このツボ! あぐらをかくと内股が痛む時は中都

■似て非なる症状

たまには、家族も治療しています。
今日は妹の症例を発表することにします。

あぐらをかくと内股に痛みが出る」という症状。思い出すのは2年前の記事。

内股の痛み2013年02月10日に「このツボ! あぐらをかけない時は腰椎2番」という記事を書いています。この時は、「あぐらができない」という症状。今回の症例はあぐらはできるのですが、深く倒すと内股に痛みが出るというものです。

妹から症状を聞いて「あぐらがかけない」という状況だと思いました。腰椎2番という得意技がありますから、そのつもりで治療しました。しかし、イメージ通りにはなりませんでした。「う~ん」と首をかしげることになりました。妹の表情も微妙です。とりあえず、1回目はそれで様子を見てもらうことにしました。1日経っても、好転する様子が見られませんでした。

■大事な2回目

2回目の施術で治療方針を転換。効果がハッキリしない時は見方を変えることも必要です。本当は最初からピタリとツボを選び、1回の施術で完全に良くなるのが理想です。「鍼灸は1回だけ!」と決めている来院する患者さんが多いため、1回で変化がなければ次はないという状況は珍しくありません。

家族は2回目が約束されている関係ですから、ツボの効果をしっかり検証することができます。効果がなければ、そのことを踏まえて次の手を考えることができます。患者さんに理解してほしいと言うとわがまますが、効果がなかったという情報は臨床上極めて重要です。

こう言うと、「効きそうなツボを全部やればいいではないか」という意見が来るでしょう。しかし、ツボ一つ一つは、主訴(つらいと訴えるところ)に作用していなくても、身体のどこかには作用しています。効果がない鍼は身体に負担をかけるだけです。「必要なツボに最小限の刺激で……」というのが私の治療方針です。

■人気のないツボ

第二弾として選んだツボは「中都(ちゅうと)」でした。鍼灸師で「このツボをよく使っています」という人をあまり聞きません。あまり人気がありません。こうした人気のないツボにスポットを当てるのが大好きです。この症例を選んだのも、ツボがマイノリティだからです。

この中都というツボは、スネの骨のど真ん中にあるツボです。骨の上にあるというツボで、鍼をするポイントとしては微妙です。垂直に刺そうとしても骨にぶつかりますから、水平に刺します。骨と皮膚に鍼が挟まれるような状態にします。

こうして中都を使ってみたところ、内股の痛みが大幅に軽減しました。腰椎の2番ではびくともしなかった痛みがその場でスッと軽くなったのです。見た目の可動域に変化はありませんが、妹はよい表情をしています。

■腰椎2番と中都の違い

あぐらに関係する2つのツボはいったい何が違うのでしょうか。腰椎2番は既に書いているとおり、股関節の外旋を改善させるツボです。これに対して、中都は太ももの内側のつっぱりを取る効果があります。「股関節が痛い」と患者さんが訴えても、太ももの内側も同時並行で疑わなければならないのです。残念ながら、私は最初から疑うことができませんでした。

この中都は、股関節に近い鼡径部付近だけなく、膝の内側の症状にも使えます。むしろ、こっちの方で使うことが多かったです。鼡径部近辺は希な例です。あぐらがかけない症状とよく似ているので、鑑別に迷うことがあるかもしれません。再び迷うことがないように備忘録的にブログの記事にしました。

実は、中都も脊柱の動きと深く関わっているツボです。内股の筋肉を上手に使うためには、脊柱の動きがしなやかでなければなりません。中都に変調が出現している時は、中腰で物を拾うような動きが苦手になっています。「チュウト半端な腰では拾えない」と覚えてください(笑)

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コメント

  1. はじめまして。
    まったくの初心者から、自宅お灸を始めて2年目に入った者です。
    中都にお灸を始めてして二日目の昨日、左足の付け根が歩いてて急に痛みだし、とても不安になりました。
    感覚的には、股関節が緩んだとは思っていたのですが、今朝も痛くてまたまた不安になり、検索して、こちらにたどり着きました。
    最近、意識して足の骨格改造をしているため(足先や重心を変えて歩いているだけですが)、それも関係あるのだと思います。
    あと、月経も関係あるかもしれません。
    拝読し、安心いたしました。
    怖いので、中都へのお灸はちょっと控えて、様子を見ようと思っています。
    有用な情報を本当にありがとうございます。

  2. メッシ より:

    突然の質問失礼いたします。中腰で物を拾うような動作で痛いギックリ腰の痛みでも中都は使えますでしょうか?

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