古武術鍼法の解説と勉強会(2/3)

この記事は、専門家(鍼灸師)向けの情報です。(1/3の続き)
年末から古武術鍼法の新しいカテゴリが加わりますので、その告知と解説です。

■古武術鍼法のメッセージ性

「古武術鍼法」という名前は、それほど重要ではないかもしれません。「古武術」そのものをお伝えするわけではないからです。こう呼んでいるのは「古武術の裏技である活法からヒントを得た」というルーツを大事にしたいからです。

次のように定義しています。

 活法による整体:古武術整体
 活法による鍼 :古武術鍼法

古武術鍼法を通じてお伝えしたいのは、経絡とは違う見方です。見方を変えることで得られることがたくさんあります。

思い切って言えば、私の鍼灸は経絡を基本としていません。経絡は応用編という認識です。難しい経絡を「基本」であるかのように扱うから初学者が混乱してしまうのです。鍼灸はもっと簡単に考えた方がわかりやすいと思います。

古武術鍼法セミナー

経絡が真理をついているかといえば、それも違うと考えています。一つの学派から生まれた、穴(ツボ)の配列デザインであると当時に、病体を観察する際のフィルターであると認識しています。

WindowsがパソコンのOSで独占する勢いでシェアを拡大したように、経絡もシェアの獲得に成功したと思っています。Windowsの方が優れていると言ったら、リンゴ派が異を唱えるのと同じで、経絡に異を唱える者がいてもよいと思います。ただ、Windowsが成り立っているように経絡も成り立っているので、攻撃的な態度は建設的ではありません。

この辺りに興味のある方は、連載中の『温故知新』のVol.10(P.18)をご覧ください。

というわけで、古武術鍼法はMacを目指している状態です。革新的な技術を投入し、(信者ではなく)支持者が増えるように勉強会を通じて魅力を伝えています。

■脊柱編、四肢編、腹背編の特徴

脊柱編では、脊柱一つ一つの動きを四肢のツボで調整する方法を紹介しました。脊椎動物の基本である脊柱の働きを整えて中心軸の動きを整えるというテーマです。

脊柱編は、テコを利用する方法です。ドアのはドアノブを持つから蝶番(ちょうつがい)がよく動きます。蝶番に触れてドアの開閉をしようと思ったら大変です。ドアノブが四肢で、蝶番が脊柱だとイメージしてみてください。脊柱編の調整は、ドアノブに働きかけながら、蝶番に油を注ぐイメージです。

ドア

四肢編は、四肢の動きを脊柱のツボで調整する方法を紹介しました。四肢の動きが、いかに体幹の状態に左右されてしまうか身をもって理解できる内容です。

四肢編は、ピアノの調律に似ています。チューニングハンマーを使って弦の張力を整えるイメージです。それぞれの脊椎と四肢との間には引っ張り合う張力があります。この張力が狂うとピアノの音が狂うように動きが狂ってしまいます。四肢編の調整は、イメージ通りの音が出るように弦の張力を整えるイメージです。

グランドピアノ

腹背編は、筋肉と内臓の関係に迫っていきます。古武術鍼法が得意としている筋肉調整と古典的な経絡の関係を理解して頂ける内容です。

腹背編は圧力を調整して適度な弾性を保つイメージです。圧力は生命力と言い換えてもよいです。内臓機能に働きかけて環境に適応する力を養います。腹背編の調整は、クルマの空気圧を調整して衝撃から身を守り、カーブでも滑らないグリップ力を得るイメージです。

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■自信を持って使える技術がほしい

おかげさまで、古武術鍼法の勉強会はいつも満席です。そうなるように精一杯の工夫をしているのですが、その一つが「変化を共有する」ことです。

施術後の変化を確認することは、臨床においても技術習得においても重要です。変化があっても、その変化を拾うことができなければ、正しく習得できているのか判断ができません。自分のいる位置がわからず、いつまでも自信が持てません。

練習で「何となく変わったような・・・(?)」という程度では、臨床で自信をもって使うことはできません。

古武術鍼法セミナー

鍼をすればどんな体も変化します。鋭利なものが体に接触しているのですから、変化が起こらないはずがありません。学生がやっても私がやっても体は変化します。ただし、臨床力では差があります。なぜなら「変化を拾うスキル」が違うからです。

確実に変化を拾うためには、2つのことが必要です。一つは、正確にツボを選ぶこと。二つ目は、変化の起こる場所に先回りしておくことです。ボールをキャッチするために、そこで準備をしておかなければなりません。この基本を手抜きせずに行っています。

それができたら、変化を患者さんと共有します。

古武術由来の鍼法でけあって「視覚的”に共有する」ことに長けています。とはいえ、症状によっては視覚で捉えにくいものもあります。脊柱編、四肢編では、関節可動域を比較して施術前後の違いを共有しやすかったのですが、腹背編ではそうした判断が難しいものが多くあります。

たとえば、便秘や下痢で苦しむ過敏性腸症候群。ビフォーアフターがすぐに確認できませんから、施術後に「これでOK」という自信を持つためには、根拠をどこかで拾ってくる必要があります。その方法は用意しています。

■日程と申込

腹背編の一般枠(初参加)の募集を開始しました。この腹背編から参加してもわかる内容です。脊柱編、四肢編とは独立しています。2日連続の合宿風です。全国から東京に鍼灸師が集まります。

A、B、Cは同じ内容で、定員はそれぞれ5名です(先着順)。
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2015年
 A日程 東京会場 11月29日(日)~30日(月)
 B日程 東京会場 12月6日(日)~7日(月)
2016年
 C日程 東京会場 1月10日(日)~11日(月)
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(つづく…)

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