鍼灸師とお産(15)-衝撃の一言

<このシリーズでは、鍼灸師であるクリ助が妊産婦さんに何ができるかを考えていきます。お産の現場をできるだけリアルに伝えますので、よいお産について一緒に考えてください。>

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確かに手ごたえがあった太衝
でも、何も起こりません・・・・・・

失敗…?

いえいえ、これでよいのです。

むしろ、ダイナミックなことが起こったらマズイのです。たとえば、突然赤ちゃんがポンッ飛び出てきたりしたらヤバイです。北斗の拳の秘孔をイメージした人は×です。

何も起こらないことを確認して、ホッとします。こういうとき、顏色、汗のかき方、脈などが悪化していなければOKです。普段であれば、それらが改善することで効き目を確認するのですが、既にノーマルではないクリ子を正確に診断することは無理です。こういう時は、ツボの手ごたえと第六感が頼りになります。場を踏めば、お産の時でも正確な診断ができるようになるでしょうが…現状の医療システムでは経験を重ねることが不可能です。

ここで鍼ができるだけで、ありがたいことなのです!

2回目、3回目を経験するためには、クリ太に続く2人目、3人目が必要です。
挑戦したいと思います。クリ助、先走りすぎです。

太衝に続き、2つ目のツボに鍼を打ちます。
手にある合谷(ごうこく)というツボです。

このツボは特に上半身の気の巡りをよくします。赤ちゃんを押し出すパワーを導く目的です。太衝で下に引き、合谷で押す、そんなふうにイメージしていただくとよろしいかと。

2つのツボを手際よく刺激すると、再びクリ子の手を握ります。

クリ子は助産師さんの声に合わせていきんでいます。呼吸法は一度も練習してませんから我流です。もし中途半端に練習していても、この状況では役に立たなかったでしょう。お産の現場を目の当たりにしてそう思いました。ある意味、何もしなかったクリ子は正解です。お手本がないので、これでいいのかなぁ…、と迷うことがないからです。助産師さんの上手な誘導があってこそです。

それから、どれくらいの時間が経ったかわかりません。
陣痛が遠のいた時、クリ子の口から思いもよらない一言が出ました。

「気持ちいい」

聞いた瞬間はその言葉を疑いました。でも、クリ子の表情が真実であることを語っています。大げさではなく、価値観がひっくり返った瞬間です。

つづく→鍼灸師とお産(16)

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コメント

  1. Chab より:

    分娩の最中に「気持ちいい」、これはとても興味があります!
    興味がある事だらけですよ、ホント。
    うーん、次回がもっと気になる・・・。
    ツボってたくさんあるのでしょうけど、何を選ぶか&何を組み合わせるかって、
    鍼灸師の腕の見せ所なんでしょうね?
    クリ助さんの読みが次々に当たって、読んでいる私としては鳥肌モノです。
    ツボの効果を想像してたら、次の出産を検討してもいいかな・・・って思いました。
    ただし、クリ助さんのような(<-ここ大事!)鍼灸師の付き添いが可能でないと嫌ですけど。ははは。 クリ助さんのこのシリーズを読むと、出産って楽しい(?)事なんだな~と素直に思えます。 分娩自体には、痛いとか苦しいとかマイナスイメージが一般的には結構ありますけど、 人体が自然に行ういろいろな役割の素晴らしさを、ぜひ味わいたい気分になります。

  2. サト より:

    これからどんな展開になっていくのでしょうか?
    本当に文章の流れが上手で、惹きこまれちゃいます。作家の才能があるかも?自然と勉強になりますし。人生一生学びです!
    どうなっていくか分からないので、何で気持ちいいのか、楽しんで推測しておきます(*^_^*)
    今日もポチ(^^♪

  3. なちゅら より:

    「気持ちがいい」・・・か。どういうことよ?(汗)奥深すぎです。・・・そんなあせるなって?(笑)
    クリ助さんの”秘孔”発言にまた私の”笑いの秘孔”を突かれましたよ(爆)
    私もクリ助さんの2人目、3人目の時のお産のお話も今から楽しみに待ってますよ^^
    “お手本がないからこれでいいかな・・・と迷うことがない”ってとても大事なことかもしれませんね。
    まさに本能によるお産でしょうか。
    赤ちゃんが自分で回転しながら生まれてくるように、
    お産はできる限り本能のゆさぶりに身をまかせたほうが楽で楽しいのかもしれませんね。
    ・・・私も2人目に向けて鍼灸意欲も上昇中。

  4. クリ助 より:

    >Chabさん
    ツボの選び方は、鍼灸師をし続ける限り永遠のテーマですね。Chabさんのおっしゃる通り、ツボの組み合わせも重要です。これを専門的に配穴(はいけつ)といいます。穴(けつ)とはツボの正式な言い方です。でも、『鍼灸師の穴日記』ではおかしいですよね(笑)
    痛いとか苦しいとか、そんなイメージはもはや必要ないかもしれません、と言いたいのです。お産はイタギモの世界!?

  5. クリ助 より:

    >サトさん
    褒められると嬉しくなりますね♪
    実は、東洋医学の本質をカジュアルに伝えたいと思っています。私が“本質”を分かっているかどうか、そもそも問題はありますが(笑)
    サトさんのような東洋医学の専門家に読んでいただけていることは、本当に光栄なことです。もし、おかしなところがあったら指摘してくださいね。

  6. クリ助 より:

    >なちゅらさん
    まさか、なちゅらさんの秘孔に当たるとは!
    ケンシロウが鍼灸師だったらすごい治療ができそうですよね。そもそも鍼が必要ありませんよね。『北斗の拳』の中で治療するシーン、ちょっとだけ出てきますね(特にトキ)。そんな話をなちゅらさんにしても…。
    頭で出産しようとすると、本来の本能が奥に追いやられてしまうでしょうね。無心が一番よいのかもしれません。赤ちゃんだって、知識がないのに回って出てくるのですから。
    お産は、本能に直接触れることができる絶好のチャンスだと思いました。詳しくは後ほどの記事で。

  7. 夢湖 より:

    >クリ助、先走りすぎです
    に爆笑!!
    そうですね、先走りすぎです!!
    でもこの感じだと2人3人と期待できそうですね!^-^

  8. クリ助 より:

    >夢湖さん
    二人目、三人目の時もゆめこさんの茶碗を買いに行きますね☆
    私の中では安産効果が確かなものとなっています。

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