東洋医学が何であるのか、難しい話を出したら終わりません。テーマとして深すぎます。西洋医学との比較で論じることもできれば、起源や地域で論じることも可能です。陰陽(いんよう)だとか、五行(ごぎょう)だとか、そういう単語を使って説明することもできます。
こんなふうに東洋医学は最初から面倒くさいのです。
そもそも東洋医学の定義はあいまいですし、「The東洋医学」が何であるのか鍼灸師のくせによくわかっていないのです。東洋医学と聞いただけで「うさんくさい」と感じる人がいたり、東洋医学というだけで大きな期待をされることもあります。東洋医学の定義がバラバラなのでイメージもバラバラになるのは仕方ありません。
研究家であるならば難しく語ることが許されますが、臨床家としては難しいのは困ります。患者さんに質問された時、一言で答える必要があるからです。
私は「循環をよくすること」と答えています。「巡りをよくする」と言い換えても同じです。特別でもなんでもない普通の答えです。冷え性の患者さんにはウケがよい回答なのですが、腰痛や肩こり患者さんは物足りなさを感じると思います。
骨格や筋肉に問題意識がある患者さんは、「姿勢が悪いんでしょうか?」と質問されることが多いです。それに対して「循環をよくしましょう」では、答えになっていないような…。
鍼灸師の回答が意味不明でれば、「姿勢が原因です」と答えるカイロプラクティックや整体に患者さんの心は向かうでしょう。「骨盤が歪んでいます。真っ直ぐにすれば良くなります。」という話はわかりやすいですからね(それが妥当な説明かどうかは別として)。
鍼灸師は、筋肉や骨格に弱いと思われているようです。今のところイメージでは完全に負けているのではないでしょうか。名刺に「整体師」と書き加えてもよいのですが、あえてそれはせず、「鍼灸師」という肩書きで、カイロプラクティックや整体に対してどう挑めばよいのか、とことん考えたいと思います。なぜなら、このブログが『鍼灸師のツボ日記』だからです。
骨盤の歪みも、脚の長さの違いも、猫背も怖くありません。
どれもツボで解決できます。
その秘密は…
(つづく)


コメント
先日忘年会で「めぐり」を想起させる
話を幹部から聞きました。
勤務先では人手不足が常態化していますが、人手不足が直接の原因ではなく
必要なところに人手が回っていないことが原因でないか、という話で。
総量も足りないのですが、回っていない=巡っていないという意味でも足りない
ということかと。
全体としての不足か局所としての不足なのか。
東洋医学は人材の配置にも生きる気がしました。
>ジャッカルさん
東洋思想や東洋哲学から学べることって多いかもしれませんね。鍼灸を通じて、東洋医学がとても実用的なものであることがわかります。
鍼灸を通じて世の中も「巡り」が大事だというメッセージを伝えられたら、それも嬉しいです。