鍼灸師とお産(17)-本能が丸出し

<このシリーズでは、鍼灸師であるクリ助が妊産婦さんに何ができるかを考えていきます。お産の現場をできるだけリアルに伝えますので、よいお産について一緒に考えてください。>

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Thinking timeが長すぎましたね(本当は更新を怠っていただけです)。

さて、陣痛の謎に一緒に迫りましょう!
おさらいをしますと、脳内麻薬のβ-エンドルフィンが出ているにも関わらず、陣痛はかなり痛いわけです。陣痛の合間には幸福感を味わえるのだから、陣痛をもっと軽くしてくれてもいいはずなのに…、というのが疑問です。

あえて残された痛みですから、その痛みには合理的な理由があるはずです。
陣痛は子宮の収縮によるものですから、痛みを伴わなくても子宮は収縮できる気もします。

そこで、クリ助は子宮の収縮とは切り離して考えた方がよいのではないかと思いました。“痛み”の理由にシンプルに迫ります。

普通、痛い時は体に危機が迫った時ですよね。分娩も例外ではなく、リスクを伴う大仕事です。特に赤ちゃんにとっては一世一代の大仕事です。産まれるときが人生最大の試練だと思っています。狭い道を体をグニャグニャに柔らかくして通ってくるのですから。

もちろん、お母さんサイドから見てもリスクがあります。陣痛は母親が感じるものですから、陣痛の主役はお母さんになりがちです。でも、赤ちゃんはさらに過酷な挑戦をしていると思うのです。

もし、痛みがなかったらどうでしょう…。

自分が楽になってしまったら、赤ちゃんが試練の真っ直中にいることをイメージできるでしょうか。赤ちゃんにしてみたら「ここを出るのは大変なんだから状況わかってね。」というお母さんへのメッセージだと思うのです。

体験したことはありませんが、あれだけ痛ければ真剣にならざるを得ませんよね。

ここまでが第一の仮説です。
続いて、第二の仮説です。

痛い時って、何も考えられませんよね。
陣痛の時、二次方程式は解けないはずです。えっ、一次…も解けない?

痛みが激しい時、思考が止まります。痛みがある閾値を越えれば理性までもなくなります。これがポイントではないかと思います。

お産は本能で行うものだと思います。このときばかりは人間のみに与えられた理性が邪魔になるのではないでしょうか。考えて産もうとしても迷うばかりで先に進まないでしょう。

というより、考えていたらあんなにスゴイことは絶対にできないはずです。

どんな動物でも教わっていないのにちゃんと分娩しています。本来、分娩は本能でやることです。ヒトも例外ではないはずです。サポートする側にとって、知識やノウハウは大切ですが、産婦さんに大切なのは本能を丸出しにすることではないでしょうか。

その手段として“激しい痛み”があり、理性を抑えていると…。陣痛の合間に感じる幸福感も、本能が喚起された結果だと思います。母性本能を引き出す準備が始まっていると考えるのはどうでしょうか。

つまりですね、β-エンドルフィンの役割は鎮痛ではなく本能の喚起なのです。痛みを抑えてしまったら本能が表にでませんから、あえて陣痛を鎮痛しないのです。β-エンドルフィンが分泌される本当の目的は陣痛と陣痛の合間の“幸福感”を演出するため、というのがクリ助の結論です。

このブログで訴えるまでもなく…
「お産はいいぞ!」って体は訴えまくっているのです。モルヒネの6.5倍の勢いで!

最後にまとめておきましょう。
陣痛の目的は2つです。

 1.赤ちゃんが危険にさらされていることをお母さんに伝える
 2.理性を押し込めて、本能をむき出しにする

 ※β-エンドルフィンは陣痛の鎮痛ではなく幸福感を演出することが目的

(補足)
 β-エンドルフィンの鎮痛効果は陣痛以外の痛みには効いているはずです。

いかがなものでしょうか?
まだまだ考察が足りない、つじつまが合わないなどの意見をお待ちしています。一緒に考えたいので賛同でも否定でもコメントくださいね。

実は「本能をむき出しにする」という発想は、クリ子の言葉が基になっています。このシリーズの中ではまだ産んでいませんが、入院中、「あんなすごいことは、冷静だったらできなかった。痛みで何もわからなかったからできた。」と私に言いました。

頭の中で電球が光りました!

つづく→鍼灸師とお産(18)

ranking←クリ助に投票するツボ。今こそ一世一代の大勝負です☆

コメント

  1. Chab より:

    先日、陣痛とか分娩について話が出ました。
    クリ助さんの記事からいろいろ思ったことを伝えたかったのですが、
    あまり伝わらなかったようで、とても残念に思っていたところでした。
    私があの時言いたかったことが、今日の記事に集約されています。
    本能をむき出しにする、まさにその通りだと思います。
    伝わらないもどかしさが一気に解消して、今涙が止まりません。
    すみません、勝手に感動してしまって・・・。

  2. なちゅら より:

    なるほど・・・と思いながら読んでいました。
    ソフロロジーの考え方とも通ずるものがあるように思います。
    前駆陣痛かな?と考えた際、経産婦さんとのお話で
    「目の前のものがはっきり見えたら、それは生まれる陣痛じゃないよ。
    本当の陣痛は目なんて開けていられる痛みじゃないから。」
    なんてお話を聞いたことがあります。
    思考能力も停止させて本能を呼ぶのが陣痛なのでしょうね。

