■上下の交流
前回は「上下の交流を回復させることがポイント」であるところまで書きました。頚の他にもポイントはあります。今日は、そのうちの一つを紹介します。
頚の中に流れる空間ができても、上半身に熱がこもってるままでは、熱がいつ頭部(顔面部)に昇っていってもおかしくありません。一歩下がると、上半身と下半身の関係が目に入ります。
上半身と下半身をつなぐところは腰です。
腰と言っても広いので、ポイントが多数あります。
その中でも特に役立つツボを紹介します。

腎兪(じんゆ)
このツボは、「腎」の字が付いているので腎臓に作用します。
ただし、東洋医学でいうところの「腎」は現代医学的な「腎臓」の働きとは異なります(共通部分もありますが…誤解を招くといけないので説明は省略)。
■ 火と水
腎(じん)の役割は「水」のコントロールです。
話を単純にするため、体の中の熱は「火」、体の中の潤いは「水」とします。
体の中に炎があるわけではないので、火は水の中に隠れています。
火が水の中に隠れると温度を持ちます。その温度が体温です。
水の中に火を秘めるのも腎の役割です。
火のパワーが強いと水温(体温)が上昇
水のパワーが強いと水温(体温)は下降
絶妙なコントールで、体温が一定に保たれているわけです。
全体では一定であっても、部分ではなかなか一定とはいきません。
足が冷える、頭がのぼせる、などがありますよね。
両方ともあれば、上下のバランスがおかしい状態です。
水のパワーに原因があることが多いです。
(火のパワーに原因があるものは、急性の症状や病気が多いです)
水のパワーを正常化しようとするとき、思い出すのが腎です。
腎を調整すればよいのです。そのポイントになるのが「腎兪」です。
腎兪は上半身と下半身をつなぐ腰にあり、しかも水に作用します。
このことが意味するのは、上下の往来を妨げるこわばりをとりつつ、体温を一定にするということです。これは便利です。花粉症が治りそうな気がしてきました。
■腎兪の使い方
花粉症の治療穴に腎兪を使う、というのはたいへんよい方法です。先日読んだ「花粉症に効くツボ」(医道の日本3月号)の中でも、腎兪がたびたび出てきました。
でも、あえて腎兪を治療穴にしない方法もあります。
せっかくの腎兪を使わないわけではありません。「診断点」として使います。
ツボは3つの顔を持ちます。
反応点、診断点、治療点、の3つです。
腎兪は腎の反応点です。
でも、それだけではありません。「動作の連鎖生理論」で分析するとふくらはぎと関連が高いことがわかっています。動作時、腎兪はふくらはぎの中央と連動します。そこには承山(しょうざん)というツボがあります。
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承山に何かあると腎兪に反応が出ます。
その腎兪は「腎」と名がつくだけあって腎と関わりが特に深いところです。
もし、承山に何事もなければ、そのまま腎兪を治療穴として使えば効果が見込めます。しかし、承山の筋肉が硬いと腎兪付近を硬くしてしまうため、腎兪にはいつもストレスがかかっている状態になり、経験的に腎兪の効果は半減します。

■承山で頚をゆるめる
承山の隣には飛陽(ひよう)というツボがあり、この飛陽と膝裏のある委中(いちゅう)、足首にある崑崙(こんろん)というツボが、ツッパリ感と鼻づまりに効果があるという記述を『医道の日本』の特集記事で発見しました(2010年3月号P.56)。私の経験でも承山は後頚部のこりに有効なので、承山は腎兪の他に後頚部を緩める作用を持つと言えます。
前編で書いた「頚の筋緊張を緩めて頭部の熱を下げる」という目的でも理にかなったツボです。承山はあなどれないツボです。
花粉症に効くツボを紹介しましたが、これはほんの一部です。いろいろなパターンに個別に対応していくには、もっともっとポイントがあります。今回の記事は後編でしたが書こうと思っていた内容が全然入りきりません。長くなりますが続けることにしました。
「花粉症の診断点」で書いた風池をゆるめるポイントもまだ書いていなかったです。クリ助が自分で見つけたのでどの本にも載っていません。発表します。なんだか、ここからが本番な気がしてきました。
つづく…花粉症のツボ(承山)



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