(3)のつづき
■夫が出産に立ち合う理由
お腹の中で赤ちゃんは、どうやって出てくる時期を決めているのでしょうか? 自分にもその頃があったわけですが全く覚えていません。不思議です。本能としか言いようがありません。
人間、何でも知識で動いているように勘違いしやすいのですが、本能に支えられて生きています。お産は、出す方も出る方も本能。お産では、人間が人間である以前の姿が見えます。
「生きる」
ということを感覚的に理解できる瞬間です。男性はお産に立ち会えるなら立ち会っておいた方がいいな、と強く思います。ただし、覚悟を決めてから(笑)
長男11歳と長女6歳も立ち合いを望んでいます(長男は長女の出産に立ち合っています)。
立ち会いを強く望んでいても、タイミングが合わなければ無理です。日中は職場である鍼灸院で患者さんを診ています。よほどの緊急でなければ、抜け出して…というわけには行きません。
■計算が本能を越えた
自ずとベストな曜日と時間が割り出されます。それは、水曜日の午後9時です。患者さんが終わった頃に産院に連れて行って産むというパターンです。この時間帯なら長男と長女も起きていて立ち合いに連れて行けます。
しかも、翌日の木曜日は休診なので時間の使い方が自由です。そして金曜日、土曜日と2日間患者さんを診て(東京出張を入れていない)日曜日です。
今回は、そのベストがやってきたのです。
当日の午後2時過ぎから怪しい痛みが出始めてきました。この時点では、「かもしれない」程度です。前回の出産から6年空いているので、陣痛がどんな感じだったか覚えていない様子。それともお産に伴う幸福感が痛みの記憶を消してしまうのでしょうか…。
■夜に本陣痛がくるようにがんばる
かもしれない陣痛を頭の片隅に追いやり、普段通りに仕事をしていました。合間があるたびにLINEのチェック。なぜか産む時間の調整に挑戦し始めているクリ子。

「この日だといいな」と思って、最後の一枠はあえて空けておきました。だから19:05の患者さんが最終でした。予約時間の5分前にやってきた患者さん(ありがたい!)。すぐに施術室に案内して早めの施術スタート。
あとで知ることになりますが、この時点で陣痛は10分間隔になっていました。知らなくてよかったと思います。19:30に患者さんがお帰りになると、ダッシュでクリ子の元へ(自宅は鍼灸院から近いのです)。
後片付けは、スタッフの光山くんに完全に丸投げ。
「行ってきまーす!」
と鍼灸院を出ました。クリ子、そして長男、長女、そしてお義母さんを乗せたのが19:45分頃。遠足前のように出かける準備が完璧でした。ここから産院まで25分くらいです。
車内で陣痛の間隔がどんどん狭くなってきました。
しかし、不思議と車の中は落ち着いています。妻の精神状態もいいし、私も普段と何ら変わりません。3人目だからかもしれません。これまでの経験が安定を生んでいました。
逆に言えば、初めてのお産だったらこんなに落ち着けません。実際、一人目の時などクリ子は車内で「産まれそぉー!!」と叫んでいたのです。私もブログを書くテンションが違う気がします。今回はどことなく大人。
無事に産院に到着すると、クリ子はいきなり分娩室に連れて行かれました(20:10頃)。残された者は食堂で待機。
弟が産まれてくることに興奮を隠せない長女6歳。

20分くらいすると、助産師さんから「産まれるよ~」の声。
「え、もうですか!?」
心の準備はまだですよ~。
つづく…(5)
◆関連記事
・鍼灸師とお産(1)
・鍼灸師とお産-第2章(1)

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