鍼灸師とお産(18)-破水

<このシリーズでは、鍼灸師であるクリ助が妊産婦さんに何ができるかを考えていきます。お産の現場をできるだけリアルに伝えますので、よいお産について一緒に考えてください。>

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分娩。壮絶な光景を予想していましたが、意外なことに時間は静かに流れていきました。
そして、ついにその時が来ました!

助産師さんの様子が変わりました。頭が見えてきたようです。私はすぐに覗きにいきました。

おおぅ!!

確かに頭です。髪の毛も生えています。
ずっと一緒にいたのに対面することのできなかった子供の姿に感動です。
実際は「感動した」なんて言葉では言い表せないのですが、だからといって、気の利いた言葉も浮かばないので、

たいそう感動した!

とでも言っておきましょう。やっぱり感動伝わってませんよね。

頭が出てきたことを知り、クリ子も気になって仕方ない様子です。

「どうなってる?」

「頭が2,3センチ見えてる。」

たどたどしい実況中継が続きます。その間も陣痛はこまめにやってきます。息んでは抜き、息んでは抜きを繰り返しているクリ子。クリ太は少し出ると、少しまた中にひっこんでしまいます。

三歩進んで二歩下がる

そんな感じです。
ここまで来ればあとは勢いです。

2時40分、破水!

助産師さんはインターホンで応援をお願いしています。すぐに助っ人の助産師さんがやってきました。

クリ子は足の角度を指示されていました。
(赤ちゃんを運ぶルートを確保するため)

ついにか、ついにか・・・!

いつ呼んだのか記憶にありませんが、ドクターもやってきました。

夜中にお疲れさまです!

という雰囲気ではなかったので目で会釈するだけにしました。ドクターはそのまま分娩室の片隅に…。

いわゆるベンチ入りです。

助っ人の助産師さんはクリ子の脚(あし)を支えています。
今にも何かやってきそうな雰囲気…ドキドキ!

来たー!!

というか、出たー!!!

頭がポコッと出ています。あっち(背中側)を向いているので、まだ顔はわかりません。勉強した時は、お腹側に顔を向けて出てくると聞いていたので…あれ?

既に半回転した後?

真実はよくわかりませんでしたが、とにかく頭です。考えたり観察している間はありませんでした。クリ太の体はヌルヌルと回転しながら飛び出てきたのでのです。

最後はスポーン!

こんなに勢いがあるとは思ってもいませんでした。

飛び出て来たクリ太は臍の緒を付けたまま、クリ子の胸の上へ。
これぞカンガルーケア

ささやくような声でクリ太は泣いています。

 オギャー!!!!
 
  オギャー!!!!

   オギャー!!!!

と、ドラマの出産シーンで流れるあの泣き声を連想していたのですが、実際の声はか細く、

 フンガァ、フンガァ、フンガァ

とこんな感じです。
ドラマの泣き声が迫力ありすぎなんでしょうか…!?
(分娩室の外でパパがソワソワしているところへ突然聞こえてくるベタなシーン)

クリ太はすぐに泣きやみ、クリ子の胸の上でモジモジしています。

「男の子ですよ!」

助産師さんが教えてくれました。

すっかり忘れていました、性別を確認するのを。このブログでは「クリ太」と最初から男の子扱いをしてますが、この時を迎えるまで性別は確認しなかったのです。産まれてからのお楽しみ♪という選択肢を選んでいました。

クリ太は早速クリ子の乳首を探しています…
恐るべし、本能!!

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コメント

  1. かもめ より:

    続編、待ってましたよ!
    いやぁ、読みながら、光景が浮かぶようでした。
    素晴らしい体験でしたね、うらやましい!
    頭出たあとも、出たり引っ込んだりで、
    最後はスポーン! なんですか…。
    目からウロコの話が聞けて本当にありがとうございました。
    続きが、もう待ち遠しいです。(笑

  2. なちゅら より:

    クリ助さんの「たいそう感動した」 またツボに入ってしまいました(笑)
    きっと言葉では難しいのでしょうね、その不思議感覚な感動を伝えるのって。
    偶然、昨晩夫と去年のお産のまさに今回のシーンと
    同様の部分を話したばかりでして、あらタイムリーと感じました^^
    私が陣痛極期の言葉にならない本能の声(ヴヴヴとか)を発していたか訊ねてみたのがきっかけでした。
    (私は本能の声までは出せていなかったそうです。)
    「三歩進んで二歩下がる」で『あ~!おし~い!』と見守る方々が実は呟いたこと。
    夫は息子の頭が見えた時に変な感動があって「なんだぁ?」と呟いたこと。
    などを話してくれました。
    その現場でのこと、産後に話してもらえると新たな感動記憶になりますね。
    自然に近いお産だと赤ちゃんは肩が出た後は、
    自分で「ポーン」と蹴って外に出てくるそうですね。
    クリ太くんはまさにそれかも!

