■その2 固定点を置き換える!
「固定点」とは、伸ばそうとするときに固定する点のことです。
輪ゴムを伸ばすことをイメージしてください。両端を一緒に引っ張っても伸びますが、片側を固定してもう一方を引っ張っても伸びます。
伸ばそうとする時、固定する位置を変えると伸び方が変わります。

たとえば、固定点を作らない伸ばし方。輪ゴムでいえば、両端を宙で持って引っ張るイメージです。宙でユラユラしますよね。ユラユラしないように、そこに止めようとする力が働いているはずです。伸ばそうとする一方で、止める力までも働いています。
片側を固定すると、輪ゴムが宙をユラユラしません。その結果、伸ばす力だけを働かせることができます。つまり、伸びやすいのです。
固定するポイントを変えるだけで伸び方が変わる場合もあります。歩行時の脚を考えたとき、支持脚(体重を支えている脚)の足は地面に固定され、股関節側が移動します。遊脚(宙に浮いている脚)は、股関節が骨盤に固定され、足が移動します。
固定点と移動点は一定ではなく流動的です。この固定点と移動点のスライドがスムーズでないと動作が不安定になり、(縮もうとする力が働くため)筋肉は伸びづらくなります。
碓井流活法では、坐骨を固定点に足を移動点にして伸ばすという方法がよく使われます。見た目が粗雑そうなのですが繊細なテクニックです。坐骨の固定ができると脚がスゥーと伸びていきます。このテクニックで坐骨神経痛が軽くなる症例は数えきれません。
「伸ばしたいのなら固定点を決めよ!」
というのが活法の教えです。
このような発想は鍼灸では聞いたことがありません。
整体ではこの種の手法をたまに見かけます。
整体は整体だから、と考えるともったいないのです。固定点をどこに置くのか、という発想は鍼灸のツボ選びに応用ができます。経絡(ツボを結ぶライン)を絞れても、どの経穴(ツボ)を選択してよいのか迷う時、私は、固定点を意識してツボ選びをします。
「固定点」は「動かない点」であると同時に「回転軸」なのです。「枢(くるる)」と言い換えることができます。「とぼそ」とも言います。
回転軸の心棒のことです。
運動機能を回復させたい時、私は枢を整えています。
クリ助のクルル鍼灸。
(その3に続く)
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・鍼灸養気院(群馬県伊勢崎市)
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