これまた体育会系の腰痛!

これでも体育会なんです。の続き。

群馬県在住の30代の男性、体育会系。

腰痛の治療でこれまで何度か来院されています。腰の痛みは軽くなっているものの、最終的な目標はベンチプレスを再開すること。

「腰痛の治療」と言っても、患者さんの目標設定はさまざまです。施術する際には、目標を共有することが大事だと考えています。

ベンチプレスでのトレーニングの他に、ボクシングなどで体を鍛えてきた男性の患者さん。3年前のある時、突然の腰痛。いわゆる、ぎっくり腰です。

そのぎっくり腰をしてから腰痛が完全に抜けきらず、マッサージなどの治療を受けて来たそうです。鍼も受けて改善したそうですが、患者さんの言葉を借りると「ある程度は良くなったが、それ以上の変化なし」とのこと。

「日常動作も仕事もできるが、思い切り動かすと痛くて不安」という状態が3年も続くと、あきらめモードに入りやすいと思います。

鍼灸師の立場からしても、他の鍼灸院で改善しなかった症状ですから難しい仕事になります。難しいけれど、やりがいを感じます。鍼灸師にも得意分野があります。私の技術がこの症状に適していれば、解決する可能性があります。

嬉しいことが起こりました!

初回の施術からはっきりとした改善がみられ、腰痛も大幅に軽減しました。しかし、患者さんが求めているレベルは、あくまでもベンチプレス!

この段階になると、私の目の前にいるのは、「患者さん」ではなく「アスリート」です。普段は眠っている私の体育会系魂が目覚めるのです(最近、目覚めている日が多い)。

アスリートには、こう訊ねます。

「何をしてもよいので、わざと痛みが出るようなことをしてください。」

アスリートは、体をクネクネさせてその体勢や動作を探します。
出てきたのがコレです(患者さんの許可を得て公開)。

坐位で骨盤を前転

何をしているのかよくわからないと思います。

よく見てください。骨盤を前転させています。シャツに隠れて見えませんが、腰椎はより前にカーブしています。この体勢にすると、腰に痛みが出るそうです(腰椎5番付近の痛み=左右差不明)。

こうするとわかりやすいですね。
この姿勢でも同様の痛みが出るとのことでした。

腹臥位で骨盤を前転

さて、問題はどこに?

私が目をつけたのは胸椎の4番でした。胸椎の4番が腰の動きを邪魔しているように見えたので、胸椎4番の棘突起の左側(夾脊4番)に鍼をして緩めました。すると、痛みが劇的になくなったのです。

他にも、改善の方法はあると思いますが、一つの方法として胸椎4番は間違いではありません。実際に改善したからです。腰だけを診て治そうとするのは、大事な選択肢を捨てることです。

もう一つ強調したいのは、鍼一本でも症状は変わります。

きめ細かい鍼というのは、「きめ細かくたくさんの鍼をする」だけではありません。きめの細かい観察によって問題点を絞り込み、少ない鍼で仕掛けることも、きめ細かい鍼だと思います。

前回の症例に引き続き、症例自慢のようですが、こういうことができるのは私だけではありません。鍼一本が持つ力を知って頂きたくて報告することにしました。前回も今回も、背骨に近いツボを使いました。背骨と全体の動きの関わりに注目するのが最近の研究テーマです。

次は、どんなアスリートに出会えるだろうか…。
こんどは女性アスリートの腰痛!

関連情報:腰痛の症例(鍼灸養気院)

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