明かりのない部屋 第1話

薄暗い部屋でこたつから出ようとしない患者さん。
私が声をかけても返事はありません。
沈黙を嫌って何かを仕掛けようとしましたが、無力感がおそってくるまで時間はかかりませんでした。

・・・ ・・・ ・・・

群馬の実家治療室を開設してから間もない頃のことです。当初は往診の依頼も引き受けていました。私が往診をしていることを知ったある方から依頼がありました。患者さんはご本人ではなく、依頼者のお父様でした。癌を患っていて、痛みが激しくて辛そうなのでどうにかならないか…ということで私に話がやってきたのです。

このとき、Aさんの癌は末期でした。


当然、私の未熟な鍼灸では癌に立ち向かえるわけもなく、鎮痛を目的とした施術が精一杯です。癌の患者さんに施術をすることすら初めてでした。

最初の施術は無事に終わりました。Aさんは痛みが軽くなったと言ってくれました。私も喜んでもらえたことに満足し、帰宅したのです。

次の施術を予定していた日、Aさんの息子さんから電話がかかってきました。

「病院で鍼灸はやらない方がいいと言われたので、もう結構です。」

とのこと。Aさんが病院に鍼灸のことを話したら「やめなさい」と指示されたようです。それで鍼灸の予約をキャンセルしてきたのです。

ちょ、ちょっと待ってくれ!!

私の気持ちは激しく動揺しました。そんなことを一方的に言われても納得できなかったからです。詳しい話を聞きたくて、私は予定どおりAさんのお宅に向かったのです。

とにかく、話を聞きたい!つづく)

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コメント

  1. Chab より:

    私は続きが聞きたいです。ぜひ。
    私も以前、身近にガン患者がおりました。発覚したときは既に末期でした。闘病の末に他界しました。
    当時、世の中をちっとも知らない子どもだった私は、鍼灸なんて考えも及びませんでした。
    鍼灸が鎮痛に効くとは・・・。あ~!もっと早く知っていれば!
    今日のブログは、とても他人事とは思えません。(;_;)

  2. クリ助 より:

    > Chabさん
    今後の展開に注目してください。
    厳しい現実に直面することになります。癌の疼痛の緩和に有効ですが、いくつもの壁があります。私が経験したその壁を今後書いていきます。

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