求人その前に(その5)のつづき
■自信がないから組織をつくる
組織を作るのは体力も忍耐も必要です。でも、悪いことばかりではありません。得られるものが大きいです。組織が機能している時の充実感は、代えがたいものがあります。この感覚はマラソンと似ているのかもしれない…(マラソンやらないけど)。
組織づくりに動き始めた私の心理の底には、「認められたい」、「自信をつけたい」という気持ちがありました。ポジティブな情熱というより、むしろコンプレックスの方です。

コンプレックスがあるから、自分の能力を形あるものに変えておかないと不安なのです。タレントのように自分を商品にできないのです。だから、自分を売るのではなく、自分が作ったものを売る感覚です。コンプレックスがなかったら、自信満々に独りで鍼灸院をやっていると思います。
自分は何者なのか…とずっと考えていて、ある時に思ったのです。「自分は設計屋の気質なのだ」と。そんな私が、なぜか鍼灸と整体(活法)の世界に居ます(笑)
鍼灸や整体の臨床家であるためには、「人が好き」であることが前提です。この「人が好き」にも、実はいろいろあるわけです。お友達とのおしゃべりが止まらないのも、解剖学の本をじっと眺めているのも、スポーツ観戦するのも、小説を読みながら人間模様を観察するのも、みんな「人が好き」のうちです。
同じ業界の中にいろいろな人種がいるのです。異種を認める寛容さがなければ、居心地が悪くなります。私は設計屋として、どう貢献ができるのかを考えています。欲を言えば、人前に立つことが増えてきたので、プレゼンテーションも上手になりたいですね。
■鍼灸の規格をつくる
組織づくりは、規格づくりです。
規格が定まらないと、効率が上がりません。たとえば、この文章を書いているキーボードの配列です。一人一人が使いやすいようにキーを並べ変えて使う、という考え方もあるわけです。でも、普通はしません。効率が悪いからですよね。
規格を共有しているから、どこに行っても、何を使っても、すぐに使えます。1台のパソコンをみんなで使い回せるのは、WindowsやMacなど、規格があるからです。機種変更しても最新にしても、変更箇所があっても、ゼロから覚えなくてもよいのは、規格があるからです。
鍼灸ではどうでしょうか。
経絡(けいらく)が一つの規格になっていると言えるでしょう。しかし、経絡の実体がハッキリしないため、いかようにも解釈できるため、とても緩い規格です。結局、鍼灸師の自由です。
だから、「一人一流派」なんて言う人がいます。良い意味とは限りません。
鍼灸は「術」でもありますから、特定の能力を持った人にしか到達できない領域があります。しかし、名人芸は規格にできません。名人はあくまでも理論とか常識では説明できない存在です。私は、自分のパフォーマンスを細かく説明できるので、名人にはなれません。
安定したパフォーマンスのためには、現実的な規格が必要です。少なくとも、鍼灸院で一つにまとまらないと、情報の共有ができません。同じ鍼灸院にいながら、一人一人がバラバラに探求していくのは効率が悪すぎて未来がありません。

規格には2通りあるように思います。
「学術ベースの規格」と「商業ベースの規格」です。学術ベースの規格は理想を追いかけ、商業ベースの規格は現実的に実行可能な落としどころを探します。だから、どこかで理想と現実が衝突します。
商業ベースというと、儲け主義のように聞こえるかもしれませんが、ここで言いたいのは、患者さんが求めているものです。現場で使いやすい規格が整備できなければ、組織化できません。整動鍼も一つの規格です。組織化にたいへん役立っています。むしろ、整動鍼がなければ組織化の目途は立ちませんでした。
鍼灸の世界では、「脈診10年」なんて言われることがあります。脈診は自分だけの世界です。私が目指すものと対極にあります。私なら、10年を違うことに費やします。常識を変えれば、鍼灸師は非常識なスピードで上達できます。上達しなければ、そもそも10年生き残れません。生意気承知で書きました。
つづく…(その7)
◎関連施設
・養気院(群馬県伊勢崎市)
・カポス(東京都港区/品川駅)
【よろしければ投票してください】
応援クリックありがとうございます(1日1クリック有効)。
2つのランキングサイトにエントリーしています。
![]()


コメント