体育会系の患者さんもやってきます。
昨日やってきた患者さんは消防士の男性(埼玉県在住)。
女性患者さんが多い鍼灸院ですが、体育会の男性も大歓迎です!
意外に思われるかもしれませんが、私にも体育会系の時代がありました。時々、体育会系の血が騒ぎます。鍼灸師として、肉体派の職業を応援できることは大きな喜びです。
今回の患者さん、トレーニングの最中に腰を痛め、日常生活でも痛み(激痛ではない様子)が出るほどに腰の状態が悪化してしまったようです。痛くてもトレーニングは続けているとのこと。さすがのプロ意識!と思ったら、数日後に、消防士の競技(ロープ渡りなどやるらしい)があるとのこと。
肉体を本来の状態に“今すぐ”戻したいご様子。体育会系の患者さんは、回復をゆっくり待てない人ばかりなのです。そうは言っても、やってみなければわかりません。
つい最近まで、患者さんのビフォーアフターをデジカメで撮影していましたが、iPhoneで撮る方がその後の閲覧がラクだとわかり、近頃はデジカメの出番があまりありません。
前屈時の痛みが主な症状です。
生活上では、朝目覚めて起き上がる時、ズボンや靴下を履く時に痛みを感じ、動き始めてからの方が痛くないとのこと。それを踏まえて、立位と腰掛けの2パターンの状態を撮影しておきました。

ご覧の通り、前屈しても指先が床に届きません。ベッドに腰掛けて前屈しても痛みで動きが止まってしまいます。やらせではなく実際の様子です。患者さんに変化を客観的にお見せするために、このような撮影をよくしています。この写真は患者さんの許可を得て公開しています。
痛みがあるのは、右の腰(腰の骨の下から2番目付近の右側=大腸兪付近)です。触診で、右の太ももの裏側(ハムストリングの内側)が硬くなっているのがわかりました。
鍼を太ももの裏側に一本しました。
患者さんにとって、これが初めての鍼。患者さんにとっての「鍼」がこの瞬間に決まってしまいます。だからいつも責任を感じます。
鍼を抜いてすぐに、もう一度前屈のチェックを行いました。
写真をご覧下さい。違いがわかると思います。
上手に「鍼が効いた」を残せたと思います。
痛みは軽減したものの、患者さんの目の前に迫っているのは競技です。
ロープを誰よりも速く渡らなければなりません。となると、まだまだ、これでは不安です。
患者さんが求めているのは、動けてパワーも出る体!
だと思い、もっと良くなる方法を考えました。
患者さんの言葉には治療のヒントが隠されています。
1.朝起きる時の動作が痛い
2.靴下やズボンを履く時に痛い
朝起きた時の症状が重いパターンで多いのは、背中の問題です。寝ている時、下肢には負荷がかかっていません。ですから、下肢より接地している背中の方が重要だったりするのです。しかも、靴下やズボンを履く時の姿勢は、前屈しながら腕を伸ばすものです。腕と肩甲骨の位置がポイントです。
前にもこのブログで腰痛の症例(あまり知られていない腰痛の原因)を書きましたが、その例でも靴下を履く動作で痛みが出ていました。ただ、違うところがあります。それは、動き出したら痛みが軽減するかそうでないか。そして、痛みの位置です。痛みの位置やその性質で戦術は変わります。
動作を見て、どこに動作制限があるのかを見抜くスキルは活法で身につけました。碓井流活法には優れた腰痛治療術がありますが、鍼灸師の目で問題が点で見えたらあえて鍼一本で仕掛けます。個人的な技術論ですが、問題を点、線、面で考えることが多く、どれを重視するかで手法を変えています。
取った手法は胸椎の調整です。6番と9番に仕掛けると、それぞれ前屈の可動域が広がるのがわかりました。最終的な状態は、写真の右です。痛みがほとんどなくなった後、活法で筋肉の動きを調和させて終了。
競技での活躍を祈ってます!
続きを書きました:「これまた体育会系の腰痛!」


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