1.見えない世界
2.「気」の実用化がテーマ
の続き。
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患者さんの「好き」と「嫌い」の中で仕事をする鍼灸師。
見えない世界の中で施術をしています。
見えない世界を「気の世界」とするなら、鍼灸師はその中間に位置するところで仕事をしていると言えます。その見えない世界ばかりを追いかけるとアヤシイ世界に迷い込んでしまいます。
見えない世界は東洋医学独特(西洋医学に対して)であるものの、そちらに傾きすぎると理解できる人が少なくなります。クリ助は、東洋医学をベースにした鍼灸を行っていますが、見えない世界に浸らないようにしています。
歴史ある東洋医学を、私が定義できるものではありません。でも、東洋医学で飯を食う以上、自らの立場を明らかにすることが大切であると考えています。正解とか不正解とか関係ありません。幅広いポジションを許してくれるのも、歴史ある東洋医学だからこそです。
鍼灸師は、「第六感」をどう使おうが自由です。
クリ助的には五感に根ざした施術をしたいと考えています。「見えない世界に浸らない」というのは、五感を大事にするという意味です。
よい施術には第六感(直感)が使われているはずです。でも、それに頼ってしまうと、当てずっぽうな施術と隣り合わせです(そもそも、直感だけで施術することが医療と言えるかどうか…)。どんな患者さんに対しても一定以上の効果を出すには、第六感に頼らない施術が必要だと考えています。
ここで前回のテーマを思い出します。
「見えない世界の影響を受けない技術」とは何か…。
そのためには、見えない世界に影響を受けないもの、を知ることから始まると思います。ある種の法則です。生命力という不思議な力に支えられて営まれている肉体ですが、物理法則に逆らうことはできません。
熱いものは昇る、冷えたところは硬くなる、といった自然法則から逃れることはできません。温かさも硬さも五感でわかります。熱いところは赤みを帯び、手をかざせば熱気を感じます。冷えも同様に目や手で確認できます。
鍼灸の世界では、
「気を感じなさい」
という指導を受ける場合もあります。
でも、第六感以上の何かで感じる前に、熱感、冷感のように機械でもわかる違いを手でわかることの方がずっと大事だと思うときがあります。
こうも考えられます。第六感は努力しなくても自然に発揮されてしまいます。むしろ、第六感が働かないように抑えることの方が重要だと。第六感が思い込みに左右されるものなら、術者の都合に合わせた感覚が出来上がってしまいます。そうなれば、素直に患者さんの状態を把握できなくなります。人間の感覚は自分勝手なものです。
私は自分にこう言い聞かせています。
「気を感じないように」と。
「気を感じないように」というのは、自分の先入観が情報を歪めないための心得です。気の否定ではありません。否定しても、何かを感じてしまうのが人間ではないでしょうか。
さらに、もう一つ別の理由があります。
患者さんの観念に揺さぶられないためです。
前回のブログに書きましたように、患者さんは目の前の鍼灸師に対してどのような感情を抱いているかわかりません。「胡散臭いな~」なんて思われていることがあると思います。勘の働く鍼灸師ほど、その影響を強く受けます。
ナンパ師は、女の子に声をかけるとき「断られたらどうしよう…(ウジウジ)」なんていちいち考えていないと聞いたことがあります。断られることに無感情でいなければ、すぐに精神が病んでしまうでしょうね。
患者さんの気を感じないようにして、見えない世界をあえて無視する、と五感にノイズが入りません。正解かどうかわかりません。ただ、私が臨床をする中で得た感覚です。
他にも「見えない世界に影響を受けない技術」について考えていることがありますので、後日続きを書きます。
≫4.気の引力


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