腹筋ローラー後の腰痛

近頃、マイブームになっているのは症例報告。

今日はある腰痛の話をします。
腰痛と一口に言ってしまいますが、いろいろあります。

今日のお題は、調子に乗って招いた腰痛です。
腰痛になる場面はどんなものがあるでしょうか。

先日(8月11日)に挙げた例は、腰より下に原因があったものです。
これから紹介する症例は上半身にあるものです。

「調子に乗って」と書きましたが、私の鍼灸院に通い、一旦はよくなっていた腰をある行動によって再び痛めてしまったのです。腹筋ローラーをやってみようと思うくらい調子がよかったということだから、そこまではよい話です。

その行動とは、腹筋ローラー。

GOLD’S GYM(ゴールドジム) フィットネスローラー T-5500
B000Q6478E

こういうやつです。かなりの筋力が必要です、コレ。
筋トレをしている人なら誰でも知っている定番の人気アイテムです。(使い方がわからない方は、Youtubeなどで「腹筋ローラー」と検索するとたくましく動く姿を観賞することができます。)

腹筋ローラーを使っている時は痛みはなかったようです。痛みはトレーニングが終わってしばらく経ってからだったようです。「すぐに痛くならなかった」ということから一つわかることがあります。痛みが出ているその部位を損傷してしまったわけではないということ。もし、損傷、たとえば肉離れなどを引き起こしてしまったらなら、その場ですぐに痛くなるはずです。

ある腰痛と背中のツボの関係

痛みが出た場所はメモをご覧下さい。
本人はハッキリ位置を示せないような痛みです。

こういう時の痛みは「動きの連動性が失われてしまった時に起こる」と、私は考えます。動作がぎこちなくなってしまった結果、関連する筋肉がこわばってしまうことがあるのです。動かないところをフォローするために起こる現象です。フォーローする役目が重すぎたり長すぎたりすると、フォローしてる方は疲れ果ててしまいます。

看病している方が、倒れてしまうような状況です。

腹筋ローラーをしている姿を想像しながら、筋肉を観察してみると、肩甲骨の下端のすぐ外に異常なポイントを発見しました。右だけコリコリしていて妙な感じだったのです。

「これだ!」

と思って、あるテストを実施しました。
その時、既にうつぶせだったので、そのままの姿勢で膝を伸ばしたまま脚を挙げてもらいました。片足ずつチェックしてみると右脚の挙がりが極端に悪いことがわかりました。患者さんも「重い」と認識できたようです。

次に、発見した肩甲骨近くのポイントを押してみました。そのまま同じテストを行うと右足が左と同じ高さまで上がります。このテストで肩甲骨の下のある部分が骨盤の動きを制限していたことが明らかにになりました。これで、腰痛の原因が上半身にある可能性が高くなっています。

あとは、実際にやってみるだけです。

腰痛と背中のツボ

ところが一つ問題があったのです。
この腰痛、「今は痛くない」というもので、ビフォーアフターで比べようがありません。

そこで圧痛で変化を見ることにしました。押してみると、ある一点に激しい痛みがありました。明らかに筋肉がこわばっています。左右で比較してみると右だけです。

肩甲骨の方に鍼をして、腰の圧痛が軽減すればOKです。
やってみるとその通りになりました。筋肉のこわばりが解け圧痛が消えました。骨盤の動きをチェックするための脚挙げテストも左右の差がなくなりました。

もう一度腹筋ローラーを使って大丈夫なようであれば治療は成功です。
「何をしても大丈夫」という状態になって、本当に腰痛がよくなったと言えます。

そう考えると、これまでの施術は穴があったのです。
腹筋ローラーをしても大丈夫にする、ということを忘れていたのです。
そこまで考えなければいけないのか、と思うと正直ちょっと重荷です(笑)

だから、今回の症例は、私が見逃した問題を腹筋ローラーが教えてくれたという話としてまとめます。腰痛にもドラマがあります。痛みが出ている腰だけを見ていると、見えないドラマです。楽しめないドラマです。

