求人その前に(7)マネできる技術とマネできない技術

求人のその前に(その6)のつづき

■マネできる技術

スタッフに鍼灸師を雇うなら「マネできる技術がある」ことが前提です。

教えられるのは再現性のあるものだけです。実際には、これがなかなか難しいのです。「手が止まった所がツボです」と教える先生もいます。しかし、それでは全く教えていることになりません。

教わる側としては「なぜ、そこに手が止まったのですか?」と訊きたいのです。勇気を持って踏み込んで訊くと、「触っていれば分かるようになる。要は経験だ、経験。」という話に落ち着きます。そうなると、「そうですか」としか言えません。

「経験」という言葉は便利ですが、どれくらいの数、どれくらいの期間がはっきりしません。だから、教える時に「経験」という言葉は使わないようにしています。

教えている当事者として、鍼灸は教えるのがとても難しいと感じています。でも、諦めてしまったら試合終了です。だから、「どうしたら伝わるのか?」を考えながら、同時に「どんな技術だったら伝えられるのか?」と考えています。

技術の積み重ね

自分の中で技術を積み重ねるだけでは、一代の芸や特技です。次の世代に継承できて初めて技術と言えると思います。前の世代が積み上げたところから次の世代がスタートしなければ、東洋医学も鍼灸学は、ずっと2,000年前のままです。

積み上げられるものだけ技術

というのが私が定義です。経験の積み重ねは技術と呼ばず、「慣れ」と呼んでいます。もちろん、慣れも大事です。実際の実力は、「技術×慣れ」だと考えています。

場数を踏んでいる方が、有利なのは間違いありません。技術が圧倒的に優れていれば、実力でベテランに勝ることも可能ですし、そういう考え方をするように社内でも言っています。経験には敬意を払いますが、ビクビクする必要はありません。

生意気な集団に見えるかもしれませんが、技術的に「達しているか・達していないか」がハッキリするので、謙虚さを保てます。目の前の人に生意気だと思われたら、良いことありませんから、謙虚なのがよいです。

東洋医学が大好きだからこそ、言いたいことがあります。

東洋医学の理論は哲学に満ちていて、美しさを感じます。その世界観に酔うこともできます。それが目的なら良いのですが、実践重視なら現実を見なければなりません。理論からどれだけ“利“を抽出できるかが勝負です。

理論は、事態を推測し、これから起こるであろう現象を予測するためです。だから、「理論と臨床は違う」という話をしてしまったらおしまいです。スタッフ教育もできません。

理論と臨床が一致させることが、後進の教育でもっとも大事だと考えています。

■マネできない技術

臨床では「自分にしかできない技術にならないように」と気を付けています。一般的には逆のことが言われています。「自分にしかできないことを追求しなさい」と。

組織づくりや、講師をする立場から、唯一無二の存在になることより、誰でもマネできる存在でありたいと思っています。一番マネされやすい技術を持つ鍼灸師になりたいのです。

技術は外に出ますが、技術習得には修練が必要です。一生懸命教えても、2、3日でマスターできる人はいません。基本を教えるのに半年かかると感じています。社外向けのセミナーでも教えていますが、そうしたセミナーは2日間単位です。出せるのはエッセンスだけです。

マネできるように技術を構築しても、マネできない部分が残ってしまいます。結果的に優位性は残ります。

技術には縦幅と横幅があると考えています。横幅は外部から学びますが、縦幅は内部で構築です。私も技術の幅をつけるために、外部に目を向けています。そして、講師をする時には縦幅を強調しています。

技術の縦横

マネできないものとして思い付くものは、間合いタイミングジェスチャーアイコンタクト話し方…です。これらは、日々の練習で培っていくものだからです。経験と一括りにされやすいところですが、私まで言ってしまったら、さっきの話はどうしたんだとなりますので、「経験」では片付けません。経験で自然に培われるものを細分化して、課題に分けるようにしています。

鍼灸に限りませんが、技術向上には環境がとても大事です。いくら才能に恵まれていても、練習できなかったら能力を伸ばせません。だから、思うようにしています。才能を活かす環境を整えることが私の仕事であると。

おわり。

続いて、「私が求める人材」になります。ようやく本題です(^。^;)

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求人その前に(7)マネできる技術とマネできない技術

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