鍼灸師も笑顔になる鍼(2/3)

「鍼灸師も笑顔になる鍼(1/3)」のつづき

■動きを操るデザイン

「運動器疾患が苦手」という鍼灸師もいます。古武術整体に出会う前の私がそうでした。なぜ苦手になるのかは、デザイン発想で考えれば、すぐに答えが出ます。もうお分かりかと思いますが、運動器疾患のためにデザインされたものでない経絡を拠り所にしているからです。

実際、多くの鍼灸師が経絡は運動器疾患に向いていないと何となく気がついているはずです。私が指摘するまでもない話です。にも関わらず、大きな声では言えません。わざわざ不得意分野を宣伝することになってしまいますから。

ただ実際をみると、運動器疾患に悩む患者さんも鍼灸院を利用しています。各地で素晴らしい結果が出ています。なぜか。それは鍼灸院が個別に努力と工夫をしているからです。運動器疾患が得意な鍼灸院もちゃんとあります。

経絡と古武術の2通りからのアプローチ

内臓の問題と運動器疾患で、使う理論やテクニックが違うことが多いかも知れません。たとえば、フォークとスプーンを料理によって使い分けるように。最終的に、個々の鍼灸院なり鍼灸師が克服しているわけですから問題ないと言うこともできます。しかし、器用に使い分けられる鍼灸師ばかりではありません(このような使い分けは国家免許を取るための勉強には含まれておりません)。

また、余所で生まれた理論やテクニックを鍼灸に転用していることも多く、相性に疑問が残るのです。ベストマッチとは言い切れません。「鍼灸のためにデザインされた技術のみが真のポテンシャルを引き出すはずだ」と考えずにはいられないのです。

■運動器疾患の本質

運動器疾患とは、関節や筋肉の痛みです。ただし、主役は「痛み」ではありません。主役は「動き」なのです。活法(古武術整体)からみれば、「動きの異常」が問題の本質です。しかし、この問題に経絡(けいらく)は対応できません。経絡は万能ではありません。循環系の改善によって痛みを緩解できるとしても、動きそのものをダイレクトに調整することができません。

活法のセミナー風景(活法研究会)

動きの異常は痛みをもたらします。動きに狂いが出ると、関節や筋肉に余分な負荷をかけるからです。関節や筋肉にダメージがあっても動きが狂ってしまいます。関節や筋肉は癒えても、動きに問題が残ってしまうことがあります。これが慢性的な症状の原因です。ですから、しつこい肩こりや慢性腰痛などは、動きの問題を解決すると良くなります。むち打ち症の後遺症なども例外ではありません。

慢性的なものは、凝っている部分や痛い部分に鍼灸をするだけでは、思うような成果が表れません。動きの問題が解決していないからです。仮に、経絡を利用して鎮痛に成功したとしても、動きの問題を残してしまえば再発します。局所であれ遠隔であれ、従来の鍼灸には「動きの癖」に着目したものがありません。上手に対応する鍼灸師もいますが、経験の範囲で対応しているのだと思います。

■動きは張力で調整する

鍼灸で動きを調整するには、あることに注目しなければなりません。それは張力です。動きの狂いは、張力の狂いだと私は考えています。詳しくは、『温故知新』の5月号(最新号)に「張力を制する者は動きを制す」というテーマで書かせて頂きました。ですので、ここでは最低限の話を書くことにします。

「張力を制する者は動きを制す」(温故知新Vol.12)

ポイントは、「引っ張り合う力を調整しよう」という発想でツボを使うところにあります。その具体的な手法をまとめたのが古武術鍼法です。私が活法研究会を通じて提唱しているものです。活法(古武術整体)からヒントを得たので(リスペクトする意味で)古武術鍼法と名付けました。名前でちょっと怪しくなっている風もあるのですが、やっていることはシンプルで力学的です。

張力を再現する

人体には、膨らもうとする力と縮もうとする力の2種類が働いています。人体は、縮もうとする力を利用して動いています。筋肉が収縮するパワーを利用して動いているわけです。秩序ある動きができるのは部分的に収縮できるからです。この時、引っ張るところと引っ張られるところの2点が存在しています。

動きの調整をしようとする時、この2点をペアで考える必要があるのです。ですから、古武術鍼法は常に2点をセットで考えることを基本としています。点(ツボ)と点(ツボ)の張力を調整するという発想です。シンプルです。

つづく…

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古武術鍼法<四肢編>セミナー受講者の感想(2/3)

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古武術鍼法のすごい部分は2点あると思います。一つは技術的革新性。もう一つはデザインの革新性です。活法からヒントを得た、連動性に着目した新たな技術は、信じられないほどの効果をもたらしています。また、即効性と再現性にフォーカスをあてて、鍼を再デザインした結果、旧来の、古典や技術が主役の治療法ではなく、術者と患者が主役になれる、素ばらしいものになっていると思います。

古武術鍼法_四肢編_感想_谷地

とても内容の濃い2日間のセミナーでした。
今まで、理屈よりも経験から取穴していた部分が、今回のセミナーで理解することができました。(経験でやっていたときは、再現できないことも多々ありました)
感覚の世界だと思っていた鍼灸に再現性の高い技術は魅力です。

古武術鍼法_四肢編_感想_鈴木

受験生の方に手指をひらこうとすると3?5指がふるえる方がいらっしゃいました。先生のデモ治療により、ふるえがスパッと止まったのには感動致しました。

古武術鍼法_四肢編_感想_赤羽

鍼を刺してすぐ体が変化する。変化しすぎるとポカーンと最初わけわからん状態になる。すごすぎです。教えていただいてすぐ実践できる古武術鍼法最高です。

古武術鍼法_四肢編_感想_細谷

自覚のなかった動きの制限が、鍼一本で変化する経験が出来たことがすごく良かったです。
同時に自分が打った鍼によって、相手の愁訴が良くなる経験もでき、それにも感動しました!学んだことを臨床に生かせるようにするのはもちろん、自分なりに新たな展開も目指して、臨床にのぞもうと思います。

古武術鍼法_四肢編_感想_斎藤淳

神経痛の治療には時間、日数がかかるのがあたりまえと思っていたが、短時間、数本の鍼で変化が出たのに感動しました。

古武術鍼法_四肢編_感想_益田

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