶつけるよいチャンスですよ。