(明かりのない部屋のつづき)
Aさんの家に到着しました。
すぐにAさんの家族が出迎えてくれました。
詳しい話を早く聞きたい私はすぐにどういうことなのか、質問することにしました。
Aさんがいる部屋に入ると、早速詳しい内容を話していただけるようお願いしました。
昨日、病院で検診された時に、鍼灸を受けたことを話されたようです。
その時、担当の医師は「体に悪いからやめなさい」との指示を出したとのこと。
つまり、その医師が鍼灸を完全否定したらしいのです。
その指示に従い、Aさんは鍼灸を断ってきたという経緯がわかりました。Aさんがどのように担当医師に鍼灸のことを伝え、担当医師がどんな風に鍼灸を否定したのか、その詳しいやりとりまでは聞くことはできませんでした。
鍼灸を職業とする私にとって、その仕事を完全否定されたのですから、冷静ではいられません。
今では、そういうことが日常茶飯事だと分かっているので、気になりません。でも、その当時はそういうことで引き下がるのは嫌だったのです。今も引き下がりたくはないですが…社会的に力不足です(涙)
強制的にならないよう、患者さんに鍼灸を説明してみました。その結果、再び予約が入ることになりました。ここまでの話なら「あーよかった」で終わる話なのですが、この話はここでは終わりません。
次の日、今後は施術をするために、Aさんのお宅に訪問しました。
Aさんの娘さんが玄関で出迎えてくれました。もう3度目の訪問なので、簡単な挨拶を交わしただけで、すぐにAさんのいる部屋に向かいました。
日は沈み、明かりをつけない部屋では新聞を読むのは難しい、そんな時刻でした。ブラウン管から発せられた光に照らされて、Aさんの顔がぼんやりと見えていました。
私が挨拶をしても、無言のAさん・・・番組から流れる音声だけが響いていました(つづく)


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