経営論_02「小さな鍼灸院」

マーケティング論_01「タブーへの挑戦」
マーケティング論_02「囲い込むのは誰のため?」
マーケティング論_03「コンサルタントが知らないこと」
マーケティング論_04「コンサルタントだけがわかること」
技術論_01「心配事が関心事に変わる時」
技術論_02「人間性という名の技術」
技術論_03「患者さんを選ぶ」
技術論_04「技術を選ぶ」
技術論_05「マシな技術ですみません」
技術論_06「捨てられた技術にヒントあり」
技術論_07「開業鍼灸師の経済学」
技術論_08「低予算で学ぶ」
技術論_09「真髄に迫る(低予算で学ぶ2)」
経営論_01「広告費ゼロ戦略が生みだした財産」

息子のクリ太に妹が生まれてもうすぐ1年。

妻のクリ子は子育てに専念するため、ここ一年は私一人で鍼灸院業務を担当。完全に一人というとクリ子に怒られてしまいます。一日に何度も洗濯機を回し、タオル類や患者着をキレイしているのはクリ子だからです。

今の鍼灸院が建って8年半です。当初は鍼灸の他にアロマセラピーをやっていました。古い話になってしまいますが、アロマ専属のスタッフがいたのです。クリ子は3人目のアロマスタッフ。クリ太(第一子)の出産を機にセラピストを引退。鍼灸専門に看板を書き換えました。子育てしながら受付業務やサポート業務を行っていたのですが、4歳児と0歳児を抱えながらの業務は難しく、去年の9月から育休に入ったのです。

今は、群馬の田舎にあるスタッフ1名の小さな鍼灸院。

時々、患者さんは私に尋ねます。

夢はここを大きくすることですか?

私は、決まってこう答えます。

大きくする予定はないんですよ。

患者さんは「意外だ~」という表情を浮かべます。

大きくしない理由は3つあります。

1.マネージメントより施術が好き
鍼灸師になったのは自分が鍼灸をしたかったからです。思う存分鍼灸ができるところに就職していたら開業していないかもいかもしれません。開業したのは鍼灸をする環境をつくるためでした。チーム監督より現役選手でいたい、ということですね。

2.スタッフの確保が難しい
募集しても応募があるかどうか…(群馬の田舎だし)。

3.スタッフ教育のカリキュラムが未完成
もっとも神経質になっているところです。施術スタッフの教育は短ければ短いほど低コストですみます。スタッフだって、できるだけ早く腕を振るいたいに決まっています。教育カリキュラムの質が悪ければ、経費が膨れあがるだけでなくスタッフのやる気が低下してしまいます。

■スタッフを雇えない本当の理由(理由3の真実)

鍼灸院を大きくすれば鍼灸師の就職先が増えます。就職先が充実しているというのは、業界にプラスなります。

でも、私にはできません。決定的な事情があるからです。技術が定まっていないのです。新しいことを思い付けばすぐにやってしまうタイプなので、カリキュラムを作りようがないのです。理想はスタッフと私の施術レベルが同じことです。私がフラフラしていたら、いつまで経っても足並みがそろいません。

活法との出会いによって、なおさら私一人の鍼灸院が濃厚になったのです。技術がどんどん変わってしまっているのです(よい意味で)。鍼灸と活法が初めて出会うことで、これまで誰もやっていなかったであろう施術が生まれてしまうのです。私一人なら、その変化に対応して楽しむことができますが、スタッフがいたら混乱させてしまうだけです。

■事業拡大の裏技

私が活法から得たものは大きいと言えます。技術の幅が広がっただけではなく、鍼灸そのもののスタイルが大きく変わりました。他で鍼灸を受けた方がある患者さんは違和感を感じていると思います。「イメージと違うと思いますが…いいですか?」と、ここは弱気です(笑)

特に、運動器疾患で顕著です。

たとえば、痛みがあって腰が曲がらない時(たとえば前屈できない)、痛みがあるから曲がらないのだと考えて、痛みを取ろうと考えるのが一般的です。

しかし、活法では「曲がらないから痛いのだ」と考えるわけです。「曲がったら痛くない」のです。理屈で考えれば当たり前のことえすが、「痛い」と訴える患者さんを目の前にすると、「痛みをどうにかしよう」という思いに縛られます。患者さんの辛さに共感すればするほど、思いも痛みの緩和に向かうのです。

「痛い」と訴える患者さんに対して「動きを改善させる」と考えるのはクールです。ただし、「痛みを我慢していただく」わけではありません。動きの改善と同時に痛みを消失させるので、患者さんは「お、曲げても痛くない」とか「あれ、曲がる」と感じるのです。

<一般的な思考法>

 痛みの緩和 →(待つ)→ 動きの改善

<活法の思考法>

 動きの改善 =(直)= 痛みの緩和

活法の即効性は目を見張るものがあります。秘密はこの思考法にあります。これはそのまま鍼灸に応用できます。活法を学ぶことは、手技療法を学ぶということに止まらず、鍼灸そのもの思考法まで変えてしまうのです。鍼灸にはいろいろな流派がありますが、活法の思考法は、流派を問わず導入できるものです。

日本で生まれた活法。この国産の技術はほとんど鍼灸に応用されていません。なぜなら、鍼灸とは違う畑で育った技術だからです。これまで密かに伝えられてきた技術ということもあり、鍼灸師が活法を知ることはできなかったのです。鍼灸は医療の分野で、活法は武術の分野で発展した技術です。今、この2つが化学反応しようとしています。

活法の師匠は鍼灸師ではありません。免許を持たないいわゆる整体師です。免許を持つ鍼灸師からみれば整体師はモグリです。権威のあるところほど、そういう考え方をする傾向にあります。ですから、活法が鍼灸師のオフィシャルな技術になるには時間がかかると思います(オフィシャルな技術になり得る確信があります)。

活法はまさに裏技なのです。

この裏技を伝えることが、私にできる貢献です。スタッフに限定して教えるというスタイルをとれば普及に時間がかかります。だからセミナーが必要なのです。今、私の興味は鍼灸院を大きくすることではなく、鍼灸師に活法を広めることにあります。それが技術習得のショートカットだと思うからです。鍼灸院拡大と活法普及を同時にできない私は、後者を優先させています。

鍼灸院は、しばらく私一人で気ままに経営します。
そのうちクリ子も復帰するでしょう(保育園次第かな…)

次回は活法セミナーの案内をします。
一足先に目白鍼灸院に紹介していただきました

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コメント

  1. ある弟子 より:

    いつもブログ拝見させていただいております。
    鍼灸院で弟子として働いているものです。
    働いている鍼灸院も短くて数時間、長くて数週間で治療内容が変更されます。
    もちろん最初は戸惑いました。
    でも、数年経った今は院長の考え方がわかるようになり、自分でもどのように考えれば治療の改善が出来るかわかり非常に勉強になっております。
    毎日、同じ内容で治療している治療院よりよっぽど魅力的に映ると思いますよ!

  2. クリ助 より:

    >ある弟子さん
    いつもありがとうございます。
    貴重なご意見ありがとうございます。数時間で変更することもあるんですかっ!それはビックリです。
    ある弟子さんは、お師匠さんに恵まれていますね。私もいつの日かスタッフと長いお付き合いができるように、自分磨きをしていこうと思います。私の変化を受け入れてもらえるように。

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