それでもボクは美容鍼をやってない(後編)

それでもボクは美容鍼をやってない(後編)

前編のつづき

当然あるべき健康、努力で手にする美しさ、という意識

ぎっくり腰になってしまったとき、できるだけ早く、できるだけ少ない労力で元通りになりたいです。誰でもそうだと思います。だから、できるだけお金は使いたくありません。かかった費用は損失分として脳内で計上されます。損失をいかに減らせるか、というのが治療に関わる側の視点です。

いっぽう、美しさを得るための出費は損失ではなく投資です。出費を抑えようとしている人に「投資をしませんか?」と持ちかけるのはミスマッチです。逆に、投資をしようとしている人に、お金を出させないようにするのもミスマッチです。

この前提を理解すれば、治療目的の人とは、スポット的なお付き合いすべきで、美容目的の人とは、長くお付き合いすべきです。

メンテナンスと美容の相性はよさそう

治療目的で通院していた方がメンテナンスに目的を切り替えて通院する場合があります。うちの院では積極的に促していませが、途絶えたことがありません。1割くらいがメンテナンスが目的で通院されています。

こうしたメンテナンスでは美容のようにゴールがありません。だから「もう通わなくてもいいですよ」と伝えると「来ないでください」というメッセージになってしまいます。実際に、このミスをしてしまったことがあり「私のような症状が軽い人は通ってはいけないでしょうか」と寂しい顔をされてしまいました。

メンテナンスの人が大半を占める院であれば美容鍼と並行してやりやすいように思います。

治療と美容を両立させる条件

私自身は、両立は難易度が高いと考えているので挑戦はしません。ただ、それではネタにならないので、両立させる条件を提案してみます。

①やるなら別ブランドで別店舗、最低でも別室

治療の鍼も美容の鍼も、それぞれでは成立しているわけですから、混線さえしなければ問題ありません。

人は場所や着る服によって、言動が変わります。シチュエーションによって脳が切り替わります。だから、治療と美容でブランドや店舗を分けたらよいのです。欲を言えば、ウェブサイトも別々の方がよいです。最低でも部屋は別にします。

②SUV化を目指す

SUVとはスポーツ・ユーティリティー・ビークル(Sport Utility Vehicle)の略です。「なぜゆえに、ここでクルマの話?」と思うかもしれません。クルマが好きなら、SUVがどういうポジションかわかると思います。

そうです。SUVは家族持ちになってスポーツカーを手放したパパがもう一度ワクワク感を取り戻せるクルマです。SUVはもともと悪路も走れるという特徴でゴツゴツしたデザインが多かったのですが、ここ最近で都会派SUVというクーペのスタイルを取り入れたモデルが急増しています。

ママには子供たちが快適に乗れると好評で、パパとして夢を積めるお得なスタイルです。ファミリーカーの主流が、ミニバンからSUVに勢いよくシフトしています。国産車ではマツダが先駆けです。

鍼灸の新しいスタイルがこれから生まれるかもしれません。治療と美容の相容れない部分を両立させて新しいスタイルをつくってもよいのです。どうやってつくるかは、わからないので話はここまでです。ただ、クルマの話を織り込みたかっただけです。


③キャラの中に押し込む

一人鍼灸院の場合、治療も美容もキャラに収まってしまうので深く考えなくてもよいのかもしれません。人はそもそも矛盾をはらんでいる存在ですから、キャラが愛されていれば矛盾は許容されます。あくまでも、愛されていればの話ですが。そして、一人鍼灸院が前提ですから複数のスタッフがいたり、他店舗展開には無理が生じるように思います。

美容鍼を再定義してみる

美容鍼にもいろいろな種類があります。使うツボも違います。美容鍼に取り組む鍼灸の多くがすでに言っているように、美容の前提は健康です。体調を整えるためのツボが大切です。全身に目配りした方がよいです。あえて「顔の鍼はしない」という美容鍼があってもいいのではないでしょうか。姿勢の美しさを追求するとか。あえて顔から離れてみることで新たな可能性に気づくことだってあると思います。

アイデアがなくても大丈夫です。これまでの鍼灸も十分追求する余地と価値がありますからね。

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はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
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