マーケティング論_01「タブーへの挑戦」
マーケティング論_02「囲い込むのは誰のため?」
マーケティング論_03「コンサルタントが知らないこと」
マーケティング論_04「コンサルタントだけがわかること」
技術論_01「心配事が関心事に変わる時」
技術論_02「人間性という名の技術」
技術論_03「患者さんを選ぶ」
技術論_04「技術を選ぶ」
技術論_05「マシな技術ですみません」
技術論_06「捨てられた技術にヒントあり」
技術論_07「開業鍼灸師の経済学」
技術論_08「低予算で学ぶ」
技術論_09「真髄に迫る(低予算で学ぶ2)」
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私ほど無謀な経営者はいません。資金ゼロから開業するというのは無謀です。どんな本を読んでも開業資金と運転資金はしっかり用意しましょう、と書いてあります。本当にその通りだと思います。
ただ、資金ゼロからスタートしたことで、現在の広告費ゼロスタイルにたどり着けたと考えることもできます。最初は広告費ゼロは仕方ないものでした。しかし、広告費ゼロは今では大事な経営戦略の一つです。
■ある整体師の広告費
ご縁のあった整体師が年間の広告費を教えてくれました。その整体師は一人で施術している「経営者=施術者」というスタイルです。数字を聞いて驚きました。年間300万円だそうです。絶句。多すぎると感じました。仮に1回分の施術料が5,000円だとすれば、年間600人分の施術料が広告に費やされていることになります。
私はズルイのでこんなふうに考えてしまいます。年間600回分の施術をしなくても収入はあまり変わらない、体が楽そうだなと。お、ブログもたくさん更新できそうだぞ(よだれ)♪
鍼灸師は広告制限(※)があるため「広告費」というコストに疎いのかもしれません。300万円が常識的レベルなのか、非常識なのか、結論は出せません。
※医療には広告制限があります。医療の一つである鍼灸にも広告制限があり必要最小限の広告しか出せません。一方、医療の枠にとらわれなくてもよい民間資格は広告制限がありません。鍼灸院の派手なチラシを見かけないのはそのためです。
鍼灸師は、広告を出したところで地味にやらなけれならないわけですし、広告の魅力で勝負しようとしたら整体師には勝ち目がありません。ですから、広告で勝負するのはやめよう、というのが私の結論であり経営方針です。
広告費を限りなくゼロにすることで、その分が利益になるばかりでなく、将来への投資に費やすことができます。「現在(=近い将来)」の安定と「未来(=遠い将来)」を開拓にとって強い味方となるわけです。
私が患者なら、自分が支払った施術料が広告に使われるより、書籍代に使われる方が嬉しい気がします。ただし、広告費が悪だとは思っていません。広告がきっかけで長年の苦しみから解放される患者さんが実際にいるわけですから。クチコミだけでは十分に情報が届かないという現実があります。
■就職難民だった
広告費ゼロ計画は、専門学校卒業時までさかのぼります。約10年目の話です。
私は、免許取得と同時に資金が尽きました。すぐに働いてお金を稼がなければなりません。
しかし、就職活動は困難の連続でした。就職の面接では、学生時代に実務経験がないので門前払いされることが多く、働きたいところがあっても落とされてしまいました。多くの学生が、鍼灸院や接骨院、マッサージ店などで実務経験を積むなか、私は本ばかり読んでいたのです。古典にも夢中でした(笑)
募集する側は「技術を持っている鍼灸師」がほしいに決まっています。技術と言っても、“鍼灸”の技術ではなく“マッサージ”の技術。鍼灸師としての仕事ができる就職先には、なかなか出会えませんでした。専門学校で3年間の実技練習を行っていても、学生時代の実務経験がなければ、現場は「即戦力なし」の判断を下すのが現実です。
道は閉ざされたかのように思いました。助けてくれたのは学生時代の友人でした。「週1回だけ鍼灸ができる治療院があるよ」と情報をくれたのです。さっそく面接。そしてすぐに採用が決まりました。
しかし、仕事の中心はマッサージ。鍼灸を希望する患者さんがいた時だけ鍼灸をまかせる、という条件でした。つまり、患者さんが鍼灸を希望すれば鍼灸ができるのです。大きなチャンスでした。
鍼灸を受ける患者さんは少しずつ増え、半年後には目標である1日20 名に達しようとしていました。その矢先のことです。異動を命じられたのです(異動先の業務はマッサージ)。悩むことなく、私は辞めました。そして経済状況はさらに深刻となったのです。
私が貧乏であった理由は、鍼灸へのこだわりが強いためです。こだわればこだわるほど、就職できないのです。
■仕事があるという奇跡
貧乏に選択肢はありません。お金をかけずにスキルアップをして次のチャンスを待つしかなかったのです。具体的に動き出しました。実務経験を積むために、格安(いや激安)の出張鍼灸院(東京)と実家(群馬)の一室を借りて治療室を作りました。安ければ依頼があるだろう…という安易な考えです。
お金がないのに開業という、ビジネススクールの教えに逆行する動き。愚かです。この時の愚行がなぜか楽しい思い出として残っています。記憶の不思議です。
友人に協力を得てウェブサイトをタダで作成。
効果は極微。出張鍼灸院の患者さんは月に3人程度。意外に好評だった実家の施術室。患者さんが少しずつ増え、一日に一人は来院する状況に。毎日仕事があるという奇跡。
この奇跡によって貴重な実務経験を積むことができました。私にしてみればタダで経験を積めたようなものです。「3年間で習得した技術を使う」ことが、本当に難しいのです。
私が行った激安鍼灸院は、「技術のない新米鍼灸師です」とわざわざ宣伝しているわけですから、マイナス面も覚悟しなければなりません。
■Time is money.
患者さんがほとんどいない時にたっぷりあるもの。それは時間です。この時間をウェブサイトの補強に費やし続けました。一日中PCの前にいるのは当たり前でした。
現在、ブログを書く時間はお金で買っているようなものです(睡眠時間をたまに削っていますが…)。清掃を業者さんに委託して時間を作っています。
この時間を使って、さらに多くの方と出会う機会を作りたいと思います。
つまり、こういうことです。
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患者さんがいない (時間余る)
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ウェブサイトの補強 (時間の貯金)
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ウェブサイトが患者さんを勝手に集めてくれる(お金の節約)
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清掃を業者に委託(お金で時間を買う)
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買った時間でセミナー参加、読書(技術強化)+ブログ書く(人脈強化)
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人脈以上の財産はないと私は思います。
このブログが多く出会いのきっかけを作ってくれました。コメントをくださっている方だけではありません。直接お会いして技術交流も行っています。本を積み上げても得ることができない貴重な情報を得たこともあります。
もし、最初からたくさんお金をもっていたら、時間から人脈に転換する発想にたどり着いていないのかもしれません。学生時代もお金があったら早朝バイトをしていません。そうすればバイトでクリ子(妻)と出会うこともありませんでした。
以上、私の運がよくなった秘密です。


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