1.見えない世界
2.「気」の実用化がテーマ
3.見える世界
4.気の引力
5.現代医学的?(1~2)
6.現代医学的?(3~4)
7.現代医学的?(5~6)
8.現代医学的?(7~8)
の続き。
9.理解される東洋医学へ
言葉ではわかってもらいにくい東洋医学。そして鍼灸。
現代医学的鍼灸を推奨する鍼灸師は「わかってもらいたい」という気持ちが強いのかもしれません。現代医学の言葉で説明できると、耳を傾けてもらえるケースが実際多いですから。
個人的に思うことがあります。
「説明」にこだわるあまり技術が萎縮することがあってはならない、と。
現代医学的鍼灸と言われているものを、勝手に3つに分けると、
1.解剖学(局所)的知識に基づく施術
2.作用機序を現代医学用語で説明する
3.事前に理学検査(整形外科的テスト)をする
となります。
どれも患者さんとの共通認識がラクです。
多くの場合、共通認識できた方が患者さんは安心です。安心は症状の改善にプラスです。
しかし、もともと共通認識できる部分はごく限られた部分なので、共通認識の中だけでやろうとすると鍼灸師の感性が十分に活かせません。『難経』で「形のないものを診よ」と指南していることを考えても、感性を発揮しにくい鍼灸の価値はありません。
10.科学で証明される価値
このような記事を書くと、クリ助は「現代医学的鍼灸に否定的なヤツだ」と思う方がいらっしゃると思います。確かに「東洋医学を“否定して”現代医学に迎合してしまうこと」はよく思っていません。
現代医学の視点をもつこと、そして現代医学で作用機序を説明できるようになるのはよいことです。鍼灸の秘密はもっと暴かれるべきです。そうすれば、患者さんへの説明の幅も広がります。
ただ、私のような一開業鍼灸師には研究費も時間も用意できません。できるのは、患者さんの前で結果を出すことだけです。「鍼灸はよく効くね」という感想を一つでも増やし、研究者の耳に届くことを願うばかりです。
鍼灸は結果が出るから残ってきたものです。科学で証明することに焦る必要はないでしょう。鍼灸は国家の資産です。そう言い切ります。これからじっくり証明されることでしょう。
11.マニュアル化への道
8の「マニュアル化できないもの」の中で、このように書きました。
作法=見える → マニュアル化できる
技術=見えない → マニュアル化できない
見えない技術が多い鍼灸はマニュアル化が難しいと書きました。これについて一つ書き残していたことがあります。それは、マニュアル化する努力が本当に最大限されているかどうか…という問題。
鍼灸師の誰もが名人である必要なんてありません。
作法の範囲で用いても鍼灸は効果的です。
鍼灸師の感覚に頼らない、鍼灸師の経験に依存しない、鍼灸も可能です。
作法20%+技術80%=総合力100%
なら、
作法80%+技術20%=総合力100%
の方がよいと思うのです。
作法を拡大する余地が十分にあるように思います。勉強会で施術の感覚を訪ねると、「それは経験でつかみ取っていくしかない」と返ってくることもあります。確かに正しいと思います。でも、重ねて思うのです、感覚は人それぞれ違うというけれど、本当にそうなのか…と。
お風呂の快適温度はだいたい40℃くらいですよね。60℃がちょうどいい、という人はいません。時間を惜しまず説明すれば、伝えられる感覚もあるはずです。感覚の世界であっても、マニュアル化もそこそこ可能なはずです。
“手間”の問題とは別に、“秘密”の問題もはらんでいます。
「秘密にしておきたいから作法化(マニュアル化)しない」というパターンはよくあるでしょう。簡単に真似されたら困るので、あって当然です。一応、鍼灸師同士もライバルなので(笑)ただ、他の療術がテクニックをオープンにして技術革新を狙っているこの時代、鍼灸師だけ閉鎖的になったらどうなるのでしょう…。
私は、昨年から自分の技術を整理する作業を行っています。まだ薄っぺらいものですが、10年も経てば、厚みも出てくるはずです。それを読めば、クリ助のやり方はその場ですぐに真似できちゃうはずです。「こんなレベルかよ~」とバカにされないためにレベルアップも課題です。
12.マニュアル化のヒントは活法から
内情を書けば、鍼灸にマニュアル化の余地が残っていると気づかせてくれたの活法です。
活法にマニュアルがあったから鍼灸でも…、ではなく、活法にマニュアルがなかったからです。
長い間、一子相伝で伝えれてきた療術だけに教科書がないのです。
結果的に一部の人にしか伝わりませんでした。継承が繰り返されなければ、国宝級(クリ助的には)とも言える療術が途絶えてしまいます。
今、活法の教科書を作ろうという動きが出ています。
この動きに大賛成なのです。
この仕事をしていると、日本のすごさに気づかされます。普段は野球を全く観ないクリ助がWBCで日本を思いっきり応援していました。愛国心を普段意識することはなくても、やっぱり日本はすごいぞ、って世界に言いたいという気持ちを持っているようです。
話が世界に広がる前に終わっておきます。
(現代医学的?完)


コメント
時間のある時に先生のブログを最初から拝読しており、本日はこのブログでした!来年?に本を出されるとのことで上記の内容が少しでも垣間見れるのか?!と期待は膨らむ一方です!
分かりやすい言葉使いながら多角的に常に研究されてらして、施術内容はもとより、設備や空調、爪切り道具に至るまで参考にさせていただいております。
可能な限りの「マニュアル化」は垂涎の的です。。。