  3. クリ助 より:

    >かもめさん
    続編、お待たせしてしまいました。
    自分の書いた文章を読み返して、あの時のシーンがきちんと伝わっているか心配ですが…。
    難しいですね、あの何とも言えない空気を文章化するのは。言葉に表すと「スポーン!」ですが、飛び出てきたような感じです。助産師さんが引っ張るのとは違って。むしろ、助産師さんは飛び出てくるのを受け止めていたように見えました。本当に一瞬ので出来事でしたね。

  4. クリ助 より:

    >なちゅらさん
    そう、まさに不思議体験なのです!
    まるで異空間にいるような感覚でした。あの場にいると、「自分は何者で…」みたいな現実感が去っていき、どこかの物語に入り込んでしまったような不思議な体験でした。男性の私でもそう感じるのですから、実際に産む女性の世界は想像できません。
    たぶん、クリ太は自分で蹴っていたと思います。出てくる瞬間があっという間に過ぎ去りましたから。
    もっと出てくるところを観察しようと思っていたのに、フタを空けてみたらスポーン!ですから。

  5. サト より:

    毎日気がついたら応援しながら、待ってました。
    私は体調崩していたので、ちょっと心配してました! 
    お産のシーンは思い出しながら読みましたよ。
    頭が見えてきた瞬間てなんともいえない感じですよね。アーもうすぐなんだって・・・
    私も見たいと思ったものです。
    ポーンという感じだって言うのは知らなかった!
    アーやっぱり見てみたい!

  6. kofudo より:

    仕事の合間にクリ助さんのブログを見るのが日課になっています。妊娠シリーズ18回が出るのを心待ちにしていました!(今回、初めて書き込みさせてもらいました)
    今回はとうとうここまできたか!!って読んでる方にもかなり力が入りました。
    カンガルーケアのこともすごく勉強になりました☆
    これからも続編、楽しみにしています!

  7. クリ助 より:

    >サトさん
    体調大丈夫ですか?
    私は大丈夫です。仕事の波に飲み込まれてブログ更新が滞っていただけです(^^;)
    産まれる瞬間、かなり躍動的なのは記憶から確かですね!

  8. クリ助 より:

    >kofudoさん
    カンガルーケア、親にとっても本当にいいものですよ。実は、私も体験しているのです。でもここでは詳しく書けません。次回のネタなので(笑)
    また書き込みしてくださいね、ぜひ!

  9. Chab より:

    私も、どうやって産道口から子供が出てくるのか、
    客観的に見てみたいです。
    夫に分娩を正視できる勇気があれば良かったのですが、
    献血で貧血起こす軟弱者には、私の頭の横での立会いが精一杯でした。
    それに、産婦人科では、足元に居たらジャマにされるのがオチですよね・・・。
    頭が出た後の感覚は、一気にヌルッ!って感じでしょうか。(リアル過ぎ?)
    確かに、オギャー!!なんて力強い声じゃないです。
    フンガァって、笑っちゃいますけどかわいいですよね。

  10. クリ助 より:

    >Chabさん
    ヌルッ!って感じがしました。
    その瞬間を見届けようと思っていた割には、結果的にあっという間すぎて???な部分も多かったですね。
    Chabさんのおっしゃる通り、あまりのぞき込むと助産師さんの邪魔になってしまいますから、ポジション取りが難しかったです。今回はちょっと遠慮がちだったので、2回目は積極的に攻めのポジションを狙います!

  11. 夢湖 より:

    >いわゆるベンチ入りです。
    ええええええっ!!!!!!医者が来たのにベンチ入り?
    そうか・・・・こういう出産形態だとお医者さんはトラブルのあったときのみの出動でベンチで控えていればいいということなのか・・・な???
    でもそうか・・・クルクルスポーン!!!!なんですねえ・・。そう考えると少し気楽だわ!

  12. クリ助 より:

    >夢湖さん
    ドクターの出番がないお産が理想ですね。
    お産は本当にいいものだと思いますよ。経験できる女性が羨ましいです、ホント。
    夢湖さんのお子さんは夢子ちゃん…と勝手に言ってみたり。

  13. あすか より:

    もうクリ太くんは8歳ですね.
    お産の時,赤ちゃんはお母さんのお尻の方を向いて出てくるのが普通です.
    なので,いたって普通に順調にお生まれだったんですね.
    私は今鍼灸の勉強をしていて,最終的には助産師兼鍼灸師として産痛緩和をメインに妊産褥婦ケアをしたいと思っています.
    たまたま産痛緩和を調べていてたどりついたブログですが,たくさん勉強させてもらいます.
    私個人は,産痛はある程度は必要だけど,あまりにも強いとそれがトラウマになる方もいるし,体力もとられるので産後の育児にも影響します.なので,和痛ができればしてあげたいなと思っています.

  14. クリ助 より:

    >あすかさん
    おかげさまで8歳の誕生日を迎えることができましたぁ。
    助産師兼鍼灸師、いいですね~。女性ならではの免許の組み合わせ。二つもっていると産婦さんが嬉しいと思います。
    産痛緩和の成果をぜひ教えてください。現場でのこと教えてくださいね。とても興味があります。いつでも、コメント待っています。

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