求人その前に(5)組織づくりは体力と忍耐だと思う

求人その前に(その4)のつづき

■スタッフを雇うと生産性が下がる!?

スタッフ教育にかかる費用計算していますか

院長一人の鍼灸院が目立ちます。鍼灸専門院では、9割以上を占めると思います。なぜ、一人鍼灸院が多いのか、自分の経験を元に分析します。

理由1:一人でも十分に手が空いている

鍼灸院は鍼灸師一人がいれば始められます。開業してしばらくは手が空いています。「まずは、自分が忙しいくらいにならないと…」と考えます。忙しいほど患者さんが集まる鍼灸院は、ほんの一部です。今でこそ、経営セミナーの講師など務めていますが、最初はたいへん苦労していました。

理由2:スタッフに教えられない

鍼灸は感性が大事です。理論を勉強しても感性が伴わないと、効果的な治療になりません。スポーツと同じです。感性によって上手下手があります。理論は教えられても感性を教えるのは、とても難しいのです。だから、「見て覚えなさい」という話になるのです。しかし、それは教える側の言い分けです。

理由3:スタッフがやめてしまうリスク

雇った鍼灸師が即戦力になる場合は希です。労力も費用をかけてスタッフを教育しなければなりません。教えてもすぐに辞められてしまったら元も子もありません。苦い経験をして、「もうスタッフは雇いたくない」という声も聞きます。経営者にとって、スタッフを雇うことはリスクとなり、ストレスになってしまうのです。

スタッフ雇用の4ステップ

スタッフを雇うことは投資です。リスクが伴います。品川に鍼灸院を作る時は、このリスクに気持ちが押しつぶされそうになりました。精神的にも資金的にもある程度の余裕があったからできただけです。

準備にかかった費用は数百万円。売上に関わらず、家賃や給料の支払いは毎月必ずやってきます。

予想どおり、すぐに鍼灸師2名の手がいっぱいになることはありませんでした。暇な時期が続くとスタッフは不安になります。私だって不安でした。内心とは裏腹に冷静な振る舞いをしていました。

昨年は、群馬の養気院にも経験7年の鍼灸師が入ってきました。経験はあっても、私の要望通りに施術するには、勉強も練習も必要です。施術は私一人しかやらないのに、鍼灸師は二人です。ここでも生産性が下がっています。

スタッフを雇った直後というのは、必ず生産性が下がります。ここを許容し、生産性を回復し、さらにいえば生産性を一人の時よりもアップするところまで押し上げていけるかどうかです。施設やメディアの共有効果が現れるところまで(資金がショートする前に)一気に持って行かなければなりません。

 1.スタッフを雇う(リスク覚悟の投資)
 2.生産性の低下(我慢するのが仕事)
 3.生産性の回復(ゼロポイントに戻る)
 4.生産性の向上(メリットが生まれる)

■実際のところ、スタッフは雇うべきか

スタッフを雇うべきか

実際に組織を作った者として、感想を言うと「たいへん」の一言です。「スタッフに任せているから、自分に何かあっても大丈夫」という状態を作ることは簡単ではありません。だから、気軽に「組織を作った方がいいよ」とは言っていません。組織作りに向いている人とそうでない人がいると思います。私は、自分試しの最中です。

道半ばにして倒れてしまえば負債が残ります。雇った人の人生を狂わせてしまう場合もあります。そう考えるととても怖いです。鍼灸師という肩書きだけでは背負いきれないものがあります。こうした現実もこのブログに書いていこうと思います。

成果を出している人はほとんどが長時間労働です。「独立すれば時間もお金も自由」なんて幻想ですし、「スタッフに任せれば、自由に遊べる」なんてあり得ません。

少なくとも、私は、独立して軌道に乗った瞬間から時間の自由はなくなり、鍼灸師を雇ってから労働時間が増えました。この状態が続くのは良くないと思っていますが、今の状況を見れば、もうしばらく続きそうです。だから、健康には人一倍気を遣っています。

遊ぶ時間もたまには欲しいな、と思うことがあります。素直な気持ちを言えば、スタッフの有給休暇はめちゃくちゃ羨ましいです。行きたい国がたくさんありますので、そのうち実現します。

結論になるかわかりませんが、組織作りは、まず体力と忍耐です。誰も気がつかない地味な仕事が多いです(笑) なのに、なぜ好んでやっているのか…

つづく…(その6

◎関連施設
養気院(群馬県伊勢崎市)
カポス(東京都港区/品川駅)

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