ケアのために定期的に通院している患者さんなので、次の腹筋ローラーは来院の3日前くらいにやってくださいと伝えておきました。3日前というのは、私の読みが外れて痛みが出たらマズイので。一応、痛くなってもそのフォローができるように3日前にしておきました。

患者さんも本気です。
腹筋ローラーに再びチャレンジしてくれるでしょう。
こういう体育会系のノリも時には楽しいものです。

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コメント

  1. てぐ より:

    おや、ブログ変わりましたね。
    かわいらしくて見やすいレイアウトになって、いいですね!
    レベルアップしたなあ、と感じました。
    今後も期待してます

  2. クリ助 より:

    >てぐさん
    ブログデザイン刷新後、コメント一号です。ありがとうございます。これまでずっと無料デザインを使い続けてきましたが、オリジナルデザインに改めました。引き続き、応援よろしくお願いします。

  3. りょ より:

    腰痛・鍼で検索してクリ助さんのブログにたどり着き、大変興味深く読ませていただきました。この3ヶ月、腰痛から始まった右足坐骨神経痛に悩まされ、フィジカルセラピーでもなかなかよくならなかったので、先日初めての鍼に行ってみました。台湾人の鍼師の方だったので日本式とは違うかもしれませんが、最初押されて痛かった腰が2,3分足に鍼を刺しただけでまったく痛みを感じなくなり、びっくりしました。まだ痛み・不快感は残っていますが、鎮痛剤無しでも大丈夫なくらいにおさまり、鍼の力に感動しています。クリ助さんの紹介していらっしゃる活法にもとても興味があります。アメリカ在住なのでお伺いして見ていただくことができないのが残念ですが、もし自分で出来る活法の信頼できる情報源がインターネットであれば教えていただけますか?

  4. クリ助 より:

    >りょさん
    坐骨神経痛、よくなってよかったですね!鍼ってスゴイですよね。コメントを読む限り、台湾人の先生の腕もかなりよさそうです。りょさんの文章を読んで心がはずんできました。
    自分でできる活法の情報源ですか。
    自分でできるものはあります。治療レベルのものではなくセルフケアのレベルのものですが。「橋本聖樹の腰痛1分改善法」というものが販売されています。検索してみてください。活法の腰痛アプローチのほんの一部なので、これですべて解決というわけにはいきませんが、日常のケアとしてはとてもよいものです。「個人差がある」ものですが、検討してみてください。活法研究会のノウハウですが、私が副代表を務める活法研究会から販売されているものではないので、ブログの読者さんであっても値引きができないのが残念です。

  5. りょ より:

    ありがとうございます。早速検索してみます。こちらでは保険などの関係で腰痛ではMRIすら簡単にとってもらえず(医師には数週間から数ヶ月待つことになる、と言われました)、痛みに対し鎮痛剤を飲み続ける以外何もできなかったので、こわごわながら試してみた鍼でしたが、そのおかげで鍼を経験できたわけで、まさに怪我の功名だったと思います。鍼がもっと広まり、病院でも標準的治療のひとつとして患者さんにすすめてくれるようになれば、痛みに苦しむ人がずっと少なくなるのではと思います。クリ助さんのブログは症例をまじえてわかりやすく説明されており、大変参考になりました。これからもいろいろ学ばせてください。

  6. クリ助 より:

    >りょさん
    鍼灸師の一人として、鍼灸の魅力や効果を一人でも多くの方に伝えられたらと思います。このブログが少しでも貢献できたのなら嬉しいことです。
    私の所にやってくる患者さんの多くが、「もっと早く受けておけばよかった」と心情を語られます。りょさんのようにMRIを待つ数週間や数ヶ月の間によくなってしまう方が増えたら本当によいことだと思います。
    引き続き、私の目線から鍼灸の実際を書いていこうと思います。

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