ツボの作用は一つではありません。
同じツボで、いろいろな症状を改善させることができます。
逆に、同じ症状でも違うツボを使うことがあります。
ツボには性格があり、表情がその時によって違います。
同じ症状に見えても、よく観察すると違っています。
ツボと症状は一対一の関係ではありません。ですから、「肩こりのツボはどこですか?」「腰痛のツボはどこですか?」という質問に性格に答えるのは難しいことです。答えられなくはありませんが、効果をお約束できないテキトーな答えになってしまいます。
お問い合わせで「坐骨神経痛なのですが、どのツボを使いますか?」と訊かれると返答に迷います。テキトーでよいのなら答えられますが…マジメ(?)な私は「お体を診てからでないとツボが決められません」と返答しています。
お恥ずかしいことに、来院前に使うツボを知っておこうとする患者さんの心理が未だに理解できておりません。
どんな時にどのツボを使うかは現場でなければ判断できません。ヒントはすべて患者さんが与えてくれます。ヒントを引き出すために問診したり観察したりするのです。
■股関節可動域を広げるツボ
私たち鍼灸師も普通の人間なので、調子が悪い時があります。そんな時は仲間と助け合うのです。先日、活法研究会の代表(橋本)を助ける機会が訪れました。会議で群馬までやってきた時のことです。

身内ではありますが、ここでは「橋本さん」と呼ばせて頂きます。橋本さんは、股関節の近くに痛みがありました。クルマを運転した後は特につらくなるようです。横浜から群馬まで2時間以上ですから、まさに辛いタイミングでした。
股関節の症例で思い出すのはあぐらをかけない症例(2013年2月10日)。

これも股関節の可動域の問題ですが、橋本さんの症状とは決定的な違いがあります。橋本さんは、あぐらをかけます。
橋本さんにとって問題なのは仰向け時です。曲げた膝を外に倒そうとすると痛くて止まります。この場合、あぐらの症例とは使うツボが異なります。あぐらの症例では、腰椎の2番がポイントになりましたが、橋本さんの症例では膝関節がポイントです。
膝の外側に「陽関(ようかん)」というツボがあります。
痛い方と同じ側のツボを使ってみたところ、症状が消えました。その時の映像です。カメラを回しながら施術できなかったので肝心の施術シーンはありません。ごめんなさい。
身内なのでリアクションが疑われても仕方ありませんが、素のリアクションです。我々プロも意外な方法で改善すると驚いてしまいます(笑)身内を驚かせるのも気持ちがよいです!
この「陽関」というツボ。実は、ちょっと前にも登場しています。「吐き気と肩こり」の症例(2013年1月29日)です。全く同じツボですが、こんなふうに違った使い方ができるのです。

「ツボと症状は一対一の関係でない」ことがお分かり頂けたのではないかと思います。
同じような症状なのに違うツボ、違う症状なのに同じツボ。これだけを抜き出せばデタラメな医術に聞こえるかもしれませんが、ちゃんと理論的な裏付けがあります。人体には、鍼灸師でなければ知りようがない裏メカニズムがあるのです。
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