活法は脳科学

裏の活法、表のあマ指のつづき)

■活法が変えた治療観

活法と出会って私の考え方は変わりました。学ぶほどに自分の欠点が見えるようになりました。たとえば、痛みに関していえば、「動かすからよくなる」という発想がなかったのです。「痛みをとれば動くようになる」とばかり考えていました。

痛みと動作制限(動かないこと)は、「鶏と卵はどっちが先か…」と同じで、順番を決めることはできません。こんな簡単なことにずっと気が付かなかったのです。鍼灸の鎮痛作用は極めて高いので、「とりあえず痛みを取ろう」と考えていたのです。

痛みはどこで作られるのか…、脳ですよね。

脳がなければ、どんな大ケガをしても痛みは起こりません。
なので、痛みをコントロールするということは、脳をコントロールするということになります。

では、動作をコントロールしているのは…、これも脳ですね。
脊髄反射を除けば、動きは脳が決定しています。

痛みにしても、動作にしても、脳がポイントです。
痛みは動作の影響を受けて、動作は痛みの影響を受ける仕組みがあります。

時に脳は錯覚を起こします。

本来は動けるのに「動けない」と勘違いを起こす場合があります。これは活法から学んだことです。この錯覚を解除することが治療になってしまうことがあります。もちろん、この錯覚は患者さん自身も気が付いていないものです。ですから、解除するきっかけは術者の役割です。

「錯覚」という言葉を使うと軽々しく聞こえますが、患者さんにしてみれば辛い症状です。

錯覚は一瞬で解けます。患者さんの想像よりアッサリです。
症状の変化に患者さんがビックリするのも無理がありません。

■錯覚解除の方法

痛みがあるとそこから動かそうとします。
患者さんにはそんなつもりがなくても、無意識がそうしています。

痛みがある時にどんな無意識に支配されるのか…これさえ知っていれば解くことができます。
裏返せば、知らなければずっと解けないパズルです。

ルービックキューブ。

私は説明書を読んだから6面そろえられますが、自力では1面が限界です。努力では届かない領域が必ずあります。天才だけが解けるパズルも解き方が一旦わかってしまえば模倣できます。

活法には痛みを作り出している無意識を解除する方法があります。誰が考えたのかわかりませんが、天才であることは間違いありません。私はそれを模倣するだけです。ルービックキューブみたいにある程度練習は必要です。でも、練習さえすれば自力では到達不可能な技術を手に入れることができるわけです。

■痛みの反復練習!?

具体例を書きたいのですが、詳細まで書けない事情があるのでギリギリのラインで。

痛みがある時、人の意識はどこに向かうのか…?
これは簡単ですよね、痛いところです。

痛いか痛くないか・・・と自問自答しながら動きます。

この時、脳は動く前から「痛い」というイメージを作り出しています。レモンを思い浮かべると唾が出るのと同じように、身体は痛みを感じる準備を始めています。

そうして、痛いところに意識を集中させ、

「痛い、やっぱり痛い」

と脳は痛いことを確認します。

痛みを何度も繰り返し、それを丁寧に確認しているうちに記憶に刻み込まれます。(英単語を覚えるのと全く同じ原理)

この記憶を解除するためには、「痛くなく動けてしまった」という事実をつくるしかないのです。この時、ポイントになるのが始動の位置です。実は、痛みがあるとそこから動かそうとします。これって、端からみたら不自然な動きです。でも患者さんは気が付いていないのです。「普段はそんなふうに動いていないでしょ?」とつっこめるところがあります。不自然な動き が痛みを強調しています。

「本当はこうやって動くんですよ」と始動を正しいものに置き換えます。これは無意識に働きかけるテクニックです。正常な動きを術者がサポートする場合もありますし、不自然な動きを封印することもあります。

無意識が変わると、患者さんの動きがその場で変わってしまいます。同時に痛みも変化します。患者さんの運動パターンは一瞬にして変わります。文字通り一瞬です。患者さんは、ただ触れられているだけ、ただ言われたとおりに動いただけ、と思っているはずです。

患者さんは何をされたのか気が付きません。
患者さんの脳だけが知っています。

それにしても、脳科学は流行っていますね。
活法は脳科学者が真っ先に研究すべきテーマです。
脳科学という言葉がない時代から脳科学的発想で治療していた日本人は本当にスゴイです。

(つづく・・・活法は脳科学2

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by群馬の鍼灸院(養気院)

コメント

  1. ワカゾー より:

    クリ助さん
    こんばんは!
    11月の骨盤入門セミナーに参加予定のワカゾーです。
    クリ助さんのブログを読んで、セミナーの参加を決めました。
    まだ活法自体もわかりませんが、このセミナーが私の治療家人生の転機になればいいと考えております。
    ところで、11月の骨盤セミナーにはクリ助さんも参加されるんでしょうか?

  2. クリ助 より:

    >ワカゾーさん
    骨盤セミナーの参加ありがとうございます。ワカゾーさんは「体験会」は参加されていないのでしょうか。となると、活法の世界に出会って何かが変わるはずです。期待して大丈夫です!!
    私も骨盤セミナーはスタッフとして参加します。活法を一足先に始めた先輩としてワカゾーさんにアドバイスをしようと思います。
    11月にお会いできるのを楽しみにしています!!

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