昨日、逆子で来院された患者さんのエピソードです。
鍼灸院がどういう所なのか、この患者さんの発言でわかる気がします。
昨日は3回目の来院。2回目の来院で、逆子が直っている状態(頭位)だと思ったので、「直っているかもしれません」と伝えてありました。エコーで頭位を確認した後、昨日の来院の日を迎えたのです。
「本当に直っていましたよ~。実は、半信半疑だったんです。」
という喜びを語りながら、本音の暴露です。
疑われながら施術し、結果を出して疑いを晴らしていくパターンというのは、もう常識です。多くの方が「鍼灸なんて本当に効くんだろうか…」と思いながら来院しています。当院で鍼灸を受ける方の8~9割が鍼灸が初めての方です。
何で鍼灸を受けようと思ったのか、鍼灸師として興味があります。
そこで、今日はこの質問をぶつけてみました。
「半信半疑なのに、どうして来たんですか?」
彼女の口から、こんな言葉が出ました。
「もともと興味があったんです」
逆子と診断される前から、鍼灸に興味があったというのです。彼女のお父さんが鍼灸院(当院ではないところ)に通院していること、その通院を否定的にとらえているお母さんの話をしてくれました。お母さんが否定的なのは、「通うってことは治らないってことだから効果がない」という主張らしいのです。それに対して、お父さんは「行くと調子がよくなるから通っている」という主張です。
確かに、お父さんの言葉を聞けば信じたくなって、お母さんの言葉を聞くと疑いたくなるでしょうね。半信半疑はここから生まれているんだなぁ、と。
そんな彼女が来院するきっかけとなったのは、ある助産師さんの紹介でした。その助産師さんは当院に通って逆子が直った経験を持っています。その助産師さんの話を聞いて、若干「信>疑」に傾いたようです。
「ちょこちょこお灸しただけで赤ちゃんが反応するなんて…!」
(実際のところは、お灸だけではありません)
直らなかった逆子が1回の施術で直って、疑いの念が感動に変わってしまうようです。それは鍼灸師として快感です。疑いが晴れたから、私に本音を語ってくれたのだと思います。
初めての予約の際、電話の向こうから次の質問がやってくることがあります。
「本当に効くんですか?」
相手にそんな気はなくても、鍼灸師を肩書きに持つ私としては、
「あなたはこの社会に存在する意味があるのですか?」
と、こんな感じですね(苦笑)
「あなたは詐欺師ではないですよね?」
というニュアンスに感じる時もあります。フタを開けられるまで、私は詐欺師と同席しているわけです。あやしい電話の相手を詐欺師と疑う癖が必要な一方で、自分も詐欺師扱いされているという自覚が必要です。半分本気で半分冗談です(半笑)
満足な結果を得られなかった患者さんにとって、私は一生詐欺師のままです・・・(涙)
東洋医学も私も万能ではありませんから残念な結果に終わることもあります。それは仕方ないと思いながらも、仕方のない世界からはい上がろうとするのが務めです。
逆子の患者さんは、最後にこう言い残して帰りました。
「整体院に来るのは勇気がいりますね。男性と二人っきりの部屋に入るので。でも、ここは患者さんの8割が女性だと聞いたので来ました。来てよかったです。」と。
整体院か…。
笑顔で帰る姿を見られたので、それ以上はつっこまないことにします(微笑)
昨日はたくさん聞き出せました、患者さんの本音。


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