このツボ! あぐらをかけない時は腰椎2番

今回は、股関節をツボで調整する話です。

患者さんは30代の女性

幼少期からずっと「あぐらをかけない」そうです。別件の治療でしたが、本命の調子がだいぶ良くなってきたので、あぐらを主役にして施術を行うことになりました。

2年ほど前に整形外科で診てもらったことがあるそうで、二人の医師から「臼蓋形成不全」と診断され、それぞれから「あぐらをかけないは仕方ない」と言われたそうです。2件のうち1件では、人工股関節をすすめられたそうです。

「臼蓋形成不全」とは、一言で言えば、股関節の凹側と凸側の噛み合わせが骨レベルで合わない状態のことです。整形外科の診断は間違っていないはずです。2件で同じ診断なのですから、ここは疑う余地がありません。

私が疑ったのは「あぐらをかけないのは仕方ない」という部分です。股関節の可動域は、股関節の骨の形だけで制限されているわけではありません。有利か不利かでいえば、不利かも知れませんが、調整次第ではあぐらをかけるようになるかもしれない、と直感しました。

股関節の動きは、腰椎の動きと関係があります。私の分析と経験から判断すると、あぐらをかく動きには腰椎の2番が重要です。あぐらをかくというのは、股関節を曲げた状態で外に向けて捻る動きです。

この女性の股関節は、右側の股関節は内向き、左の股関節は外向き、という特徴があります。このように左右の股関節(足の向き)は、同じ方を向きたがる性質をもっています。こういった体の法則は、活法(古武術整体)では常識的に応用されています。

腰椎の2番の棘突起のすぐ右側(夾脊-腰椎2番)に鍼をしました。すぐに、改めてあぐらにトライして頂きました。この時点では、変化が起こるのか起こらないのか、患者さんにも私にもわかりません。

変化が起れば、臼蓋形成不全とは別に、動きにくい原因があったことになります。ちょっとだけ自信があったので、患者さんにビフォーアフターを撮影する許可を頂いておきました。

患者さんは変化を感じました。
写真にも違いがハッキリと写りました。

患者さんの許可を得ていますので公開します。

ツボであぐらをかけるようになるビフォーアフター

2本目の鍼は、左の股関節を胸椎12番で調整しました。左の股関節を内向きに捻れるようにするのが目的です。左が内向きになれば、身体の性質で右は外向きになります。

2本の鍼を(股関節と別の所に)するだけで、股関節の可動域がこれほど、変わってしまうことは驚きです。予想をしながら施術をしていても、こういう変化には私も感動します。1回の施術ではこれが限界でしたが、2回、3回…と続けることで、さらに可動域が広がる余地があります。次回が楽しみです。

夾脊から股関節

前回の記事には、ふくらはぎの症状を書きました。ふくらはぎにある築賓(ちくひん)というツボで腰椎の2番を調整できるという話でしたが、腰椎2番では何が調整できるのか、ということについては「?」と書いておきました。実は、こういうことでした。

前回の記事と合わせて読んで頂けると、身体の連動を理解しやすいかもしれません。鍼灸師であるからこそ知り得る事実。患者さんの役に立てることが嬉しいのはもちろん、こうしたツボの力に触れることができるのは楽しいことです。本当によい職業です。

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コメント

  1. なちゅら より:

    ご無沙汰しております。
    実は私も先天性股関節脱臼にて、
    左側がこの患者さんに近い状況があります。
    2歳くらいまで装具をつけていたので、
    臼蓋形成不全は免れているので、この患者さんほどではないですが…
    お近ければ、いくらでも実験台になりたいのになと思った次第でした。

  2. クリ助 より:

    >なちゅらさん
    Facebookではお世話になっております。ブログにもコメントありがとうございます!
    同類の症例(改善例)がいくつもありますので、なちゅらさんにも効果を実感していただける可能性が高いです。
    ん~、さすがにちょっと遠いですね。

  3. sano より:

    いつも興味深い記事をありがとうございます。
    クリ助さんのブログ記事の影響で、私の臨床が、最近かなり大きな変化を起こしています(笑
    1本目は、腸腰筋を緩めての可動域を広げるという考えで何とかたどり着けそうですが、2本目の発想が非常に面白いですね、また勉強させていただきました。今度試しみたいと思います。
    これからも面白い記事どんどんお願いします。

  4. クリ助 より:

    >sanoさん
    いつも応援ありがとうございます!
    大きな変化しているんですかっ。プレッシャーかかります(笑)
    「面白い」とおっしゃって頂けるととても安心します。私としては「すごく面白い」わけですが、一般ウケはあきらめていますから。面白い記事になるように、これからも続けますね。ネタは書ききれないほどありますよ。

  5. ルミナ より:

    はじめまして。
    最近、鍼治療に通いツボの魅力に囚われてます。
    バレエをしているので、股関節が同じ方向に向きたがるなど、すごく納得でき、またふくらはぎと臀部のツボが連携している記事では実際に押して楽になりました。
    ありがとうございました。

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