マーケティング論_01「タブーへの挑戦」
マーケティング論_02「囲い込むのは誰のため?」
マーケティング論_03「コンサルタントが知らないこと」
マーケティング論_04「コンサルタントだけがわかること」
技術論_01「心配事が関心事に変わる時」
技術論_02「人間性という名の技術」
技術論_03「患者さんを選ぶ」
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前回、「患者さんを選ぶ」という記事を書きました。得意分野と苦手分野を鍼灸師(医療者)側が意識することが重要なのではないかという、一つの提案でした。
「患者さんを選ぶ」ということは「技術を選ぶ」とつながっています。鍼灸の世界にはいろいろな勉強会があるのですが、日曜日開催が多いので、現実的に参加できる勉強会は限られています。
鍼灸の世界も広いので、すべてのジャンルにおいて一流になることは不可能です。どんなに有名で腕が立つという鍼灸師でも苦手分野が必ずあります。私ごときに言われる筋合いはないと思われるでしょうけど(笑)
たとえば、一流アスリートのケアをしている鍼灸師が美容鍼灸でも一流とは限りません。もっと細かい話になりますが、膝の治療をする場合でもアスリートとデスクワークの会社員ではやり方が異なります。アスリートだったら、痛くても動かなくてはならない場面が多いでしょうが、デスクワークなら膝に負担をかけずに仕事をすることが可能です。デスクワーク中に膝をテープでグルグル巻きにする必要はないのです。
こういう言い方は営業妨害になってしまうかもしれませんが、一流アスリートに人気がある鍼灸師が近くにいても、あなたにとって最善であるとは限りません。その逆だってあります。近所で大人気の鍼灸師でも、競技場で力を発揮できるとは限らないのです。
「技術を選ぶ」というのは、同時に「別に技術を習得する機会を捨てる」ことなります。口で言うのは簡単ですが、実際は勇気が必要です。ついつい、あれもこれもと手を出したくなるのです。隣の芝生の方が青いと思っても、グッとこらえているのです。(笑)
野球のバッターに選球眼が重要であるように、鍼灸師も技術を選ぶ目が問われます。経営が上手な鍼灸師は、目利きだと思います。ボール球に手を出さず、ストライク玉を確実に打ち返します。
ちょっと経営的な話になります。
技術選びは、鍼灸師の好き嫌いだけで決められません。得意にしたいと思っている症状が珍しすぎると患者さんがあまりいません。逆に、珍しい症状を得意としたら、その分野での信頼性が固まったという例もあります。技術選びは、鍼灸師として生きていくための戦略でもあります。
鍼灸院のメジャーな症状として、肩こり、腰痛が挙げられます。このような症状は鍼灸院に限らず、接骨院や整体院でもメジャーですから、ビジネス視点で言うと激戦な分野です。患者さんも、選択肢がたくさんあると言えます。
ところが、耳鳴りだったり、顔面神経麻痺だったりすると、選択肢が少なくなります。肩こりや腰痛に比べれば、患者さんの数は少ないでしょうが、きっちり対応できる治療院もまた少ないのです。こういうところを狙うのがニッチャー(ニッチ市場を狙う人)。
え?
鍼灸師というだけで立派なニッチャーだって?
確かに。
(つづく)


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