  3. クリ助 より:

    >Cahbさん
    伝わらなかったですか…。悔しいですね。
    具体的には、どんなお話をされて、どんなリアクション(無関心?)だったのでしょうか?
    妊娠すると知識のシャワーを浴びることになるので、一番大切な本能をついつい忘れてしまいがちですよね。

  4. クリ助 より:

    >なちゅらさん
    ソフロロジーですか。すみません、お恥ずかしながらソフロロジーを知らなかったので検索してみました。あるサイトに「お産を乗り切るのではなく…」なんてことが書いてありました。本当にその通りだと思います。
    クリ子は陣痛で思考能力だけでなく記憶力もなかったので、お産の様子は私のブログで確認いているようです。「へ~、そうだったの?」なんて。

  5. かもめ より:

    クリ助さん、体だいじょうぶですか?
    きっと、多忙で更新ままならないのでは…、なんて思ってました。
    いやぁ~、ここまでくると陣痛の体験も、立会い出産の経験も無い私には、なかなかコメントもでてきませんね、ホントに…。(トホホ)
    帰って、妻にその辺のこと聞いてみたいと思います。^^)

  6. クリ助 より:

    >かもめさん
    ご心配おかけしています。
    大丈夫ですよ~。
    くたばってはいけないので、更新のペースをコントロールしていただけですから。
    でも、早く書かないと記憶が…。
    臨場感がなくなってきたら記憶が薄れてきたと思ってください。なんとかごまかしながら続きを書いてみます。
    かもめさん、コメントは何でもかまいませんよ。
    いただけるだけで本当に嬉しいですから。最近、かもめさんのブログにもコメントしていませんでした。新しいシリーズが始まっていますね。

  7. サト より:

    記憶が新しいうちに、色々考察することって大事ですね。
    間近な体験だからこそできる考え方だと思います。
    面白いですね。
    人間の体は小宇宙ですから!
    そんなことがあってもおかしくないですよね。
    私もクリ助さんを見習って、記憶の新しいうちに色々ひらめいたことを書き記していきたいな。
    実は体調不良で応援クリックはしていましたが、コメントできずにいました。お体大事にしてくださいね。やはり、たっぷり寝なければ!

  8. クリ助 より:

    >サトさん
    小宇宙の探索ですね。
    このブログはある意味、クリ助のメモ帳のようなものです。思いついたことをつらつらと綴っていく…。
    応援クリックありがとうございます。せっかく応援していただいているのに更新をサボっていたら順位がどんどん下がってしまいました(笑)
    よく寝て、万全な体調で明日も患者さんの施術にあたろうと思います!

  9. 萩原俊明 より:

    初めまして。別のことで検索サイトを見て、偶然こちらの記述に引かれてやって来ました。
    来て良かったです(笑)。
    ベンタ君の紹介記事を始め、ためになることが一杯のサイトですね。文体も読みやすく飽きが来ません。時間があったらいつまでも読んでいたいところです。
    群馬には前橋の方に同級生(年下ですが)の鍼灸師がいて、もう10何年も前になりますが、研修に来られていた南米の方と、一緒にベルツ温泉に浸かったことがあります。
    くりすけ先生のこのサイトは、ほんに、よいサイトです。これからも楽しんで運営を続けていってくださいね。お願いします。

  10. クリ助 より:

    >萩原俊明さん
    ベンタ君の記事読んでいただけたのですね。懐かしいです。実は、以前から萩原さんのブログを拝見していました。ちょっと気になるブログでした。
    今回改めてプロフィールを読ませていただき、この表現が心にとまりました。
    ───────────────────────
    いつもまず否定(自省・自戒の意)すべきは己自身で
    あり、「他」ではありません。
    人間の経験はみな「宝」です。
    ───────────────────────
    こういう言葉大好きです。
    ツボ日記、また読みに来てくださいね!

  11. artput/ takita より:

    はじめまして
    職業別ブログ集サイト“仕事コトログ”と申し
    ます。貴サイトを仕事の現場の空気を感じ取れ
    るブログとして、勝手ではありますが、選ばせ
    ていただきました。掲載の拒否、ご要望などあ
    りましたら、お手数ですが、御連絡いただける
    と幸いです。尚、差し支えなければ、リンクも
    張っていただけると、たいへん嬉しく思います。
    よろしくお願い致します。 artput/ takita
    掲載ページ:
    http://www.artput.net/joblog-massage.html
    仕事コトログ
    http://www.artput.net/joblog.html
    info@artput.net

  12. 夢湖 より:

    またもどうでもいいところ?で笑ってしまいました~!
    本題について考えろって話なんですがそれよりも気になるというか・・・・・
    サブタイトルの「本能が丸出し」でまずオオウケ。
    締めの一言「つづく…そろそろ頭くらい見えてくる頃ですから」で更に爆笑。イヤー今日も笑いのツボですね!

  13. クリ助 より:

    >artput/ takitaさん
    仕事コトログ、訪問させていただきました。
    私のサイトを選んでいただき、本当に嬉しく思います。

  14. クリ助 より:

    >夢湖さん
    笑いのツボをできるだけ仕込んでおこうと思います。10コ中、1コくらいはウケていただけるといいですね~。

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